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あのカルト監督 デヴィッド・リンチの「ソロ・アルバム」に・・・うわわ評価ビミョー。 [音楽]

このブログで、久しぶりに映画ではなく、音楽ネタを書こうと思います。とはいえ映画がらみのハナシなんです。

今日取りあげるアルバム(CD)は、昨年11月にリリースされたかなりマニアックな物件です。

なんと、あのデヴィッド・リンチ監督のソロ・アルバムです!

リンチ監督といえば、「エレファント・マン」「ワイルド・アット・ハート」「ブルー・ベルベット」「マルホランド・ドライブ」といったダークかつ悪夢的な匂いのする”カルト映画”の大家ですよね。

「インランド・エンパイア」(2006年)以来、作品を観ていないなあ、もう引退したのかなあ、なんて勝手に想像していたら、いつの間にか音楽活動にご執心だった!それにしても、66歳という年齢で(というと失礼になりますが)、創作意欲が衰えないとは、アグレッシブなお方ですねえ~~。

ソロアルバムのタイトルは「CRAZY CLOWN TIME」・・・狂気の道化の時代ですか。いかにもリンチさんらしい(訳のわからなさが・・・)。アルバムジャケットも「運命」「痛み」「死」をイメージさせるリンチ色濃厚なアートワークです。かなり狙ってるな~~。

リンチCD2.jpg

映画人が関わるアルバムって、サウンドトラックや、既成曲を集めたオムニバスだったりしますが、本作は正真正銘、デヴィッド・リンチのソロアルバムと言ってよい内容です。

なにせ、リンチさんが楽曲を作詞作曲し、自ら演奏し(打ち込みもある)、歌っているのですから。

考えてみればリンチさん、若いころは画家を目指し、後年、個展もやったはず。映画の世界に身をおいてからも監督一筋ではなく、脚本を書き、俳優もやり、音楽にも手を出し、あげくにコーヒー豆の栽培までする(そこはどうでもいいか)、超マルチな才人です。音楽CDを発表したからと言って、驚くには当たらないんですね。

問題はこのアルバムを買うべきか、買わざるべきか・・・という「こちら側」の悩みであります。

リンチCD3.jpg

デヴィッド・リンチ監督の大ファンであるワタクシ。映画なら必ず劇場に足を運びますが、”音楽作品”となるとビミョー。もしも内容(楽曲、アレンジ、雰囲気)が映画と同様、不気味かつ陰々滅滅としていたら、2000円の出費は高いよなあ、と。

グズグズと悩んでもしょうがないので、エエイ、CD購入いたしましたぜ!どうだっ!

さっそく、自宅オーディオルームで、そこそこ大音量で聴いてみましたよ。

結果はどうかというと・・・うわわっ、まるで予想どおりやんか!

ゲストシンガーが参加している冒頭一曲目から、気味の悪いヴァイヴが炸裂です。音楽を楽しむ、という言葉からはほど遠く、気が滅入るようなダウナー系ブルージー・サウンド・・・映画的と言えば言えるかもしれませんが、悪夢的で出口無しの迷路にいるごとし。ちょっと寒気がしちゃいましたね。

予想的中は「やったぜ!」ですが、むしろ当たって欲しくなかった予想といえます。

念のために、アルバムを通しで3回聴きましたが、ますます「どう食いつけば良いのか」に困惑している状態ですよん。トホホ・・・。

こうゆう音楽を好きな方を否定しませんし、リンチ・ワールド全開という点で、ある程度はツボにはまったわけです。ただ、映画と音楽は別物ですからねえ・・・意地悪な見方をすれば、「リンチ印」で売ろうとするアザトイ便乗商品とも思えるわけで。

強いて本アルバムの効能をあげるなら、聴いているうち、過去のリンチ映画をもう一度観たくなったってことすかね。たとえば、こんな映画です・・・

映画館で私の脳天に衝撃が走った作品、86年の「ブルー・ベルベット」。イザベラ・ロッセリーニさんの怪しすぎる美しさに加え、デニス・ホッパーの狂気噴出っぷりがスゴイ。冒頭シーンの「野原に耳が落ちている」シークエンスにもインパクトあったなあ。

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次に、ナオミ・ワッツの美しさと”名演技”(←意味、おわかりですよね)に震えた01年の名作「マルホランド・ドライブ」。思い出すだけでゾクゾクする迷宮的世界でした・・・ああ、もう一度観たいっ!

