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映画 「シン・コジラ」 余計な人間愛をからめない潔さが、あっぱれであります! [映画]

本日のお題は、コジラ、であります。

日本が世界に誇る(かどうか実は私、よく分かりません)スーパー怪獣ですね。ハリウッドでも2回、映画化されました。10年以上前の作品で、英語風「ゴジィーラ」の発音にイラ~ッときた日本人の気持ちを汲み取ってか、渡辺謙さんが「ゴジィーラじゃなく、ゴジラだわいっ!」と正してくださったのが、たしか昨年のこと。

ゴジラにまつわる小ネタはいろいろありますけど、とりあえず、ゴジィーラ/ゴジラ問題は置いといて、本日取り上げるのは、久々、本家本元たる日本で制作されたこの映画でございます。

「シン・コジラ」

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あれれえ、ゴジィーラ問題をやり過ごしたのに、新たな難題、登場ですな。シン・コジラの「シン」って何でしょう。ネットで調べればわかるだろうけど、あえて想像をめぐらせましょう。新作なので「新・コジラ」が妥当センでしょう。あるいは俺こそ本物!つう意気込みで「真・ゴジラ」かも。いま思い出しましたけど「シン・レッドライン」という映画がありましたね。「シン・ドバッドの冒険」・・・ははは、ちょっと無理しちゃいました。

すいません。どうもゴジラネタだと話が脇道にそれますね。その理由は、ワタクシ、ゴジラ映画への思い入れがほとんど「ゼロ」だからでして、ファンには申し訳ないが、食いつきどころが全く分からんのです。水野晴郎先生の「シベリア超特急」シリーズを観るとき同様、つい突っ込みどころを探してしまうんですね。

古くはザ・ピーナッツの歌う「モスラ~やっ!」のビミョー空気。近年ではゴジラを自転車で追いかける新聞記者(新山千春)の暴挙。前作(というべきか)「ゴジラ・ファイナルウォーズ」では、地球防衛隊(!)の隊員(ケイン・コスギ)がライバル隊員(TOKIOの松岡さん)へ放った「お前のその優しさがぁ~命取りになるんだぁ~」の迷言にクラクラしたうえ、最大の見どころが菊川怜さんの美脚・・・こうなると、もはやゴジラはそっちのけ、別な映画として楽しむしかありませんな。

余談を長々書いちゃいましたが、そろそろ本題「シン・ゴジラ」にいってみましょう。

正直、予想を裏切る素晴らしい出来栄えでした。ワタクシにとって初めて腑に落ちたゴジラ映画でした。「絶賛」とか「感動」までは申しませんが(そりゃそうだ、結局、怪獣映画なんだから)おおいに満足でございました。

何が良かったか。それはポイント(テーマ)が絞れていること、そして、過去のくだらないお約束に捕らわれなかったこと、に尽きます。

広い意味でゴジラは「パニック映画」なわけです。このジャンルには未曾有の大災害、宇宙からの侵略者、未知のウイルス、巨大隕石による世界滅亡の危機、など手を変え品を変えて、毎年、映画が量産されてますね。それらの映画で、お約束のように確実に絡めてくるのが「人間愛」です。愛する者を助けようと危険をかえりみないヒトだの、離婚予定の夫婦が災害を乗り越えて愛を取り戻すだの、自らの命を捨てて爆破装置のスイッチを押すジイサンだの、と、家族愛、人類愛、博愛をぐいぐい絡めてくるわけです。

パニック事象そのものの脅威ではなく、危機的状況における家族や恋人の愛情に主眼が置かれているわけですね。要するに「人間ドラマ」としてとらえちゃうんですね。

ところが、「シン・ゴジラ」にはそうした「余計な」人間愛シーンが全くないんです。これこそ見識と思うわけです。主役級3人(竹野内豊さん、長谷川博己さん、石原さとみさん)ほか登場人物たちは、ただただ職務に徹して、家族などスクリーンに現れません。電話シーンもないのです。

そもそも、登場するのは政府関係者と自衛隊員がほとんど。「圧倒的な破壊力を持つゴジラから、どうやって日本を守るか」に特化して描かれているのです。その過程であからさまになる日本の行政機構の拙さ、縦割り弊害、危機管理の甘い閣僚たち、楽観的見通しで傷口を広げる政府関係者の姿に、5年前の大震災での政府や東京電力の体たらくが重なるわけです。

映画の中盤、国連安保理が決定した「ゴジラ駆除のため、東京に核爆弾を落とす」最終手段を回避すべく、登場人物たちは大奮闘を繰り広げます。パニック映画というより、企業ドラマ(ビジネスドラマ)であって、それこそ「ゴジラなどそっちのけ」なんだけど、これがまあ、ちゃんとツボにはまっているんですよね。

登場人物(俳優)が多いのが本作の特徴で、各人各様が見事に役を演じきっております。キャスティングのセンスが抜群ですなあ。

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さて、ここからはワタクシの個人的好みで、どなた、の、何、がすごかったかをご紹介。

(1)石原さとみさんの英語

若い美人で、家系が良く、頭が切れて、英語ペラペラ・・・と、むちゃくちゃハードル高い役を、(実際は苦労あったでしょうけど)こともなげに演じる石原さとみさん。石原さんの「クチビルの色っぽさ」を挙げたいけど、ここはおとなしく「見事な英語力」としておきましょう。恐るべし。

(2)津田寛治さんの「とりまとめる人」の演技

ゴジラ対策チームのTOPは、内閣官房副長官の矢口(長谷川博己さん)なんだけど、チームをまとめる主将的役どころが津田寛治さんであります。いかにも「実務のヒト」で、あのちょっと鼻にかかった声で、「さ~、みんな仕事にかかろう!」というリアル感、いやあ良いですな。

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(3)余貴美子さんの「眼力」

防衛大臣を演じる余貴美子さん。町のおばちゃんから政治家まで、あらゆる役をキッチリこなす名女優だとワタクシは思う。余さんのハイライトシーンは、日本へ上陸した巨大怪獣(ゴジラですね)への自衛隊の攻撃許可を、総理大臣(大杉漣さん)に迫る場面。その「眼力(めじから)」が尋常ではない。「総理、本当によろしいんですね!」と念押しする迫力も特筆もの。ゴジラも怖いが、余貴美子さんも怖い・・・。

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(4) 眼力といえば・・・

リドリー・スコット監督のSFホラーの金字塔「エイリアン」に出てくる冷酷冷血なエイリアンには「目がない」んです。目がないと無感情かつ無機質な絵面になり、恐怖感が倍増します。さすがは天才ギーガーさんのデザイン!で、今回のゴジラはそれを参考にしたのか、おめめ、が限りなく小さい。図体に比べると、まるで点ですが、あなた、ちゃんと周りが見えてます?

