映画 「戦場でワルツを」 神はいないのか!と叫びたくなる、人間の「業」に向かい合えるか。 [映画]
イスラエル映画「戦場でワルツを」を拝見しました。2008年に公開され、賛否両論を巻き起こした戦争ドキュメンタリーです。ゴールデングローブ外国語映画賞受賞、セザール賞受賞、アカデミー外国映画賞ノミネートなど、堂々たる肩書きをひっさげての本邦公開です。
本作は、観客受けを狙った、いわゆる商業映画の類ではありません。
感動より衝撃を受けた、というべきでしょう。衝撃の源は、映画の出来・不出来ではなく、描かれている「人間の業の深さ」というべきでしょう。戦争の名のもとに、他民族をなぶり虐殺する、その行為を行う個人は悪魔でも鬼畜でもない、この逆説的な恐ろしさ。
普通の人間を狂わせる、または、目の前の残虐を黙認できる「精神のありよう」こそ、まさに人間の業。
そうなんです。戦争の恐怖は、ふりそそぐ銃弾や爆弾による「直接の死」だけではなく、戦争に関わる「人間の内面」にこそ潜んでいることと、思い知らされる恐ろしい作品です。
したがって、本作を「面白いから、見てね」・・・とは絶対に言えません。ましてや善人ぶって、素晴らしい反戦映画だと賞賛もできません。ここに描かれるドラマではない「ある現実」、不条理な「実存」そのもの以上に語ることはないのです。観客は、その現実に向かい合えるか?
銀座シネスイッチで拝見し、ラストシーンで聞こえた観客のすすり泣きが、映画とともに深く心に刻み込まれました。
戦場でワルツを 2008年イスラエル
監督・脚本・出演 アリ・フォルマン
監督自身の実体験に基づくノンフィクション(だそうです)。全編アニメーションですが(最後に唯一、実写箇所がある)、アニメゆえに、登場人物の悪夢や心象風景がリアルに再現され、見事な見識だと思います。
娯楽作品ではないので、以下、ネタばれで語ってしまいます。
主人公アリ(監督本人)は、26年前にイスラエル軍による「レバノン侵攻」で出兵した友人からある相談を受けます。その友人は、毎晩「26匹の犬に襲われる」悪夢をみるのです。彼は、レバノンの村を襲撃するとき、吠えたてる村の犬を射殺する役目でした。26匹の犬を殺した彼は、その犬たちの夢にうなされているのです。
この話をきいたアリは、不思議なことに気づきます。
自分も、レバノン侵攻で出兵した・・・・しかし、その時の記憶が、完全に欠落しているのです。出兵したことは覚えているのですが、敵地ベイルートでの記憶がない・・・・
あのとき、自分は、どこで何をしていた?なぜ、戦場の記憶が消えたのか?
こうして彼は、昔の仲間を訪ね歩き、「記憶を取り戻す」旅に出るのです。
しだいに明らかになる戦場での出来ごと。だが、どうしても思い出せない、最後の記憶の空白が残ります。パズルの一片のように、その空白が埋まったとき・・・・この映画は終わります。
アリが自己防衛のため無意識に封印していた記憶とは何か?それは、侵攻した難民キャンプで、何の罪もない、パレスチナ人の男性、女性、老人、子供たちを大量虐殺した(正確には、虐殺を黙認した)悪夢の出来ごとでした。
この映画を観て、すごい・・・と思ったのは、1時間30分という比較的短い上映時間の中で、「語ること」がハッキリしていることです。意識的か、あるいはイスラエル人ゆえかは分かりませんが、興味深いのは、アリの戦友、上官あるいはアリ自身の「現在のあり方」です。
彼らは、戦場での出来ごとを引きずって現在を生きているのですが、戦争の悪夢で精神が蝕まれている、とかではなく、「戦争は過去」と淡々としています。
たとえば、アメリカで製作される戦争ドキュメンタリー(または戦争映画)だと、アメリカ兵の精神的ダメージ、葛藤、悪夢、フラッシュバック・・・をやたらに強調して、アメリカ兵を「被害者」に仕立てるのに対し、「戦場でワルツを」は、イスラエル人が作った映画なのに、イスラエル兵のダメージなど、パレスチナ人が受けた大虐殺の前に、どうということもないだろう、と言わんばかりのクールさなのです。
このメリハリはすごい。
徹底的に、自分(の国)を、加害者側に置いている。安っぽい反省、とか、感傷、を交えず、目の当たりにした「事実」を描く(結果的に自己批判となる)。なんという潔いアプローチなのでしょうか。
それにしても。。。人間(人類)の残酷さとは。
「報復」の大義名分さえあれば、無抵抗の老人や女や子供を壁に一列に並ばせて機関銃で撃ち殺し、凱旋帰国して、商売をはじめ、家族を持ち、家を買い・・・・それが平和か!?