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ナオミ・ワッツさん、いいですねえ~(しつこい?)

マルホランドドライブ2.jpg

最後は06年の作品「インランド・エンパイア」。リンチ監督のお気に入り女優(であろう)ローラ・ダーンがしだいに精神を崩壊させていく展開の怖いこと。「マルホ・・・」に比べ、難解度合いを増してたけど、リンチ好きにとっては「辛抱たまりません!」。

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ソロアルバムから、ずいぶんハナシが逸れちゃったけど、とにかくリンチ監督に強くお願いしたいことは、映画の新作を作ってください!ってこと。うーん、この調子じゃあ、しばらくは無理かなあ。ソロアルバムのプロモーションと称して、コンサートツアーなんか始めないでくださいねっ。


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音楽 TOTOのカバーアルバム登場!この微妙~な感じに一緒に痺れよう!! [音楽]

久しぶりのロックネタでございます。

「どうせ、マニアックなCDの話だろ?」と予想したアナタ・・・・正解!(クイズミリオネアの、みのもんたを意識したけど、分かった?)

取り上げるのは、ワタクシが最近、iPodで聴きこんでいるアルバムです。

KING OF BALANCEというユニットによる、TOTOのカバーアルバム

『A Rockwalk Through The TOTO Years』

KING OF BALANCE.jpg

そもそも、TOTOって誰だあ?便器メーカーかあ?という、不遜な輩もいるかもしれませんので、説明しますと、TOTOとは、ジェフ・ポーカロと デヴィッド・ペイチが、77年に結成したアメリカのロックバンドです。スタジオ・ミュージシャンらしい高い演奏技術に加え、AOR、フュージョン、ハードロックと多様な音楽的要素を盛り込んだ楽曲で人気を博し、80年代にはグラミー賞6部門制覇など輝かしいキャリアを誇ったのであります。しかし90年代に入ると、ジェフの急死などもあり、メンバー変更を繰り返し、人気は凋落していきました。。。。

80年代の洋楽好きにとっては、TOTOは、間違いなく思い出深いバンドでしょう。

ワタクシは大学時代、ちょろっとバンドで、TOTOのコピーやってましたので(ちなみにベースギター担当)、思い入れもひとしおなんですよ。

TOTOの説明は以上として、問題のカバーアルバムであります。

カバーしているKING OF BALANCEなるユニットは、DOKKEN在籍経験もあるギタリスト、アレックス・デ・ロッソが中心になり、ラビリンスのボーカルのロベルト・ティランティらと結成した、本作だけのユニットらしいです。演奏は水準以上であり、歌は「超絶」と呼ばれるメタル・ボーカリストだけに迫力と安定感があります。

しかし、本家TOTOのスティーヴ・ルカサーが、このアルバムを聴いて「言葉を失うほど驚いた!」と言ったという宣伝文句に対しては、ホンマかいな?と疑いの目で見てしまう。

参加ミュージシャンのTOTOへのリスペクト(尊敬)は、原曲のアレンジやテンポをほぼ踏襲していることからも分かるし、TOTOの名を借りて金を稼ごう、というだけの不純な意図ではないでしょう。

素直にロックしている、という点では、本家よりも良いとさえ思えるし、邪気のないストレートさには好感はもてるんですよね~。

しかし・・・・しかしです。各プレーのこだわりや、精度・・その辺りが本家TOTOに、どうにも及ばないわけですな。困ったことに、そうしたサウンドへのこだわりこそが、TOTOの生命線なんです、だから、実に微妙な評価になってしまう。

意地悪に言うと、KING OF BALANCEのプレーを聴いて、改めて、TOTOの偉大さを認識する、というのかしら・・・ううう。

アルバム収録曲は「ロザーナ」「ホールド・ザ・ライン」「アイル・ビー・オーヴァー・ユー」「パメラ」「ガール・グッバイ」など、それなりのラインナップ。個人的には「ハイドラ」を入れてくれたことは嬉しいですね!でも、せっかくなら定番曲「アフリカ」や、ハード系「グッバイ・エリノア」、ベタポップロック系「アイル・サプライ・ザ・ラブ」も入れてほしかったなあ~。使用権の問題やら、いろいろあるのでしょうけど、なにか中途半端な印象です。