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ちなみにゴジラさんの第一段階(二足歩行する前の芋虫状態)だと目は巨大。おめめパッチリ。マンガっぽいお顔でした。成長してそこまで目が小さくなるか?と、つまらんことが気になった次第です。そういやあ「エイリアン」は卵から孵化したばかりのフェイスハガーにも目らしきものは無かったですな。

本日は以上です。はい。


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映画 「白鯨との闘い」。ツッコミは、邦題に対するこの一言!です。 [映画]

公開がとっくに終わった映画で恐縮ですが、今回のお題は

「白鯨との闘い」でございます。

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でっかいハンマーをぶん回すソー、こと、クリス・ヘムズワースさん主演の海洋スペクタクル(という表現もビミョーですけど)であります。

しかし。この作品を観て「え?そうゆうハナシだったの?」と驚いた観客はワタクシひとりではないはず。

だって、ストーリーを一言でまとめれば「大海に投げ出された捕鯨船乗組員たちの漂流記」なんですから。

というわけで、ワタクシの今回のツッコミはこうであります。

ぜんぜん白鯨と闘ってないじゃん!

そう、邦題に無理がある。原題は「In The Heart of The Sea」。ホエールなど入ってません。ちなみに原作のノンフィクション作品は「復讐する海、捕鯨船エセックス号の悲劇」だそうです。観客を呼び込む都合、どうしても映画題名に白鯨を入れたかったのでしょうか。それなら、「白鯨との闘い」ではなく、

「白鯨に、やられっぱなし」

としておきましょうよ。だって、そうなんだもん。闘ってないんだもん(しつこい?)

白鯨との闘い、を文字通りの意味で観たい方は、当たり前ですけどグレゴリー・ペック主演「白鯨(モビー・ディック)」にすべきだし、サイズはちょっと小さいけど、敵の執念深さを堪能するならリチャード・ハリス主演「オルカ」が必見でしょうね(戦う相手は、鯨ではなく、シャチですね)。

以上で書きたいことは終わりです。が、これで記事を締めるのもナンなので「白鯨との闘い」で唯一のワタクシの食いつきどころを記しておきます。

なんたって、作家メルヴィルを演じた、ベン・ウイショーさん、でしょう。

ついに出ました。カメレオン俳優の若手ホープ(こんな言い方されても嬉しくないか)。よーするに、どんな役でも確実にこなす(であろう)超・演技力。スクリーンに現れたときの吸引力が、ハンパない若手であります。

「白鯨の戦い」で演じたメルヴィルはこんな感じ。

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同じ俳優とは思えぬ理系オタク臭を醸しだす「007 スペクター」でのQ役。

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この映画(007)を観たときは、ワタクシの前席に座っていた女子2名が、終映後、「Qが良かったよねえ~」なんて言いあっている。あんたら素晴らしい!と声をかけたくなりました。ボンド役のダニエル・クレイグさんは立つ瀬無しですなあ。

さて、ベン・ウイショーさんといえば主演第一作の「パフューム ある殺人者の物語」は絶対にはずせませんね。超人的嗅覚をもつ孤児グルヌイユ(ベン・ウイショー)。究極の香水をつくるため次々に殺人を犯してゆくエキセントリックな役どころを見事に演じきります。ラストでは、アラン・リックマンさんまでメロメロにした(←映画の中のハナシね)、あれですよ、あれ!

ストーリーも破天荒でしたが、それよりも「なんだ、この俳優は!」とビックリ仰天でしたもんね。

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というわけで、「白鯨にやられっぱなし」・・・じゃなく、「白鯨との闘い」を観る方、ぜひともベン・ウイショーさんにご注目ください。あ、そうだった、キリアン・マーフィーさんの病人芸も必見であります。ちゃんちゃん。


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映画「スター・ウォーズ フォースの覚醒」 家の者の放った一言が腑に落ちた件。 [映画]

こうゆうジャンルが好きか、といえばビミョーですが、2015~16年のトピックスとして、この映画は絶対にはずせません!そうです、

ショーン・ペン主演最新作「The Gunman」(ザ・ガンマン)!

・・・・すいません。無駄なボケに、数行を費やしました。

そうではなくスター・ウォーズ最新作「フォースの覚醒」でございます。ほお、「覚醒」なんぞと難しい単語を使っちゃって、このぉ!と、そこをツッコんでもしょうがない。仮に、AWAKENを、目覚め、と訳すと「フォースの目覚め」。これじゃあ、美少年の萌え映画か、ラウラ・アントネッリ主演「青い体験」みたいで、どうも迫力が出ませんナ。とはいえ、覚醒と言われると、田代まさし主演「パウダー・ウォーズ 白い粉からの覚醒」とか・・・あれ、私はいったい何の話をしているのだ。そろそろ、本題にいってみましょう。

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さて、

申し訳ないですが、昔話から始めます。スター・ウォーズ・シリーズの記念すべき第1作は、なんと1977年の公開です。いやはや39年前ですよ。ワタクシ、中学3年のとき、当時住んでいた地元(札幌)の映画館で拝見しました。あのときの感動はよ~く覚えております。正確には、感動、というより、世界観やスケール感に「仰天した」というべきでしょう。話がデッカイ、宇宙船がデッカイ。そして、ハン・ソロやオビ・ワン・ケノビ、ダース・ベイダーをはじめキャラが立ってましたものね。(レイア姫と、ルークがイマイチいけてない、恨みはあったが・・・)

その後、シリーズ全作をリアルタイム(劇場公開時)に観てきたワタクシ。回を重ねると、悲しいかな、どーしても批判気分が頭をもたげます。(失礼ながら、現時点で年齢40代前半までの映画ファンは、スターウオーズの後追い世代ですから、ワレワレより無批判に作品にハマっているように感じる)

とくにダースベイダーの出自を描いた、シリーズ4、5、6、に至っては、話をややこしくしすぎて茶番っぽくなってくる。痛恨の極みは、5&6でアナキンを演じたヘイデン・クリステンセン。その大根役者っぷりには、怒りで拳が固くなったもんです。

・・・と、まあ、いろいろ感慨深いスター・ウォーズ・シリーズでございますが、本作「フォースの目覚め」・・・じゃなく、「フォースの覚醒」はどうなっているのか。

まず、ストーリーです。昨今のハリウッド定番「前作から間が空いた続編」にありがちな「先祖がえりパターン」でございます。よーするに骨子は1977年の第1作とほぼ同様。そこに、新キャラと、旧キャラをうまく配合し、オールドファンも、初めての観客も食いつけるようにする。このあたりの手練手管はさすがあ!ですね。「攻殻機動隊」も見習ってほしいもんです。

旧キャラ(という言い方も失礼だが)では、ハン・ソロ、レイア、あげくにルーク・スカイウィーカーさえオリジナル俳優が演じており嬉しかった。そうです、世間が何を言おうと、これで良いのだ。酒井法子さんには「ちいにいちゃん」と言ってほしいし、西田敏行さんと杉田かおるさんは「池中源太、最終章」で共演してほしいし、水前寺清子さんと石坂浩二さんは「ありがとう、ザ・ファイナル」で新たな火花を散らしてほしい。