ラストに流れる、シューベルトのピアノソナタ20番の第二楽章・・・胸のつぶれるような、この切なさは・・・・。
と、ここまで褒めておいて最後になんですが、本作に対し、非常に不愉快なことがあります。内容ではなく「日本語字幕」です。雪のシーンで背景が白いにもかかわらず、字幕が白字。背景に字幕が溶け込んで読むのが大変ですよ!色盲検査じゃないんだから、背景が白なら、縁取り字にしてください。そんなシーンが他にもいくつもあります。せっかくの力作なのに、会話内容が分からないと、話になりません!!
私が小学生の時に、映画館で見た「大統領の陰謀」という映画がまさにこれ。新聞社の明るい室内シーンに、白い字幕で、読みづらくて往生しました。字幕の件は、関係者に猛省を促したいと思います。
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
この映画、カンヌ国際映画祭で物議をかもした、という記事を読んだ記憶があります。
記事を拝見すると、かなり重たく、民族間の確執も関係しているようで、平和ぼけの私には、うかつな事をいえないような世界と感じました。
アメリカでつくった戦争映画は、何をとりあげても、アメリカ側を被害者に仕立てあげるというのは同感です。
by F30 (2010-01-07 10:12)
To F30様、あけましておめでとうございます。
コメントありがとうございます。
ヘヴィな内容でしたが、誤解を恐れずにいえば、サスペンスの要素あり、謎解きあり、でドキュメンタリーっぽくない面白さがあります。
飽きるようなことは全くありませんでした。
とにかく問題は「字幕」ですね。読みづらい!これさえ改善していただければ、言うことはありませんです。
by アッシー映画男 (2010-01-09 09:52)
こんにちは。
この作品、観たいと思ってたんですが、チャンスを逃してしまいました。
でも、非常に良い作品のようですね。
アッシーさんの記事を読んでますます観たくなりましたよ。
これは、観るしかなかないですね。
衝撃を受け止めたいと思います。
by 亮 (2010-01-12 07:17)
To 亮様、コメントありがとうございます。
映画として良いか?というと、微妙かもしれませんが(ドキュメンタリー映画といっても、展開があざとい、ともいえるし)、主人公の「心の旅」に観客もシンクロして、最後に、なんともいえない気持ちになります。
たしかに、商業的な映画とは異質な空気があります。
それでありながら、映画に引き込まれ、退屈など全くなく、あっという間に観終わりますね。自分としては、観て本当に良かった!と思いました。
by アッシー映画男 (2010-01-13 20:55)
ベリーナイスです。
【映画 「戦場でワルツを」 神はいないのか!と叫びたくなる、
人間の「業」に向かい合えるか。】
>ゴールデングローブ外国語映画賞受賞、
>セザール賞受賞、
>アカデミー外国映画賞ノミネートなど、
>堂々たる肩書きをひっさげての本邦公開です。
>本作は、観客受けを狙った、いわゆる商業映画の類ではありません。
<上等な映画の様子、そんな表現をしてみたい…
<でも映画館へ行くことすら、わたくしには
できないでしょぅ。
吾が父は出兵、
父が80才で手術の為の麻酔を打った
とき、彼へ初めて戦争体験が麻酔による
記憶の中へ復活!
その様子は「戦争の狂気」再びそこへ
わたくしが向き合えないから_です。
by 梅澤紫音 (2019-09-07 13:58)
わたくしの局部記憶喪失へ暫しお付き合い下さいませ。
______________
▼不条理の記憶を蘇らせる旅のクライマックス
______________
わたくしは『戦場でワルツを』鑑賞しておりません。
ここへ、わたくしが書き込む資格を持ち得ません
が、
NHK(BS)放送「アリ監督へのインタビュー」及び
「監督と同じ症状の子供ら他、色々な環境から記憶喪
失となった人々に焦点をあてて観察」する当ドキュメ
ント番組を、偶然、2009年?2010年暮れ28日に視聴
いたしました。
わたくし自身の体験を踏まえて【局部記憶喪失】と
我が身を勝手に呼んでおります。
続く↓
by 梅澤紫音 (2019-09-07 14:05)
わたくしは『戦場でワルツを』鑑賞しておりません。
ここへ、わたくしが書き込む資格を持ち得ません
が、
NHK(BS)放送「アリ監督へのインタビュー」及び
「監督と同じ症状の子供ら他、色々な環境から記憶喪
失となった人々に焦点をあてて観察」する当番組を、