KING OF BALANCEの演奏をYouTubeで捜しましたが見当たらず、「音」を紹介できないのは残念ですが、決してヘンではありませんので、興味のある方(&懐に余裕のある方)は、購入する価値あると思いますね。

本家TOTOの1982年のライブ映像を以下にくっつけておきますね。ヒット曲「ロザーナ」のライブですが、歌詞に描かれる男があまりに「未練たらたら」であり、80年代とはいえ(?)苦笑してしまいます。とほほ・・・・80年代のロックの歌詞って、みんなこんなんだったのかなあ・・・・


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音楽 へヴン・アンド・ヘルのニューアルバムに、感激しつつ、微妙な思い。 [音楽]

マイケル・ジャクソンさんの訃報に世界騒然!悪く言えば、お祭り騒ぎ状態ですよねえ。

ワタクシ、もろ、マイケル全盛期の世代ゆえ、ここ数日、TVをつけるたびに放映される「スリラー」や「Beat It」のAVは懐かしく眺めてます・・・・しかし、スイマセン(って誰に謝ってるんだよ?)、個人的には、マイケルの「音楽」への思い入れは皆無なので、しらけてきました。

80年代のワタクシの洋楽アイコンといえば、スティービー・ワンダー、スティーリー・ダン、AC/DC、CHICAGO、TOTO、イーグルス、ジャーニー、ナイト・レンジャー、BOSTON、ASIA、ヴァン・ヘイレン、ジャクソン・ブラウン・・・。

マイケル・ジャクソン、というと、ポップ色の強い時代の生んだキワモノ、というイメージを持ってました(基本、その考えは今も変わっていません)。マイケル好きの皆様、失礼いたしました!

関連してミュージシャンの「死」について、です。

過去、訃報を聞いて大ショックを受けたといえば、何と言ってもフレディ・マーキュリー(クイーン)ですねえ。思いつくままに列記しますと、ランディ・ローズ、フィル・ライノット(シン・リジー)、フランク・ザッパ、コージー・パウエル、テリー・キャス(CHICAGO)、ボン・スコット(AC/DC)、最近ではコンサート中に銃で撃たれて死んだ、ダイムバック・ダレルですかね~。

JAZZベーシストのジャコ・パストリアスの訃報にも、心底、愕然としましたねえ。

他方、ジョン・レノンや、カート・コバーンは偉大さは認識しつつも、お亡くなりになったことを”痛み”にまでは感じませんでした。

結局のところ、音楽はリスナーの「好み」と「思い入れ」に依存するのですよね。アルバム・セールスが桁はずれに凄いマイケルの場合、それだけ多くの方々の「思い入れがある」ということでしょう。

それは理解しつつも、あまのじゃくなワタクシは”超”人気のニュージシャンは苦手です。、マニアックを気取るわけではありませんが、アルバム売上げが「数千万枚」と言われると、ミュージシャンの実力以上にメディアがあおって作りだした熱病的な興奮匂いを感じ、斜めに見てしまうんですよね~。(日本だと松任谷由実、にそれを感じていました)

なんだか前置きが長くなってしまいました。

さて思い入れ深~いへヴィメタル創生期のバンドブラック・サバスのお話であります。

ブラック・サバスのデビューは1968年。天才にして変人ことオジー・オズボーンがヴォーカルをつとめ、玄人にも高評価を得ていました。

DIO2.jpgしかしワタクシが好きなサバスは、オジーが抜けロニー・ジェイムス・ディオがヴォーカリストになった79年以降です。当時、高校生だったワタクシ、「ロニーのほうが歌、全然上手いやんけ」と生意気にも思いましたね!

ちなみに、ロニー・ジェイムス・ディオの決めポース、どうも「まことちゃん」の”ぐわし”を連想しちゃう・・・・ま、どうでもいいことですね。

ヒット曲「ネオンの騎士」と「へヴン・アンド・ヘル」は、ロニーの”別格”歌唱力、トニー・アイオミの卓抜したギター・リフがあいまって、掛け値無しの名曲だと思います。

そんな彼らも、時代の波に勝てなかったか、はたまたメンバー間の確執があったのか、80年代に解散してしまいます。

ぐわし.jpgで、昨年のこと。ロニー時代のブラック・サバスが復活したのです!!