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余計な話が長くてすいませんが、感想をつきつめると以下2点です。

その一。新たなメインキャラ、レイが魅力的。つうか、レイを演じるデイジー・リドリーさんが、めちゃチャーミングで、この点だけでも作品大成功でしょう。ちなみに、宣伝インタビューで髪をおろしたデイジーさんは、小島瑠璃子さんに激似です。ちょっと「しゃくれて」おります。

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その二。これは、一緒に映画をみた家の者の言葉です。いわく、

ハイテクなんだか、ローテクなんだか、わかんないね

そう、そこがスターウォーズの良さなんだ、と改めて実感。「光速飛行できる技術があるなら、ハイテクウエポンでもっと効率よく攻められないの」とか「なんだかんだで、最後はチャンバラかあ」とも言いたくもなる、その味わいが良い。欧米ファンタジー系映画って、往々にして中世の騎士テイストが入るわけですが、エピソード4、5、6で薄れかけたそのフレーバーを、本作が復活させてくれたのは朗報ではないか。

また、映像については、CGに莫大な金をつぎ込んでいるものの、あえて「やり過ぎない」節度が人間味を醸し出して好感が持てます。現在の映像技術に不可能はない、くらい進歩しているのに、そこをセーブする見識。これみよがしの箇所でなく、たぶん観客が思いもよらない細部にドバッと金をかけている(であろう)。

これぞ能ある鷹は爪隠す。能ない鷹は爪もない。ハイテクだかローテクだか、のツッコミは的を射てる。ハイだとかローじゃなく、ものづくりのツボは常に「バランス感覚」なんですね。

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さあ、いよいよ次回取り上げる映画は、どーん!

ショーン・ペン主演最新作「The Gunman」

・・・・そのハナシはもうええわ、と自分に突っ込んだところで今日はお終い。


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映画「ナイト・クローラー」。昨年(2015年)に拝見したベスト映画なのでございます。 [映画]

ブログの更新を、さぼっていたら、おお、なんと前回のアップは、1年以上も前とな!

・・・と、驚いたふりをしましたが、ここ数年、定常的にこんな感じですなあ。映画について、文章を書くだけの、気合といいましょうか、モチベーションといいましょうか、かなり低下していますね。いかんなあ。

さて、いまさらですが、2015年に拝見した新作映画のうち、一番ツボにはまった作品を取り上げます。

なんといっても「ナイトクローラー」ですね。ミニ・シアター系で地味に公開されたので、見逃した方も多いかもしれません。

主演はジェイク・ギレンホール。最近、ヒューマンな役どころが多いですけど、彼が本領を発揮するのは「ヤバい人」キャラだと私はにらんでいるわけです。「ドニー・ダーゴ」や「ジャーヘッド」のジェイクさんこそが、役にバッチリはまっているわけです。

本作の彼は、体重を落とし不健康ガリガリ姿に変貌しております。顔の陰影が際立ち、ぎょろぎょろした目の怖いこと!まさに狂気の面相で、ぞお~っと寒気が走るくらいです。

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主人公は、大都会の夜を徘徊し、警察の事故無線を傍受すると、真っ先に事件現場へ駆けつけます。警察が来る前に、悲惨な現場映像を撮影し、テレビ局に高額で売り込むハイエナ的パパラッチであります。視聴率を稼ぐため、より過激な映像を欲するテレビ局のプロデューサーの期待に応えようと、異常な情熱で仕事に取り組むうちに、彼は、超えてはならない一線を越えていく・・・と、まあ、こんなお話。

ジェイクさんのヤバさは、映画を観ていただかないと実感できないですが、たとえば、フツウに話をしているシーンなのに、「ああ、こんな人とは関わりあいになりたくない!」と思わせる怪演、とでも言いましょうか。

ジェイク・ギレンホールさんをベタ褒めしましたけど、もうひとつ成功の鍵は、アカデミー賞にもノミネートされた「脚本」でしょう。一方的に善悪を決めつけず、あくまでニュートラル視線で主人公を描いている、この節度が気に入りました。前半で、人間ドラマと思いきや、後半はカーアクションあり銃撃戦あり、のスリリングな場面が続きます。しかし、あくまで「主人公の狂気」を際立だせる材料であり、芯がぶれない。アッパレな脚本!であります。

本作の主人公の所業を、良いと思える観客はおそらく誰もいないでしょう。しかし、現実を振り返れば、無責任で傍観者的なテレビ視聴者(=われわれ)は、つねに刺激的なニュース、を求めてやまないわけです。

高速道路の大事故、飛行機墜落、フェリーの沈没、鉄道の脱線、銃乱射による大量殺人、強盗による一家惨殺・・・それをニュースで知ると、被害者を悼む気持ちの裏で、好奇心として詳細な情報(状況)を欲している自分がいるわけです。悲惨であるほど、自分が当事者でなかった、と安堵する。そう、悲劇を、対岸の火事として「客観視」するためには、「ナイトクローラー」の主人公は、必要悪とも言えるわけです。(もちろん、犯罪を良いとは言わないが)

映画のハナシに戻りますと、中古のボロカメラを抱えて走り回り、同業者にバカにされていた主人公が、憑かれたような勤勉さと行動力で、「一流」へとのし上がり、高価な機材、車を買い揃え、ひたすら夜の街を走り回りスクープをモノにしていきます。やがて、実業家然となるさまは、いびつで皮肉なサクセス・ストーリーですけど、奇妙な感動を覚えてしまいますね。

映画のラストが、月並みでなくて実にヨロシイ。

・・・おっと、本作へのコメントは尽きないですが、このへんで、2015年公開の映画のハナシはお終いにしましょう。次のブログ更新が、1年後にならないよう、さて、2016年はちょっと頑張ってみますか。ははは。


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2015年、あけましておめでとうございます。いまさらの2014年映画総括(俳優編) [映画]

2015年、あけましておめでとうございます
新年のあいさつにかこつけ、どどーんと約4か月ぶりの記事更新です。まずは年賀状を貼り付けます。ひつじ年であろうと、辰年であろうと、我が家の年賀状の主役は、飼い猫「もこ」と決まっております。別にプリンターのCMの桐谷美玲さんをマネしたわけではありません!(きっぱり)。桐谷さんもかわいいけど、ワタクシは北川景子さんファンなのです、と、どうでもいい説明でしたね。
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さて、この歳になると「新年の抱負」など特になく、いつの間にか1年が終わり、新しい1年がはじまるなあ、程度の、アパシーな反応しか持ちえないのです。いまさら、今年の目標でもないしぃ。強いて目標と言えば、通勤電車の沿線(都営浅草線)のどこかに「いきつけの酒場」を見つけたい、ですかね。今年は河岸をかえ、人形町、蔵前、浅草あたりを徘徊しようと思っちょります。はい。

