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映画 「のだめカンタービレ 最終楽章 前編」 映画ファンだけでなく、音楽ファンすべてに観てほしい! [映画]

大好きな若手俳優の二人、玉木宏さんと、上野樹里さん主役とくれば、観ないわけにはいきません!

そのうえ、テーマが大好きなクラシック音楽ですから、ますますもって、はずせない「のだめカンタービレ 最終楽章」であります。コミックも良かったですが、音楽ものは、やっぱり実写(というか実音)を味わいたいですもんねえ。

結論言っちゃいますと、映画ファンはもちろん、音楽ファンにも観てほしい素晴らしい作品です!(すんごい名作・・・とまでは申しませんが)

女子向けコミックが原作だろ?などと色メガネでみてるアナタ~~、見逃すのはもったいないですよ~~。後半の、チャイコフスキー「1812」のコンサートシーンで、ワタクシ、泣きました!・・・だからなんだよ?と言われそうですが。

のだめカンタービレ 最終楽章 前編 2009年日本

出演 玉木宏、上野樹里、竹中直人、ベッキー、ウエンツ瑛士、谷原章介、瑛太 ほか

のだめカンタービレ 最終楽章P.jpgコミックと、TVドラマで一大ブームになった、クラシック音楽コメディ「のだめカンタービレ」の映画版であります。ストーリーはTV放映の続きになっています。「前編」のあと、2010年4月公開の「後編」で完結だそうです。

ヨーロッパの指揮者コンクールで優勝し、パリで、念願のプロ指揮者への道を歩みだした千秋真一(玉木宏)と、千秋にベタ惚れの天然ボケ&ピアノの天才(・・・なのか?)、のだめ、こと野田恵(上野樹里)が主役です。

クラシック音楽の世界で自己実現を目指す二人の、とんちんかんな恋愛模様に加えて、音楽に人生に、迷い、悩みながらも自らを信じハードルを乗り越えてゆく成長ドラマなのです。

私は、下手なハリウッドの恋愛映画(&音楽映画)より、よっぽど、本作のほうが素晴らしいと申し上げたいですね。

本作の良さは、千秋も、のだめも、「恋愛至上主義」ではないことです。「愛さえあれば・・・」なんつー、アメリカン・フールな妄想など無く、最後には必ず音楽に戻ってくる・・・・その、姿勢がスガスガしいのね。

キレイごとだけど「音楽を通じて、二人がともに成長する」コンセプトが、しっかりしている、ってことですね。もちろん、全編通じてのナンセンス・ギャグも、TVドラマ同様、バカバカしく楽しいです(特に、竹中直人さんは怪演には嬉しくなりますね)。

さて今回の「前編」。恋愛模様より、千秋が常任指揮者に就任した(させられた)フランスの某オーケストラでの悪戦苦闘に重点が置かれます。クラシック好きなら、かなり食いつけるネタではないでしょうか。

のだめ2.jpg

かつては栄光時代もあったけど、財政難&団員同士の確執で、崩壊寸前のダメオーケストラ・・・そこに常任指揮者として放り込まれた千秋は、限られた時間で、なんとかオケを建て直せばなりません。

「建て直す」なんて簡単に言っても、それがいかに大変か、描写が実にリアルなんです。

演奏レベルを上げようと、必死にリハーサル繰り返す千秋。ところが負け犬クセのついた団員たちは、その強引さに、ついにリハをボイコットします。腐っても音楽家、と自負する演奏家たちの(余計な)プライドと、常任指揮者のガチンコ対決はスリリングでさえあります。

しかし、多くの紆余曲折を経て「音楽とは調和だ!」という原点に気づく楽団員たち。いつしか千秋の情熱を認め、それに動かされていきます。

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ラストのコンサート・シーンは圧巻です。カメラワークも良いし、玉木宏のなりきり指揮者っぷりもお見事です。そこで展開するのは、数ヶ月前までのダメ楽団の復活劇!この昂揚感たるや!