旧音源のベストアルバムを発売し、世界ツアーをこなしたあと、今年4月に、17年ぶりのフル・アルバム「The Devil You Know」を発表したのであります!

ただしバンド名はブラック・サバスでなくへヴン・アンド・ヘルに改名(法律上の使用権の問題でしょう)。

いやあーーー、復活ツアーだけで凄いのに、新作アルバムまで出すとはビックリ!

で、ブラック・サバス・・・じゃなく、へヴン・アンド・ヘルの新作であります。

うーーん、17年ぶりの新作ゆえ、多少のキズも気にせずベタ褒め!のつもりだったのですが、ちょっと微妙でしたね~~。

H&H1.jpgH&H2.jpg

まず、CDジャケのイラスト(上右写真)。なんすかあ?これ?舌3本の悪魔君が、磔刑キリスト(?)を握りしめているとは、チープでセンス悪すぎです!ジャケットは、普通に4人のメンバーの写真でいいじゃないですか!?

さて本題のアルバムの内容です。さすが百戦錬磨の大御所たちですねえ。パワー&訴求力は尋常ではありません。1曲目、ミドル・テンポのバッキングの中、かみしめるように歌うロニーの”クールにして熱い”歌唱に、こちらのメタル心はビンビン反応です!

と感動しつつも、全収録曲(10曲)を聴きとおすと、ちょっと問題が・・・・・

全体にミドル・テンポ(に聞こえる)曲ばかり、で、スピード・チューンが無いのですよ。

ブラック・サバスのテイストは「重い」「暗い」とはいえ、メロディに起伏が少なく、楽曲が平板なのは、ちょっと問題あり、ではないかな?

せめて2曲は、キャッチーなメロディで、リスナーわしづかみの”キラー・チューン”が欲しかったです

技術は超一流で、メタル界トップに君臨する実力、人気、魅力を兼ね備えているモンスター・バンドです。それだけにリスナーの要求も高くなるので気の毒ではありますが、「技」は十分堪能させてもらったので、「曲」で唸らせてほしかった!というのが素直な感想。

ついつい、ないものねだりしちゃう、へヴン・アンド・ヘルの新作でありました~。

次回作まで解散せずに頑張ってね!ロニー!

興味のある方は「新作」の前に、過去の名曲を集めたベストアルバムから聴かれたほうが良いでしょう・・・って、たぶん誰も興味ないでしょうけど。ガーーーン!

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音楽 クラシック以外のアーチストが演奏する、クラシック音楽の素晴らしさ! [音楽]

久しぶりの音楽ネタっす。それもブログ閲覧数が激減する「クラシック」ネタだ!

おっと~、クラシックが苦手な方も、ここで読むのをやめないように。今回は内容が濃い!面白い!(って自分で言ってどうする)。

今回のテーマは、ロック、ポップス、ジャズなど「クラシック以外」のアーチストによる、クラシック演奏であります。。

2000枚に迫る、ワタクシの保有CDから、厳選ネタをピックアップだ!

記事を通じ、音楽芸術を、ジャンルで分類することの不毛を一緒に考えていきましょう(って、おおげさかあ?)。では始めましょうか!・・・長い記事になりそうだなあ。

【CD-1】 ロック・ギタリスト ポール・ギルバートが弾くバッハ

最もすぐれた現役ロック・ギタリストは誰?と聞かれたら、ワタクシは言下にポール・ギルバート!と答えます。RACER Xでは超ハードプレーを披露し、Mr.BIG(20年前に解散、今年再結成!)ではバンドを牽引し、ソロ活動になった今も、精力的にCD録音、コンサート活動に明け暮れリスナーを熱狂させる「気のいいあんちゃん」です。

プロの間でも、彼のギタープレーは高く評価されています。ロックギタリストでありながら、クラシックに造詣が深く、アルバムに最低1曲はクラシックインストルメントを入れる彼。

ワタクシの一押しアルバムは、02年「BURNING ORGAN」ですが、今回は、そこに収録されたバッハ「ゴルトベルグ変奏曲」という鍵盤楽曲の、第一変奏(時間は1分強)、を取り上げます。

バーニングオルガンCD.jpgポールギルバート.jpg

短い曲ながら、歌心にあふれる演奏は、ハッキリ言って、凡百クラシックCDのそれを遥かにしのぐといえましょう。

誤解のないように申し添えますが、彼は楽譜どおり正確に弾いてます。しかし、あふれる「音楽魂」はジャンルを超えた”喜び”に満ちています。これ、まさにロック魂なのである!