・・・と、こんなダラけた話では、4か月ぶりに映画ブログ更新した意味がありません。さ、映画について書くぞお。

書きたい映画ネタはそれなりにあるものの記事にしづらいなあ。2014年に観た映画の感想だと、第一声は「ニコール・キッドマンが、グレース・ケリーを演じるとはどうゆうこっちゃあ!」と怒り先行になります。ナオミ・ワッツさんがダイアナ妃を演じるのもアリだし、メリル・ストリープさんがサッチャー首相を演じるのもアリ、高倉健さんが、デューク東郷(ゴルゴ13)を演じるのも許します。

しかし!目黒祐樹のルパン3世はありえんだろっ!え?それを言うなら小栗旬だろうって?うーん、小栗さんのルパンも、どうかと思うがなあ。黒木メイサさんの藤峰子、じゃなく、峰藤子は良いんじゃない?って、あれえ?話がどっかでずれましたね。

仕切り直しであります。本日のテーマを決めました。2014年に観た映画のなかから極私的偏見で選ぶ「男優賞」「女優賞」といたしましょう。

最初に「女優賞」のほう行きましょう。受賞者は、若手ながら大御所感が漂う有名女優であります。

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出演作品は「her 世界でひとつの彼女」。いやあ、素晴らしい映画でした。なんと切ない恋愛映画なんでしょうか。ワタクシ、泣きました、というか、号泣しました。離婚したさえない中年男を演じたホアキン・フェニックスさん。心優しい友人を演じたエイミー・アダムスさん。このお二人の演技がアカデミー賞級の名演なんです。しかし、ワタクシはあえてエイミーさんではない出演者に「女優賞」を差し上げたい。そうです、映画を観た方ならお分かりでしょう、

主人公の別れた妻(いやな女!)を演じたルーニー・マーラさんです!

・・・じゃなくってぇ、(話が面倒くさくなるので、もうこうゆうボケはやめましょうね)、女優賞は、

スカーレット・ヨハンソンちゃんであります!

なぜ、「さん」づけでなく「ちゃん」づけか、この際どうでも良いでしょう。本作でスカーレットちゃんの役どころは、タイトルロールの「彼女」。ただし人間ではなく高度な人口知能、実体のない「電子恋人」なんですね。PC画面の二次元恋人でもなく、まさに「声」だけの存在です。その声が、実に良いのだ。少しかすれた、それでいて甘い声質と、遠慮がちにためらう語り口と「間」が、見事としか言いようがないのです。

彼女はスクリーンに一度も登場しませんけど、声だけで存在感ばりばり。超絶の会話演技と申せましょう。アカデミー賞を受賞した脚本の勝利、とも言えますが、とにかくスカーレット・ヨハンソンちゃんには堂々の「女優賞」を差し上げたいっ!パチパチ。

次。「男優賞」であります。

おじさんアクションスターのお祭り映画「エクスペンダブルズ3」から、この方を選出いたしました。

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男優賞はこの方、アントニオ・バンデラスさん、で決まり、であります。どーん!

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傭兵部隊エクスペンダブルズ。なみいる猛者たちの暑苦しさを緩和するスパイス的な役どころですが、ははは、バンデラスさん、最高ですね。監督の指示か、ご自分で考えたか分かりませんが、「ちゃらい感じ」は絶品です。良いヤツだけど、ちょっとオツムが弱くって、のべつまくなし、くだらんおしゃべりを続け仲間をウンザリさせる、アホでんねん、のいい味わい。

今どきありえないオーバーアクションで、観客をきちんとイライラさせる、さすがは名優ですな。「オーシャンズ13」でのマット・デイモンも似た役どころでしたけど、バンデラスさんのハイパーな小芝居には到底及びません。

それにしても、なぜバンデラスさんともあろう方が、こんなオマケみたいな役で出てるのか!?

むしろ、ウェズリー・スナイプスがこの役をすべきではないのか!?(ファンの方、すいません)

どうせなら、悪役を演じたメル・ギブソンを、この役に当てたら面白かったのではないか!?

と、無駄なツッコミを誘発するバンデラスさんの名演(迷演)でございました。堂々の「男優賞」受賞、おめでとうございますぅ。パチパチ!!!

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ここまで書いたところで、これじゃあバンデラスさん、まるでコメディ俳優じゃん、と、ワタクシの内なる声が響きました。そうなると、ワタクシがお奨めするバンデラスさん主演作品をご紹介せざるをえませんな。公開されたのは数年前、2010年のスペイン映画。名匠ペドロ・アルモドバル監督による「私が、生きる肌」です。

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エクスペンダブルズ3、のおちゃらけ芝居など、ツユほども見当たりません。強烈なシリアスドラマでございます。バンデラスさんは主人公の、天才整形外科医を演じています。あまりにも天才なので、勢いあまって変態方向に走っております。この整形外科医ですが、妻は間男と駆け落ちしその後、自動車事故で瀕死状態に。レイプ(未遂)された娘は精神を病んで挙句、その娘にレイプ犯と間違えられ面会謝絶・・・と、不幸の超テンコ盛りなので、変態さんになるのも仕方ないか・・・。

観終わったあと頭クラクラとなる、毒の強い映画ですけど、バンデラスさん好きな方、および変態な方には、必見であります。

こんな雑なまとめで、2015年もよろしくお願いいたします。チャオー。


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8月になると思い出す映画「八月の鯨」(1987年公開)は、ベティ・デイヴィスさんがスゴイのであります! [映画]

毎年ではありますが、今年(2014年)も8月になりました。やっぱり暑い!今年はそれに加えて、大型台風が日本へ上陸し、高知県や三重県は豪雨で大変だったようで・・・まったく日本はどうなるのでしょうねえ。

今月観た映画は「想い出のマーニー」「ゴジラ」、と、ベタなセレクトでございますが、いやあ、どちらも良くできた作品だと思います。

「想い出のマーニー」。マーニーといっても、ティッピー・ヘドレンさんが主演のアレ、ではなくジブリ・アニメであります。ティッピーさんではなく、有村架純ちゃんです(話をややこしくしてるな、オレ)。ジブリ作品にしては、ひねりが少ないストレート結末で、多少の食い足りなさを感じるものの、丁寧で繊細なつくりこみが本当に良いです。舞台がワタクシの地元=北海道なのも嬉しい。子供ダマシ&絵空事&人生観押しつけにウンザリさせられる「〇〇と雪の女王」とか「プレーンズ」より、よっぽど優れている、と私は思いますね。(ま、昨今のディズニー映画に、大人の鑑賞に堪えうる「精神性」を求めるのはオカド違いではありますが・・・)。