チャイコフスキーの序曲「1812」、バッハのピアノ協奏曲1番、そして、チャイコの交響曲6番・・・おお、いいねえ~~。

指揮者とオーケストラ、オーケストラと観客、さらに遡れば、作曲家と演奏家との間で ( 照れくさい表現ですが )「心をつないでこそ」、音楽のパワーは発揮されるんだな~~と、カッコいい感想を言いたくなる痛快シーンでした。

もちろん、そこに並行し、のだめの悩みや葛藤も描かれ、次回への伏線を残して、映画は終わります。後編が、おおいに楽しみですねえ。

のだめ3.jpgのだめ1.jpg

余談ですが、クラシックマニアの方なら、今回の千秋真一の活躍を、古くはオーケストラビルダー=「楽団建て直し屋」こと、名指揮者アンタル・ドラティに重ね合わせることでしょう。あるいは、現在ベルリン・フィルを率いる名匠サイモン・ラトルの出発点は、地方オケに過ぎなかったバーミンガム市交響楽団を世界レベルに引き上げた「大事件」でした。

リーダーの熱意と能力によって、組織がいかに生まれ変わるか?という、ビジネスにも通じる深いテーマも考えてしまいました。

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ふくずみ

アッシー様、あけましておめでとうございます。
「のだめ」、面白かったですね。
たくさんのテーマを入れ過ぎずに、千秋のオケ再建に絞ったのは良かったと思います。コミックを、映画化するのは難しいと思いますが、欲張らずにシンプルにしたセンスが光りました。
それに、玉木宏さんが役にピッタリですよね。

個人的には、片桐はいりの迫力に圧倒されましたが・・・。
今年も楽しい映画記事を期待しています。
年間100本超鑑賞をめざして、がんばってください。
by ふくずみ (2010-01-03 19:27) 

青兄

早速「のだめ」を観賞とはさすが、羨ましい。

私の方は年末に録画しておいたTV版を大晦日に2夜分見て、映画版も見たくなっております。良いですよね、途中にちょこっとかかる色々なクラシック音楽がまた場面を盛り上げたりして。 チャイコフスキーの序曲や6番ですか。面白そうですね、一体どんな場面で使われるのだろう。

映画館で見た方が良いですかね?自宅のホームシアターも捨てがたく、DVDが出るのを待つか、迷っております。
by 青兄 (2010-01-04 07:54) 

アッシー映画男

To ふくずみ様、あけましておめでとうございます。
片桐はいりさんは怖かったですね~~。って、どう考えても、彼女から、山田優さんは生まれないよって・・・そこをツッコンではいけませんね?

今年は映画館で、年間100本、できれば120本鑑賞を目指して、頑張ります!不景気のせいか、メジャー系の映画の製作本数も減ってきているようですが、そんなときこそ、ミニシアター系!
マニアックに行きたいと思います。

札幌は年始から、雪で大変だと思いますが、良いお年を!
by アッシー映画男 (2010-01-04 07:59) 

アッシー映画男

To 青兄様、コメント、ありがとうございます!

映画はもちろんですが、「映画館で観る」ことが大好きなワタクシとしては、やっぱりホームシアターよりも、大スクリーン、大音響の劇場で観ることをお勧めしますね。コンサート気分も大いに楽しめますし・・・・

あと、「観たい」というテンションが高いうちに観るのが良いと思うので。
TV局からみの作品ゆえ、待っていればTV放映されるのは確実ですので、そのあたりは個人の好み、でしょうね。
私は、そこまで自分の中でネタを引っ張れないタイプでして。

「のだめ」のコミックが出はじめたとき、クラシック好きの友人に薦められて読んで、「おーー」と感動、発売のたびにその友人から借りて(買わないんかい!)読んでいました。で、その後、TVドラマ化され、世間でも評判になったのですが、自分の中ではすでに「のだめ」は終わったネタとなっていました(連載は続いていましたが)。
やはり、この「時間差」があるので、基本、ワタクシは、DVDを待たずに、観たいものは即、観る、というスタンスになっております。

ステーヴン・セガールの映画も、もちろん映画館で観る!!・・・・それは、ちょっと違いますね。ふふふのふ。
by アッシー映画男 (2010-01-04 08:09) 

Betty

後編がすごく楽しみです♪
by Betty (2010-01-16 19:25) 

アッシー映画男

To Betty様、コメント&niceありがとうございます。
前編のラストの、あの思わせぶりなをシーンを観せられたら、後編を観ざるをえませんよね~。ワタクシも楽しみにしております!
by アッシー映画男 (2010-01-17 09:43) 

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