ゴルトベルグ変奏曲のCDを、21枚保有するマニアなワタクシも、ポールの演奏には心を癒されます。クラシック演奏家たちよ、どう思うか?ロックなんぞ、と見下し、エラソーな能書きが多いくせに無味乾燥な演奏をする、あんたたちに分からないことも、いっぱいあるのさ。

ポールの演奏をYouTubeでどうぞ!残念ながら、ゴルトベルグ変奏曲がないのと、教則用なので、味わいに欠けますが、プレイスタイルは分かると思います。

 

ロックスピリッツとクラシックの感動的な出会いだなあ~~。それにしてもポール、ギターが上手いっ!

【CD-2】 ジャズ・ピアニスト キース・ジャレットのバッハ ゴルトベルグ変奏曲

あれ、また同じ曲だ。

クラシック曲をジャズにアレンジした録音、いっぱいありますね~。思いつくだけで、ジャック・ルーシェのバッハ。ヨーロピアン・ジャズ・トリオのモーツアルト。ジム・ホールのアランフェス協奏曲。マル・ウォルドロンが弾くエリック・サティもあったなあ。最近だと、スティーヴ・キューンのラヴェルや、ウオルター・ラング・トリオのロシア物。

で、紹介CDは大御所キース・ジャレットの弾くバッハ「ゴルトベルグ変奏曲」(89年録音)

このCDを選んだ理由は、ジャズ・アレンジではないからです。楽譜に忠実に、さらに、ピアノではなくチェンバロ(ハープシコード)という完璧クラシック・スタイルに徹しているのです。

キースジャレットCD.jpgキースジャレット.jpg

キースの演奏が面白いのは、ポール・ギルバートとは逆で、クラシック・ピアニストでさえ、ここまでガチガチに型どおりには弾かない、というくらい「クラシックしている」点。ジャズのイメージで、このCDを買ったキース・ファンは、予想との落差にギョッとするでしょう。

ところが。。。聴き進むうち、淡々と無表情に弾かれているようで、その中に、豊かな”音楽”がこめられていることが分かってきます。独特のアーティキュレーションを付け、一音一音の、繊細で清冽な「響き」を重視したスタイルは、見事に曲想を描いています。音楽の「内側」にあるものを表現する、キースならではピアニズム。彼の、原点回帰、という意味もあるのかも?

それにしても、キース・ジャレット、目のつけどころがさすが。恐るべしです。大胆に、演奏者オリジナルなアプローチができるのが、異分野から参入の強み、とも言えるかもしれません。

【CD-3】 ロック・ヴォーカリスト スティングが歌うダウランド

一世を風靡したロックグループ、ポリスのヴォーカリスト、スティング(STING)が16世紀の作曲家 ジョン・ダウランドの声楽曲(正確にはリュート曲)を録音したCD。抜群の歌唱力と、「声」には定評があるスティングですが、クラシック曲に挑戦するとは嬉しい驚きです!

これは、ずばり、一押しでしすね。

スティングダウランドCDjpg.jpgスティングダウランド2.jpg

このCDの良さは、スティングの「自由さ」です。作曲当時の16世紀の演奏など、誰も分からないため、歌唱方法や節回しを学術的に議論するときりがないわけです。スティングはそんな不毛なテーマにこだわらず、ダウランドの音楽を、自由に解釈し(もちろん異論・批判もある)、その結果、音楽の核心に迫った、と言えるわけです。

自分の能力を最大限に生かす、曲の解釈と展開。原典主義を軽く超える、このセンスが素晴らしいのですよ!ロックを封印(?)したスティングの、真摯で、静かで、暖かく心をゆさぶる歌唱。いやあ、辛抱、たまらんわあ!

ちなみに、発売レーベルがクラシック大手のグラムフォンというのも驚き。クラシック声楽界に、ロックアーチストのポテンシャルを示す、堂々たる録音といえましょう。大推薦です!