「ゴジラ」は、日本発のオリジナル・ゴジラの荒唐無稽さとアナログ感(アナクロ感?)を、良い意味で踏襲くださって好感が持てました。ゴジラの脚は大きいな~、雄叫びがスゴイな~、うわ、火を吹いたぞぉ!と素直に楽しんでしまいました。

ハリウッドにありがちな家族愛をフレーバーしたドタバタ・パニックの域を出てませんけど、「グッドナイト&グッドラック」のデイヴィッド・ストラザーンさんが演じる軍指揮官がカッコ良かったしぃ、「キック・アス」のへなちょこだったアイツ(俳優名覚えてません)が覆面せずにイケてるヒーロー(主役!)を演じており、父親感覚で「がんばれー」と応援しちゃいました。一方、マイナス感動は、芹沢博士役の渡辺謙さんであります。演じる役に良いトコが無いんだもん。ムートーとゴジラに翻弄される役立たず科学者、つう体たらく。貢献したことといえば「怪物の名は、ゴジラだ!」と命名したくらいでしょうか。「バッドマン・ビキンズ」のパチモンなマスター役も残念でしたが、芹沢博士役もパチモン感はかなりのレベル・・・トホホホ。

と、最新作へ、雑~な感想を書いちゃいましたが、仕切り直し。ここからが本題です。

別ブログにも書いた記事の焼き直しでスイマセン。8月、と聞くと思い出す、この名画についてです。

8ga1.jpg映画「八月の鯨(くじら)」であります。どどーん!

今から27年前の1987年に日本で公開されました。神保町の岩波ホールでロングラン上映になりましたっけ・・・。

アメリカの辺鄙な島にふたりで暮らす姉妹(老婆)の日常を、淡々とつづった映画です。とくに事件らしい事件が起きず、正直、ストーリーをほとんど覚えていません。覚えていませんけど、映画全体を覆う明るい空気感と、めちゃ感動した、という記憶が脳内にしっかり刻み込まれています。

この作品の何がスゴイか、といえば、老姉妹を演じる女優がリリアン・ギッシュと、ベティ・デイヴィスということ。

サイレント映画時代から活躍するリリアンさんは映画撮影時点で90歳超。一方、ベティ・デイヴィスさんは1908年生まれですから当時79歳。(現在は、お二人とも亡くなっております)

最近、往時を過ぎたアクション俳優を集めオールドファン(要するにオヤジ)受けを狙った映画が、粗製濫造されていますね。「八月の鯨」はそんな懐古趣味と一線を画してるんです。映画史そのもの、とさえ言える偉大な女優を共演させただけでなく、きっちりと「演じさせた」ところが秀逸なんですね。

とくにベティ・デイヴィスさん。(このお名前を聞いてブルブルッと震えた方、友だちになりましょう!)。

ここからはワタクシの思い入れが炸裂しちゃいますが、ご容赦願います。

ベティ・デイヴィスさんといえば1930~1940年代のハリウッドを代表する美人女優です。この美しさを見よ!ただの美形ではなく、アカデミー主演女優賞を2回受賞し、ノミネートはなんと連続5回、という演技派でもあります。ブルブル。。。

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しかしベティさんの女優としてのすさまじさは、彼女が老境にさしかかってから発揮されます。ブローウエイ女優たちの醜い争いを描いたダークな人間ドラマ「イヴの総て」(1950年)。この作品でベティさんは、大女優マーゴ役を強烈に演じました。私、この映画が大好きでDVDも買っちゃったもんね、へへへ。

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撮影当時42歳の彼女は、まだまだ十分に美しいわけです。しかし映画の中では、新進女優(アン・バクスター)に役を奪われるピークを過ぎた大女優、という損な役回りですから、すでに気持ちは「美」よりも、「技」で勝負!なのが分かります。

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で、いよいよ出ました。1962年、サスペンス映画(ホラー映画とも言える)「何がジェーンに起こったか」で、ベティさんは、姉をいびり倒す醜悪な老女を怪演するのであります。かつての美人女優の看板などブッ飛ばし、化け物メイクに髪ボサボサ、気持ち悪くなるほど真に迫った偏執狂的ハイパーな演技に、「女優魂」を見るのであります。キャリアを失うリスクもいとわず、ここまでやるか!のド根性、はさすがです。

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シャリーズ・セロンさんが体重20kg増やし醜悪メイクでアカデミー賞を獲ったり、ロバート・デ・ニーロさんが極端に痩せたり太ったり(CGではなく実際に)、イザベル・アジャーニさんが精神錯乱したり、するのを見て「スゲエ」と思うかもしれませんが、私に言わせれば、ベティ・デイヴィスさんの「切れ芸」に比べると、どれもかすんで見える、と申せましょう。

ちなみにメグ・ライアンさんも「イン・ザ・カット」で、ベティさんくらい徹底的にやっていれば・・・痛恨です。現役女優で「ベティさん境地」へ到達できそうな方といえば、ウィノナ・ライダーさん(素でいける?)、クリスチーナ・リッチさん。際どい芝居の若手エレン・ペイジさん(←大期待!)。今は、飛ぶ鳥落とす勢いゆえ到底ありえないですが、エイミー・ワトソンさんは絶対に「彼岸」まで辿りつくでしょう・・・って、なんの話だよ。

話がすっかり拡散しちゃいました。「八月の鯨」にハナシを戻しましょう。

いや、ホントにいい映画でした。ベティ・デイヴィスさん、リリアン・ギッシュさんはもちろん、ヴィンセント・プライスさんの愛にあふれた立ち振る舞いが素晴らしい。ホラー映画俳優として有名な方で、マイケル・ジャクソンの「スリラー」で最後の高笑いが彼の声・・・と豆知識を披露してどうする。

27年前に観た映画の懐かしバナシで終わるか、と思いきや、昨年。岩波ホールで本作はリバイバル上映されてたんです。ノーマークでした。知っていたからと言って、観に行ったとも思えないけど・・・。

ハナシは連想ゲーム的に散らかっていきますが、10年ほど前、「ラヴェンダーの咲く庭で」というイギリス映画が公開されました。

8ga5.jpg「八月の鯨」と同じように海辺の田舎に住む二人の姉妹(老女)が主人公でした。ただしストーリーは淡々ではなく、ある日、気を失った美形男子が浜に流れ着くのをきっかけに様々なドラマが生まれるんですね。老姉妹を演じるのは、大女優のマギー・スミスさんとジュディ・ディンチさん。といっても、ハリー・ポッターに魔法を使わせたり、ジェームス・ボンドを送り込んだりはしません。

大御所ふたりの演技合戦っぽいシーンには少々興ざめしますし、「八月の鯨」のイメージがあると評価きつくなりますが、とはいえ「ラヴェンダーの咲く庭で」も素晴らしい映画。とくに、クラシック音楽好きの方なら、ラストシーンには涙することでしょう!

