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映画 「マイティ・ソー」 すでに公開終わりましたが・・・これは素晴らしい!! [映画]

夏です。暑いです。関東は連日30℃超・・・外に出ると体が溶けますぜ!って「プラネット・テラー in グラインドハウス」のブルース・ウイリスかっ! 

前々回記事に書いた気もしますが、この時期、深遠なる人間ドラマはご遠慮し、なーんも考えずにスカッと観てスカっと忘れるような映画をチェックしちゃいます。そういえば、ただでさえ演技が暑苦しいショーン・ペン出演「ツリー・オブ・ライフ」を、猛暑の日本で公開した配給会社の英断には、皮肉をこめた拍手を送りたいですねぇ。夏休みお子様映画に対抗するなら「オープン・ウォーター3 赤い珊瑚礁」しかないでしょうが・・・って、なんの話でしたっけ?

そう、夏はスッキリ、後をひかない映画が良いという私見をご披露したのでした。

そんなわけで公開は終わりましたが「マイティ・ソー」というアメコミ原作ファンタジーを拝見したので感想書きます。予告編を観た限り、神話をベースにしたコスプレ系の駄作に思えたのですが、とんでもない!駄作どころか、コミック原作のヒーロー映画で、これほど見事な作品は久しぶりでした。素晴らしいっ!

ストーリーが分かりやすいうえに、よく練られています。「X-MEN ファースト・ジェネレーション」よりも良く、現在公開中の「トランスフォーマー ダークサイド・ムーン」などは足元にも及ばない、観る価値アリの力作(断言!)。さて、「マイティ・ソー」、なにがそんなに良かったのか?

マイティ・ソー 2011年米

監督 ケネス・ブラナー 出演 クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、アンソニー・ホプキンス、浅野忠信、トム・ヒドルストンほか

マイティソーP.jpgまず、浅野忠信さんハリウッド進出第一弾!という宣伝文句が日本人ココロをくすぐりましたね。でも映画はしょうもないんでしょ?くらいの冷やかし気分で拝見したんですね・・・ところがどっこい!前述のとおり、マジ、感動しちゃったワタクシであります。

ラストでナタリー・ポートマンの背中から真っ黒な羽がどばーっと生え・・・あれ、それは「ブラック・スワン」だよ、あっはは、と、ややこしいボケをかましている場合ではありません。

まずハッキリ申し上げて、「マイティ・ソー」、設定はめちゃ子供っぽいのです。

「神の国」の偉大なるオーディン王(アンソニー・ホプキンス)が老年を迎え、二人の息子のどちらかに王位を譲ることになりました・・・と、もろに中世騎士物語のノリであります。

老王が王位を譲ろうとする長男ソー(クリス・ヘムズワース)ですが、こいつが超問題児なんですね。ワガママ放題の暴れん坊。休戦中の巨人族の星に「俺様流」で仲間とのりこみ、無敵のハンマー”ムジョルニア”を振り回し大暴れ・・・ここに至り、老オーディン王の堪忍袋の緒が切れます。

ソーは「神の力」を奪われ追放、人間になって地球に落ちます。隕石よろしく地面に激突した彼は、異常を追跡していた天文学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)たちに助けられます。しかし「俺様No1」のソーは感謝するどころか、横暴な言動で周囲をウンザリさせるのでした。

無敵のハンマー”ムジョルニア”が地球に落ちたことを知り、意気揚々と現場に乗り込んだソーですが、地面に刺さったムジョルニアを微動だにできず困惑、周囲からは狂人扱いを受け、自分の無力さと傲慢さを思い知り、深~く落ち込んでしまうのでした。

一方、ソーがいなくなった神の国では、ソーの弟が、敵である巨人族と手を結んで、老王から全権力奪おうと画策をはじめます。謀略に気付いたソーのかつての仲間たち(浅野忠信もこの一人)は、ソーを連れ戻そうと、王の命に背き地球へやってきます。

地球で「正しい人間」として生きることを決意したソー。しかし、邪魔者ソーを抹殺しようと弟の放った刺客(化け物)が地球に降り立ちます。神の力を失ったソーは対抗できるのか?ソーの追放は解かれるのか?「神」に戻って、弟の邪悪なもくろみを打ち砕けるのか?

マイティソー1.jpg

本作は傍若無人のワガママ坊主が千尋の谷(って地球だけど)に突き落とされ、初めて挫折を経験、しかし周囲の愛で「改心」し「成長」、ついには世界を救うという、ベタベタ・ヒーローストーリーなんです。ワガママ・ソーが中盤、ジェーン博士の優しさにふれて「オレ、マジ反省します、ごめんなちゃい」とばかりに、良い人(良い神?)へ急変貌するのはあまりに単純、ご愛嬌以上の無理を感じます。

(まあ、ナタリー・ポートマンさんの目で見つめられれば、どんなバカも心を入れ替えるてか?)