【CD-4】 ロック・ギタリスト ウリ・ジョン・ロートの弾くビバルディ「四季」

うひゃあ~、元スコーピオンズの天才ギタリスト、ロック界の仙人ウリ・ジョン・ロート(ULI JON ROTH)が、お弾きあらせられるビバルディ「四季」であります。(アルバム名は「メタモルフォシス」)

「別格」な方ですので、何やってもいいんですが、ちと、やり過ぎの感も・・・風の音の効果音は良いとして、セリフが語られ、思い入れたっぶりにクイーーーーンとトレードマーク「スカイ・ギター」の音が入ります。じんわり気分を盛り上げてから、どどーんと「春」の有名メロディが、ドラムやベースとともにドカドカ始まります。メイン・メロディを弾くギターには、あえて、キンキンな金属的エフェクトをかけ、高速フレーズでは、ここぞとばかりの、ごまかしなし!の圧巻プレー!

いやあ、クラシックとロックを同じように愛するワタクシの、ツボにはまりまくりだ!

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ケレン味たっぷりの演奏だけど、ある意味、クラシック的なアプローチなんですよね。指揮者アーノンクールの言葉ではありませんが、ビバルディの活躍した17~18世紀前半のバロック音楽は、「音楽の精神」を体現するため、演奏家にかなりの自由が許されていたわけです。楽譜はあくまで曲のアウトラインを示しているに過ぎず、演奏者は楽譜にないファンタジーを付加するものであると。

正確さもさることながら、いかに「個性的で優れた味付け」ができるか、が当時の演奏家に求められた能力だったわけ。

その意味では、譜面に縛られた「硬直した演奏」より、ウリ仙人の好き勝手な(失礼)「四季」は、想像力&創造力にあふれた名演といえるのではないでしょうか?

【CD-5】へヴィ・メタル・ピアニスト ヴィタリ・クープリの弾くリスト ロ短調ソナタ

うわー、最後に大好きなCD持ってきました!

ヴィタリ・クープリはウクライナ出身のピアニスト&キーボーディストです。へヴィ・メタル界では天才と呼ばれ、「アーテーション」「リング・オブ・ファイア」といったテクニカル系バンドで、驚異的なプレーを披露しています。実は、クラシック・ピアニストとしても活動しているので、ここで取り上げるのも微妙ですが、あまりにも素晴らしいので「こんなアーチストもいる」という意味で書きます。

ロ短調ピアノソナタ。リストの膨大なビアノ曲のなかで、唯一「ピアノ・ソナタ」の名が冠せられる名曲です。

ヴィタリCD.jpgヴィタリ.jpg

複雑で高度なテクニックが要求される難曲です。が、ヴィタリ・クープリさん、苦もなく弾くのは当たり前として、とっつきにくい同曲を、誤解を恐れずにいえば「愉快に」聴かせるのが凄いこれぞ、ロック精神だね(と勝手に決めつけ)。ちなみに、ヘンな装飾はせず、彼は、正確に楽譜どおりに弾いているのです。

陰影に富んだ音色、絶妙なフレージングは、長丁場にも間延びせず、リスナーの(というよりワタクシの)耳を奪い続けるのです。これはいけます。

クラシック・ビギナーの方が同曲を聴きたいと言ったら、テクニックならリヒテルやブレンデルでしょうけど、曲を好きになりたいなら、ワタクシはクープリのCDを勧めますね!!

頑張れヴィタリ!(最近、メタル系のCDが出ていないが、まさかクラシックに鞍替え??)


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音楽 新しいIPod NANOで音楽聴きまくる宣言! [音楽]

先週は、仕事でドツボでした。徹夜をはさみ、4日間に埼玉県、山口県、岡山県と出張。なにせ打合資料は、前日深夜に作る、絵に描いたような「自転車操業」(ドロナワ?)。アドレナリンは普段の2倍は出ていたでしょう(おおげさ?)。ふ~、疲れた・・・と、忙しぶってますが、意外にこんなバタバタ生活が性に合っている私。マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ・・・・とほほのほ。

明日AMは、新入社員に対し、高いところからエラそーに講義しますが、入社して1週間の皆様、きっと眠いのだろうな、かわいそう・・・・いや、そうはさせねえ、質問してやるぜ(意地悪?)。