・・・と最後は、違う映画のハナシに行き着いて、収拾つかなくなったところで、今日はお終いです。ごきげんよう。


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「リディック ギャラクシー・バトル」、この映画に続編!?と観る前からツッコんでしまうワタクシ。 [映画]

いかに豊富な人材を誇るハリウッドといえども、映画のネタ創出には苦労しているようですね。相も変わらず、ヒット作の「続編」が続きます。続編にもいくつかのパターンがあります。「ハリーポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」などは最初から連作として企画されているし、「アイアンマン」「スパーダーマン」「Xメン」「バットマン」といったアメコミ由来の作品も、続編を前提として作っているのでしょう。

そういえば、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは完結したかと思いきや、「ホビット」シリーズでさらに観客から金を巻き上げるんですなあ、商魂たくましい。続編といえば御大シルベスター・スタローンさん、老骨に鞭うって「ロッキー」「ランボー」を熱演したと思ったら、新シリーズ「エクスペンダブルズ」まで立ち上げる活きの良さ。もしやシュワちゃんと共演した近作「大脱出」もシリーズ化かな?まさかそりゃないですよね?

当初は、続編の予定がなかったけど、一作目が意外にヒットしたので続編作るかあ?みたいな、文字通り「二匹目のドジョウ狙い」パターンもありますね。1970年代に「エクソシスト」「ポセイドン・アドベンチャー」の続編が登場したのには驚きました、あの映画に続編っすよ?「エイリアン」「ターミネーター」も脈々と続きました。シチュエーション・サスペンス「SAW」シリーズ、続く理由がわからない「パラノーマル・アクティビティ」・・・ま、いろいろありますね。

一方、いくらなんでもこの映画に続編か!?とツッコミたくなるケースもありますね。ケッサクなのはニコラス・ケイジさん主演「ゴーストライダー」。まさか続編が出来るとは・・・アメリカ人って、あれが好きなんですかね。まあ「キック・アス」の続編が出るくらいだから、さほど驚くことでもないか。ならば日本は負けじと「ゴーストライダー」ならぬ「ゴーストライター」シリーズで勝負してはどうでしょう。企画・脚本・主演は佐村河内 守(さむらごうち まもる)。音楽はもちろん代作者が書きます。ゴーストライターに曲を書かせて荒稼ぎする詐欺師Sが、オートバイにまたがり全身火だるまになって、業界関係者と、にわかクラシック音楽ファンを焼き尽くす・・・ああ、なんという痛快なドラマでしょう。

何を書こうとしていたのか自分でも分からなくなってきました、すいません。

そうそう、本日語りたかったネタは「リディック」なんであります。数年前、鳴りもの入りで公開されたSFアクション巨編です。宣伝文句と映画の出来との巨大落差に、マイナス感動を巻き起こした迷作ですが、その続編(正確には三作目)が、な、なんと、3月8日に公開されるというのです。

タイトルは「リディック ギャラクシー・バトル」。タイトルロールのリディックを演じるのはサンプラザ中野さんでも、刑事コジャックでもなく、前作同様、ヴィン・ディーゼルさん、であります。

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公開前なので、ワタクシまだ作品を観ておりません。観てはおりませんが、ものすごく「危険な予感」がします。グダグダなストーリー、キャラのぼやけた登場人物たち、テンポの悪い語り口・・・前作に良い要素をみつけられなかったので無理もないでしょう。いったい誰が続編を作ろうと思ったのか? 日本ポスターのキャッチコピー「銀河の果てで、暴れようぜ。」をみて危険な予感はますます増大し、予感が確信に変わったのはワタクシだけでしょうか?

リディックGB1.jpgこうゆうのも酷ですが主演ヴィン・ディーゼルさんに難があります。どんなに悪ぶって凶悪犯罪者リディックを演じたところで、結局は「力持ちのやさしいスキンヘッドのおにいさん」なんです。要するにヴィンさんは基本「良い人キャラ」だということ。だから違和感バリバリなんです。リディック役には、もっと狂暴さや狂気が感じられる俳優をキャスティングしてほしいです。

もしも万が一、今から数年後に、リディックの続・続編が作られるならスキンヘッド+低音ヴォイスつながりで、ジョン・マルコヴィッチさんに主役を演じてほしい。老境にさしかかったリディックが逮捕されて囚人輸送艇で運ばれるが巧みに脱出する。そして同じ艇に乗っていたニコラス・ケイジさんと死闘を繰り広げるんですね。地上で右往左往するのがジョン・キューザックさん。したがって、映画タイトルは「リディック・リベンジ、コンエアーで逢いましょう」・・・って、まるパクりしてどうする。

長々書きましたが、いずれにしても、映画は実際に観ないと分からんですからね、ネガティヴな方向に決めつけず、3月、虚心に「リディック ギャラクシー・バトル」を拝見することにしませう。ああ、なんと前向きなオレ。

では、ここからはワタクシが「続編を製作してほしい!」と思う映画を書きます。筆頭はダークなSFホラー(?)「スポーン」であります。前作ラストシーンが、あまりにも「次回へ続く・・・」っぽかったので続編がすぐに出ると思ったら大間違い。一作目公開から10年以上は経っていますが、続編にお目にかかってません。数年前、レオナルド・ディカプリオさんが続編を製作(出演も?)なんつう、東京スポーツなみのガセ情報が流れましたが、それも立ち消えて・・・うーん、フラストレーションがたまるなあ。

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次は、キアヌ・リーブスさんの主演作2本であります。キアヌさんのファンというわけでもないですが、なんとなくこれが思い浮かびました。これまた10年以上前の古い映画で、ビートたけしさん共演「JM」であります。B級テイストぷんぷん、近未来SFにありがちな「ご都合主義」と「強引さ」が心地よく、リアルでもない設定だから、続編は作りやすいのでは?ビートたけしさんはさすがに出演は無理でしょうけどね・・・。

もう1本は、「JM」よりも続編の可能性高いとみます。キアヌさんが魔物ハンターを演じる「コンスタンティン」であります。うまくすれば、キアヌさんのライフワークになっていたのでは?もしかして私が知らないだけで続編あるのでしょうか?もしも、キアヌさんが続編出演を望まず、そこで計画が頓挫しているなら、スピンオフ企画でティルダ・スウィントンさん主演の「堕天使」シリーズはどうですかあ?え?彼女、もう天使じゃないって?それなら、レイチェル・ワイズさんと組ませて、女二人組の魔物ハンターはどうですか?・・・と、勝手な妄想企画が膨らんできたところで、今日はお終いっ!