偶然、2009年?2010年?暮れ28日に視聴いたしました。
わたくしの体験を踏まえて【局部記憶喪失】と勝手に
呼んでおります。
NHKTV放送のアジアの某男子【母親のみを記憶喪失
した実例】他、症例は複数放送されました。
幼児期から、わたくしは一度出会った人々を忘れた事
がない…
自身を含めて俯瞰して【動画で記憶】してしまうわた
くしが【吾が人生の一部を記憶の中で欠失させていた】
ことが、先ず信じられませんでした。
だから、このNHKドキュメンタリー放送も、
「戦場でワルツを」アリ・フォルマン監督インタビューも
わたくしにとって大変有意義でした。
_________________
・わたくしが記憶喪失となった対象は、
・嘗て総理大臣就任経験を持つ【24才当時の小泉純一郎】氏、
_________________進次郎君の実父。
by 梅澤紫音 (2019-09-07 14:10)
三ヶ月前に相互に話し、小泉純一郎という氏名を何度
も揮毫していたわたくしが【小泉純一郎の氏名も顔も
声も38年間忘れ去っていた】。
私自身が、このことを信じられません。
わたくしは小泉純一郎氏が語った言葉、着衣の服など
は、バラバラに記憶しておりましたが、
その人も、
その場面も、
わたくしと同席同行動をとっていたことと結びつかず、
【無かった!知らなかった!】ことでした。
小泉純一郎首相就任前後から始まった、それまでに
体験したことの無い!【電流ビーム照射被害】
時に脳天を突き抜けるほどの高電圧。
足首のくるぶし中央、親指の爪の生え際、女性局部等。
某日【吾が左手親指爪が剥けました】
吾がマダラ記憶が蘇りました。
だから、NHKの放送を視聴して、自己分析とバラバラ
となった記憶を、立体的に繋げていく作業が可能とな
りました。
by 梅澤紫音 (2019-09-07 14:15)
また、当時の友人の一人が、小泉純一郎氏同行のわた
くしと彼との関係性を証言して呉れたことから、吾が
記憶から【小泉純一郎だけがすっぽり消えていた】事
の証明となりました。
【記憶喪失となる為のたった一点】↓
【吾が脳内ニューロンのシナプス電気伝達を封鎖】
した一言、それは、
24〜5才の小泉純一郎氏が極めて真面目に爆発的に
告げた
▼A.【俺の足の親指の爪が剥けた】でした。
*これは、吾が17年間の人生最大のショックで、
*帰路の車中泣き出したい…くらいでした。
17才のわたくしが、小泉純一郎氏に直接真正面で問ぅ
た内容は
Q.【人間はなぜに生まれ、どこへ向かって?なぜに生き
るのでしょぅ?】でした。
葬儀へ、幼児期から列席する家庭環境だったわたくし
は、この「人類の原題」をかなり幼い頃から裡へ抱く
ようになっておりました。
国内のシスターも牧師も各学生時代の教諭らも答えら
れず、時には【子供らしくない】とわたくしを叱りつ
けた【吾が問ぃ】、
*小泉純一郎さんは共に考えて呉れる、
*共通の話題として呉れる_と17才のわたくしの思い
込みが強すぎた結果、
*吾が脳内正常活動が途切れて、
*吾が脳内記憶フォルダーへ収まらず、
*氏名と声と姿を忘却することで、脳は解決させたの
では?
と、斯く、わたくしの現判断です。
by 梅澤紫音 (2019-09-07 14:23)
次に発生した吾が疑問が、
▼【24才の小泉純一郎はなぜ?前後左右どこからも
無関係な【残酷的な暴力的な回答】を、
▼【平然と真面目に発せられたのか?】
__________です。
【ハザールマフィア戦争屋ブッシュと共同経営】
する
▼【兵器製造会社西部通商】を
▼【広域指定暴力団稲川会が事務担当】します
が
▼【広域指定暴力団稲川会構成員竹内親子】が
▼【小泉親子の専属選対部長】です。
__________
25〜6才の小泉純一郎は強姦グループを作り
「今晩やっつけよーぜ」と暗躍、
単独で少女強姦妊娠犯で警察に逮捕!
Dr.診断精神分裂症、1967年4・5・6月と、
都立精神病院松澤病院Dー40(独房)へ強制措置
入院。
CIAが1967年強姦犯の小泉調書隠滅、
1968年から、沖縄県知事選で自民党議員当確の為に
CIA代理人として小泉純一郎諜報員初仕事2000万円
運動資金運搬。
精神病院は患者の再入院が考えられる為に
小泉純一郎氏の【患者カルテも永久保存】です…。
by 梅澤紫音 (2019-09-07 14:26)
【戦争は人類の野生:狂気】です。
だから、人間の叡智として
【憲法:法律を誕生】させたのでしょう。
▼市場経済における戦争経済は
▼人類蛮野生を経済論へすり替えました。
by 梅澤紫音 (2019-09-07 14:29)