さて、出張移動中、音楽を聴きまくるワタクシは機動性を求めiPodをNANOに買い変えました。軽いっ!小さいっ!これで容量16Gとは・・・テクノロジーの進歩を感じます。

で、問題は、iPodに、どんな曲をインポート(録音)しておくか?です。選曲を間違えると、出張中の気分がどんよりしてしまう。時々の気分で、聴くジャンルを変えたいので、クラシック、ロック、パンク、へヴィメタル、ジャズ、R&B、フォーク、J-POP、歌謡曲、あらゆる分野を、まんべんなく入れておきたいのです。

ということで、ざくっとアルバム20枚を選んでインポート。そのうち、出張中に元気をくれたアルバムはどれか!?という極私的なご紹介記事です。

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まずはトラビスの「シングルス」(ベスト盤)。トラビスは、1997年結成のUKロック・バンドです。UKらしからぬ(?)ロウ・テンション(=緩さ)が持ち味。良いメロディもありますが、基本、ひなびたビートルズ、元気のないオアシス、みたいな突き抜けない微妙さに、ホホを緩めるワタクシはマニアックでしょうか?ちなみに、iTuneの自動ジャンル分類機能によれば、案の定、ロックではなく、オルタナ、でした(あまり好きな言葉ではないが)。否定的に書いてしまいましたが、新幹線でボンヤリ聴くならトラビスですよ~。

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次、懐かし日本の良きフォーク、風「コンプリート・ベスト」です。日本屈指の作詞家(と私が思う)伊勢正三さん(今や釣り名人・・・とほほ)の1970年代のユニット。当時、洋楽ロックリスナーからは「女々しい」と酷評でした(というか相手にされず)。でもね、洋楽ロックの歌詞って、実はそれほど男らしくないのですよ、っていうか、欧米人のほうが未練たらたらで支離滅裂だったりしてね。

それに比べると、「風」は素晴らしい。歌詞に一貫性というかドラマがきっちり存在しています。抒情的ながら情景がリアルで、そこから普遍的「愛」が感じられます(ここが賛否両論ともいえるが)。と褒めておいていうものなんですが、「君と歩いた青春」の歌詞は、あまりに女々しすぎるなあ・・・

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クラシックは、岡山のホテルで聴いたブラームスの弦楽六重奏曲、弦楽五重奏曲がしみじみ良かったものの、移動の電車で気分高揚させてくれたゲルギエフ指揮ウイーン・フィル「チャイコフスキー交響曲5番」(2004年録音)を評価したい。この演奏は凄い!

さすがロシア人の指揮する、ロシアの名曲。第二楽章のメロウなフレーズすら、アグレッシブでドキドキ刺激的です(カラヤンにはない解釈ですね)。もちろん、終楽章は怒涛の波状攻撃でガンガンときます!ライブ録音ならではの勢いある名演。昨今、こしゃくな解釈でリスナーを困惑させるチャイコ録音(たとえばインマゼール指揮)があらわれるなか出色の「王道系」といえましょう。

ゲルギエフさんの実演を、数年前、拝見しました。バレエ「ロミオとジュリエット」(マリインスキー歌劇場管弦楽団)の指揮でしたが、すっかりファンになりました。世界屈指のオケ相手に常に自分を打ち出せる力量とリーダーシップ+職人技は見事の一言に尽きます。(ムーティに見習ってほしいものだな、プンプン)

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で、最後のアルバム・・・出た、へヴィメタだ!超速(兆速?)ギタープレーの凄さが、驚きを超え笑いすら誘ってしまい「ピロピロ系」と揶揄されるスラッシュ&メロディアス・メタルの若き雄、ドラゴンフォース「ウルトラ・ビートダウン」です。元気になる、というより、頭の中がスチャラカになる!結果、ささいな悩みがどうでもよくなる!快感です!病みつきです!

ちなみに聴いてガクッとなった楽曲はセックス・ピストルズ。パンク元祖ゆえ、思い入れは深いし、昔は好きだったワタクシですが、今回は「良いなあ」とちょっと言えず。パンク・パイオニア(開拓者)としての偉業は認めるものの、素直に食いつけませんでした。 そういえば、ラモーンズもダメでしたね(そっちは歌が下手だからか?)