ところがですね、この映画、そんな無理すら吹っ飛ばす素晴らしさに満ちているんです。

ひとえにケネス・ブラナー監督の見識と思うのです。ケネス・ブラナーさんといえば、天才と称されたシェイクスピア俳優。さらに映画監督でもあります。シェイクスピア映画だけでなく、人生はいいよなあ~と思わせるキュートな佳作も作る才人です。

CG満載のアドベンチャー映画「マイティ・ソー」の監督依頼には、ご本人も驚いたようですが、さすがは天才と呼ばれるお方。CGは添え物にすぎず、肝は「親子の確執」「兄弟の嫉妬」「立場を超えた愛」すなわち人間の本質的ドラマと見極めておられますね。そこをおろそかにせず、しっかり描くから、観客が登場人物にシンパシイを感じることが出来るわけです。

マイティソー5.jpg

場面切替が良い意味で「演劇的」なのも見事。神の国と、地球上が、交互に描かれますが、ストーリーを進めるだけの説明シーンに陥らないよう、場面ごとに「山場」「決めセリフ」をもってくるのは、脚本の妙であり、かつ、監督のこだわりと思いますね。もしも「スター・ウォーズ」シリーズのスタッフに、こうした脚色センスがあったら、あれ、どんな名作になっていたか・・・うーん、ルーカル監督、残念なり!

「マイティ・ソー」のラストは、言うまでも無く、お約束どおりのソー大奮闘のカタルシス!無敵のハンマーも大活躍!臆面もなくCG映像の連発連発で嬉しくなります。大暴れだけのアッケラカン~で終わるのではなく、ソーとジェーンのほろ苦い恋ネタをまぶすなんざ、ああ、いいですねえ~~。

ソー役クリス・ヘムズワースさんは美男子ではありませんけど、格闘技系男臭さがいい味出してて、ちょいとチープな「神の衣装」もお似合い。まさに適役です。目が涼しく、笑顔が意外に可愛いので、ファンが増えそうですね。

ナタリー・ポートマンさんは「ブラック・スワン」の狂気の女から一転、彼女らしいチャーミングさで、奥手の女のコ(?)にバッチリはまっています。まあ、こんな可愛い天文学者が、現実のアメリカにいるもんか!という素のツッコミはしたくなりますが・・・。

マイティソー2.jpg

浅野忠信さん、出番はそれほど多くはないですが、邦画での「ヤサグレ感」が皆無で、清潔な雰囲気がはまってます(彼、いつもこうだといいのにねえ)。ソーに忠誠を誓う神の戦士をカッコ良く演じており、今後、ハリウッドからゾクゾク出演オファーが舞い込むことでしょう!パチパチ!

マイティソー4.jpg

ということで、「マイティ・ソー」を見逃した方、今は劇場で観れませんが、DVD化されたときには是非観てくださいっ!

ところで本編終了後、「ソーはアベンジャーズに登場する」という予告が出ます。ついに来ますかあ、ヒーロー大集合映画「アベンジャーズ」!アイアン・マンはすでに2作が作られていますので、今回の「マイティ・ソー」が揃えば、あとは日本公開を待つ「キャプテン・アメリカ」でいよいよ・・・楽しみですね。これは絶対に見逃せません!


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azm

ども!マイティーと聞かれれば、「マイティ・ハーキュリー」と答える私です・・・古っ!! すっごく古っ!!!
浅野忠信さんは剣岳点の記でも、謹厳実直、清潔な陸地測量部の役をこなしておられました。こういう役が合っていると思いますです。
by azm (2011-08-20 12:20) 

azm

ども!。思い出した・・・マイティ・マウスっていうのもありました。ネズミのスーパーマンみたいな奴でした。アメリカーナはマイティがスキなんですね、きっと。
by azm (2011-08-27 01:54) 

アッシー映画男

To azm様、コメントありがとうございます。
そう、アメリカ人は「マイティ」好きなんですよねーーー。
ちなみに「マイティ・ソー」、原題はマイティ無しの「ソー」のようですが、日本で大ヒットしたサイコサスペンス「ソウ」との混乱を避けてマイティ化した・・・なんていうハナシも聞きました。

マイティというと、私の場合は、アンジェリーナ・ジョリー主演「マイティ・ハート」を思い出しましたが、その理由は、あまりにもつまらん映画だったから、であります。

マイティ・ハーキュリーは筋肉もりもりでしたねーー。
アーノルド・シュワルツェネガーみたいに。あれ?下半身が馬のほうがそうでしたっけ?
by アッシー映画男 (2011-08-29 05:44) 

アッシー映画男

To YaCoHa様、niceありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-09-29 05:57) 

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