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2014年、あけましておめでとうございます。昨年みた映画でツボにはまったセリフ、ベスト1。 [映画]

いよいよ2014年であります・・・って、なにが「いよいよ」なのかはよく分かりませんが。

更新停滞の当ブログとはいえ、けっして止めたわけではないのだぞ、と「自分に言い聞かせる」意味で、2014年の新年ごあいさつであります。(それなら元旦、せめて1月3日までに記事アップしろよ、というツッコミあろうかもしれませんがキッパリ無視です)

私がやってる別ブログでも同じ手を使っておりますが、年賀状の裏面をそのまま貼り付け、なんたる手抜き。

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我が家の猫、もこ、が主役であります。3コマ漫画仕立てにしてみました。推定年齢12歳のおばあちゃん猫ですが、「おお、可愛い可愛い」と悦に入っている飼い主の私・・・まあ、そのあたりはご愛嬌ということで。

ここで突然話は変わり、映画ブログらしく、とってつけたように映画ネタです。

昨年(2013年)に拝見した映画のうち、いろんな意味で「やるなあ・・・」と唸った作品であります。名作だとか駄作だとか、そうゆう切り口ではございませんので念のため。その作品とは・・・

2013年3月公開された「フライト」。デンゼル・ワシントン主演の感動映画なんであります。

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予告編やポスターから、デンゼル・ワシントンさんは旅客機パイロット役なんだろう、問題を抱えているんだろう、それが話の軸なのね、と予想はつきますが、ネタを知っちゃうと感動半減なのでストーリーは語りません。で、本作への私の食いつきポイントはストーリーではなく、以下の3点なんですね。

その1: ポスターイラストの「芸の細かさ」。映画を観るまでは意識してなかったんですが・・・ありゃま、ヒコーキがちゃんとひっくり返ってる!やるねえ。

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その2: 宣伝コピー「彼は英雄か、犯罪者か」。こう書くからには、映画を観たら観客はそこを悩むんだろうなあ、と予想したのですが、なんのこっちゃない、主人公は議論の余地なく「はい、犯罪者です」。これがアメリカの現実だとしたら、怖くてヒコーキには乗れんだろうよ。。。

その3: 映画のラストシーンが良いです。正確に言えば、ラストシーンの「セリフ」が良い。昨年観た映画のなかで、これほど共感した一言もありませんでした。主人公の息子が、父親(デンゼル・ワシントン)に向かって、いわく「いったいあなたは何者なんだ?」。いや、おにいちゃん、よくぞ言ってくれました。私もまったく同じ質問をしたかった。この一言があるかないかで映画のニュアンスが全く違ったものになりますよね。デンゼル・ワシントンさんの名演技もスゴイけど、こうした「脚本の妙」あってこその名作なんであります。ドンドンドン(←意味不明の太鼓の音)。

・・・と、いい感じに締めくくったところで、本日の教訓、いってみましょう。

皆様も、旅客機を操縦するときは「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」でお願いします。

万が一、へべれけになったら、ディーン・マーチンか、ジョージ・ケネディか、カレン・ブラックに操縦を指導してもらいましょう・・・分かるかな、ワカンネェだろうなあ、って、いい加減にしなさい!

では2014年もヨロシクお願いいたします。


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さあて、ブログ再開だあ!と気合を入れても、そう(SAW)はいくかな~とグズグズなワタクシ。 [映画]

前回ブログ更新は1月6日。今日は8月16日。うわわ、半年以上も放置しちゃいましたね。こんな体たらくじゃいかん、潔くブログを止めようか~と思いつつ、アクセス数をチェックしたら意外や1日数百名の方が当ブログを読んでくださるようで、危ないところで思いとどまりましたよ・・・って、私は富士の樹海に向かう自殺者かっ。当面は「年に2回更新、超スローペース・ブログ」として頑張ろうと思います。それで頑張ってると言えるか微妙ですが。

さて、8年前は年間150本の映画を(映画館で)観てたハイパーなワタクシも、50歳を過ぎてヤキが回り(←日本語が違う気もするが、ドラマっぽい表現ではあります)、最近、めっきり映画を観なくなりました。今は、1ヶ月2本ペースですから1年間でたったの24本。。。本数自慢の場ではないが、これで映画ブログを書くのもおこがましい、って感じますね。

仕事が忙しいとか、映画館から離れた土地に引っ越したという即物的事情はあります。しかし最大の理由は、映画そのものへの興味が減退したこと。充足理由律によれば「すべてのことには理由がある」わけで・・・と小難しい知識をひけらかして、あはは・・・で、一歩突っ込んで「興味が減退した理由」を考えてみますと、

ひとつめ。映画の「先(奥)を見ちゃう感じ」に自分で寂しくなったんです。奥を見ちゃう、といってもワタクシ占い師でもなければ映画関係者でもないので、上映のとたん結末が分かるよ、という意味じゃないです。たとえば、映画を観ながらこう感じるわけです、「この箇所イマイチだけど、作り手はこんな効果を狙ったんだろうなあ(トホホ)」とか「予算の関係で苦肉の策だろうなあ」とか「この俳優を起用したことを監督は絶対後悔したろうなあ」とか、要するに、

下司(げす)の勘繰り、が頭をよぎるのであります。ハマカーン的にいえばゲスの極み・・・いや、そこまで酷くはないけど。いずれにしても映画鑑賞中に、余計な勘繰りが頭をよぎって作品を楽しめないわけ。ま、こんなネガティブ脳内シナプスもいつかは解消されると思うのですがね・・・。

映画への興味減退、ふたつめの理由。日本映画に顕著ですが、ここ数年、全体的に「映画の質が高くなった」んです。そりゃ、めでたいだろ、と反論あるかもしれませんが、天邪鬼なワタクシは「それじゃツマラナイ」のであります。「1800円払って、こんな映画か!」と激怒モードになる作品こそ、私の愛する「ツッコミどころ」が満載ですから。おちゃめな映画(率直に言えばクズ映画)が存在するからこそ、まともな日本映画が光って見えるわけです。全部が全部、均一・均質じゃあつまらんよ、ってことです。

最近めっきり増えたTVドラマの映画版。観る前から「登場人物」「テンポ」から「面白さ」まで約束されているわけでしょ?ストーリーを変え、スケールを大きくしても、根本サプライズはゼロであります。映画館で煮え切らない気分を味わうワタクシであります。

こんなマッタリ状況を打破するには逆療法、ツッコミどころ満載映画の積極生産しかないでしょう。大林宣彦センセイには「HOUSE2」「漂流教室アゲイン」を、あがた森魚さんには「オートバイ少女リターンズ」を監督していただきましょう。本田博太郎さんに北京原人になっていただき、草刈正雄さんはボロをまとって杖ついて砂漠をさまよってほしい。もちろん目黒祐樹さんはルパンを演じてくださいね。最大の目玉作品は、サザンオールスターズ復活との抱き合わせ企画で、桑田佳祐監督「続・稲村ジェーン。ホンモノはオレだ!」で決まり。加勢大周さんと坂本一生さんのダブル主演でお願いしますね。

・・・って、妄想のほうがよっぽど面白いとはどうしたことか、嗚呼。自己満足で失礼。

映画への興味減退の最後の理由。それは、イマドキの情報氾濫です。映画公開前に予備知識どころか、あらかたの情報(ストーリーやオチまで)が耳に入ってしまう。じゃあ事前情報を仕込むなよ、と言われるでしょうが、やっぱり観たい映画に興味がわくのが人情でしてね。

映画ブログを書いてる私が言うのもなんですが、映画紹介記事なんて、際どくネタばれですよね。完全アウト、ってのもありますよね。予告編はそこまで説明するかよ、という露出っぷり。好奇心をくすぐって劇場に来てもらう目的を逸脱し、劇場に行かずして「映画を観た気にさせちゃう」んです。それって本末転倒じゃないすか?たとえば、

ニューヨーク郊外。幸せに暮らすハワード夫妻。食品会社に勤める夫のジョン。妻は中学校教師のメアリー。一見、ごくふつうの二人だが、実はお互いに口に出せない秘密があった・・・

・・・と、これで説明が終わるなら良し、としますが、

夫はアメリカのCIA、妻はロシアのSVRの諜報員なのだった。おりしも、ロシア外交官ダブラチェンコ氏が、ホワイトハウスに向かう途中、完全武装した集団に襲撃され瀕死の重傷を負う。誰が何の目的で・・・疑心暗鬼がつのるアメリカとロシア。ジョンはCIAから、メアリーはSVRから極秘指令を受け、事件の真相に迫っていく。やがて事件の背後に見え隠れするアジアンマフィア。ボスのチャオリーを追ううち、ついにジョンとメアリーはお互いの正体を知るのであった。巨悪にむかってタッグを組む二人。真の黒幕は誰か。目的は何か。それらが白日の下にさらされるとき、二人はいやおうなく壮絶な死闘へと呑みこまれていくのだった。。。。ラスト20分、飛び交う銃弾3万発、本年最大最強、夫婦漫才的超絶アクション巨編。いよいよ公開! (ちなみに、こんな映画ありません。念のため)

と、このレベルまで書かれちゃあ、本編なんて観なくていいや、ってなるでしょう。

あれれ?文章を書いてて、私は自分の間違いに気づきました。上に挙げた理由から、映画への興味を減退させるなど愚の骨頂でした。そうか、それぞれにポジティブな「ツッコミ」をすれば良いのですね。「うわ、映画版もTVドラマとまるで同じじゃん!芸がないのう、わははは」とか、「そこまでネタばれしといて実際にはこれかい!あほんだら」とか、むしろ反作用的な興味、関心をあおっていけばいいのですな。いやあ、気づきませんでした。

突然ですが、ここで関連ネタのご披露です。少々古いハナシですが04年に「SAW」という怖い映画が公開されました。いまで言うシチュエーション・サスペンスってやつです。不条理な状況に陥った主人公(被害者)。姿の見えない犯人。先の見えない展開。低予算ながら緊張感が見事で、ラストのオチ(どんでん返し)がスゴイ。映画館の観客席から「えーっ」って声がでましたもんね。

それゆえ「オチ」を事前に知ると、面白さ半減どころか、観る必要もない・・・という点を念頭に入れていただき、05年正月(映画公開後数か月経過)に某新聞に出た「SAW」の広告を見て下さい。じゃーん。

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うわあ、それ書いちゃうか!?と仰天しました。新宿武蔵野館、なんでもアリ、って感じですなあ。8年前から「映画のネタバレ」傾向は深く着々と進行してたんですね。てなわけで、グダグダ書いちゃいましたが、今日の決めセリフはこれです。

そこの人、死んでますか~?

05年のネタもまだまだ新鮮でしたよ、死んでませんよ~。

いや、ピクッと動いたような

「いや」という二文字が味わいありますね。「いや~ん」という意味か、「いや違う」という意味か。って、どうでもいい感じになったので今日は以上です。チャオ!!


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映画 2013年は銀座シネパトスが閉館であります。。。 [映画]

今更ですが、あけましておめでとうございます。

さきほど気づいたのですが、前回のブログ更新は、昨年の10月28日。わおお、2か月以上も放置でしたか。いよいよ3か月に1回のレア更新ペースが定着したようです。とはいえ、更新頻度を上げるつもりもなく、忘れたころにユルッと記事を書く、今年もこの調子でしょう・・・って、向上心がないですね、おれ。

さて、新年早々、寂しい話題ですが、書かないわけにはいきません。

マニアック&エロチック&エキセントリックな映画道を貫いてきた、愛すべき映画館「銀座シネパトス」が、2013年、ついに閉館なのです。豪華キャストによる閉館記念映画(?)も作られたようですが、その製作費があったら、シネパトスをもっと続けてほしいと、HUMAXさんにお願いしたいのは私だけか。。。

20年以上にわたり、シネパトスさんにはお世話になりました。「花と蛇」シリーズ、「アナコンダ」シリーズ、「ゾンビ」もの、B級ホラー&アクション、超大物俳優が主演したトンチンカン映画・・・たくさんの作品を堪能させていただきました。B級映画が定常的に上映されるからこそ、まれに(というと失礼だけど)傑作に遭遇した時の感動が筆舌に尽くしがたいのです。ああ、なんと文学的な表現!

ウィレム・デフォーとレイ・リオッタ共演の「コントロール」、良かったですよねえ。ウィレム・デフォーが、あの顔で善人役だもん・・・って、そこに食いつくのかよ!

そしてベスト1は、ビル・パクストン監督・主演「フレイルティ 妄執」・・・感激して「妄執斧」「妄執手袋」つうマイ流行語を作っちゃいました。DVD発売になったときは即購入であります。

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いやはや、ハリウッドのメジャー映画からは得られない、映画の奥深さ、変化球的な楽しみ方を、銀座シネパトスさんから学ばせていただきました。

そういえば、私が北海道から関東にきた25年前は、八重洲スター座、三鷹オスカー、川崎国際など名画座がけっこうあったんですよね。シネコンにはない「手作り感」や「独自の味」がすんごく良かったわけです。おっと、オヤヂの思い出話みたいになっちゃった・・・いかんいかん。

さて、あえて最後にもってきたネタであります。東京広しと言えども、ここ銀座シネパトスでしか観ることのできない懲りないオヤヂ=スティーブン・セガール御大主演の「沈黙シリーズ」。このブログでもさんざん、取り上げてきた季節商品ですよね。

閉館前の大サービスか、来たる1月12日よりシリーズ最新作「沈黙の監獄」が銀座シネパトスさんで公開であります!これを観ずして、いったい何を観るのだ?セガール御大の(たぶん)強引で理不尽な雄姿を、いまこそ映画館のスクリーンで、目に焼き付けようではありませんか!

ビバ!沈黙シリーズ!

ビバ!銀座シネパトス!さようなら・・・それはまだ早いか。

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