さて、今週は、千葉、茨城、岡山、三重、と出張です。ふううう~。

今度は、iPodで何を聴きまくろうかな~~。ワクワク・・・・・って、そこが楽しみかよ!?

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音楽 伝説のプログレバンド カーヴド・エア、なんと22年ぶりのニューアルバムだ! [音楽]

すいません。今回の音楽ネタ、ひじょうにマニアックで、プログレッシヴ・ロック(通称プログレ)、それもマイナー系のやつに興味ない方には、実にツマラナイと思います。ご容赦ください。

まあ、記事がNGでも、YouTube動画は、楽しめると思いますよ!!

以下、固有名詞は、解説なしで使わせていただきます。さてさて。

17年ぶりにアルバムを発表したガンズ・アンド・ローゼスに「17年はねえだろ!」とツッコミを入れたばかりですが、今回紹介のバンドは、さらにその上をいきます。

22年ぶりニューアルバム発売の、英国プログレ・バンドです。

バンド名はカーヴド・エア(CURVED AIR)、結成は1968年。

プログレ3巨頭(ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、YES)、エマーソン・レイク&パーマー、ジェネシス、ジェスル・タロ、など堂々たるビックネームの前で、カーヴド・エアの認知度はイマイチかもしれません。

しかし、カーヴド・エアには素晴らしい長所がある!

ヴォーカルが女性で、そのうえめちゃ美人ということ!もちろん歌も上手い!さあ、どうだい!ウザいおっさんバンドとは違うのだぞ!(って、ワタクシが力んでも意味無いけど)

カーヴド・エアのソーニャ.jpgカーヴド・エアのヴォーカル、ソーニャ・クリスチーナちゃん。左をご覧ください。この美しさ!ただし、30年以上前の写真だけど。

70年代プログレ歌姫、といえば、アニー(ルネッサンスのボーカルのアニー・ハスラム)と、カーヴド・エアのソーニャ・クリスチーナが双璧といえましょう。

私見ですが、アニー(ルネッサンス)は磨き抜かれた超クリスタル・ヴォイスを自在に使うことで、ジャージーな曲にさえ「品格」を与えるタイプ。一方のソーニャ(カーヴド・エア)は、美声で淡々としたなかでもラフな色付けが得意で、クラシカルな曲に、ポップで自由なテイストを与えるタイプ。

ま、そんな分析は良いとして、22年ぶりのカーヴド・エアのニューアルバムを聴いてみましょう!

--おお、このCD、間違いなく傑作であります。近年プログレ系アルバムで、群を抜く出来栄え!(プログレの新譜自体が、最近はそれほど出ないけどね。。)

このアルバムの良さは、アレンジや歌い方を、オリジナルから変え、新たな息吹きを感じさせながらも、カーヴド・エアらしさは、しっかりキープしていること。リスナーの「期待」からズレていない。この感性、バランス感覚、実に見事です。

ソーニャの歌には、35年前の若々しさや力強さは望めません。しかし「自然体」歌唱は健在で、その歌心は唯一無二。大満足なのです。

カーヴド・エア リボーン.jpg

決定的な傷ではないが、残念な点がふたつ。

第一の「残念」は、全14曲のうち、11曲が過去曲の再録音であること。(考えようによっては、それが良さでもあるね。おかしな新曲より、過去の名曲のほうがアリですから)。

第二の「残念」は、選曲です。70年代黄金期を支えた非オリジナルメンバー、エディ・ジョブソン時代のナンバーがほとんどない(オリジナルメンバーのダリル・ウエイは、この期間、脱退していたのだ)。

たしかにカーヴド・エアらしい楽曲は、アルバムなら1st~3rd(ダリル・ウエイ在籍時)で、実験的&プログレ臭が強いもの。ワタクシもその時代の良さは認めるものの、エディ時代の曲はプログレ+ストレート・ロックの幸福な融合があり、その曲がないのはあまりに残念です。

まあ、言い始めるときりがないですね。ねいものねだりはやめましょう。

ニューアルバムを紹介しておいて矛盾しますが、YouTubeの「過去の」カーヴド・エアの映像(1972年)をご覧ください。プログレというよりは、フォーク調な曲ですが、ソーニャが良いので採用!この曲「メリンダ」も、今回のアルバムに収録されています。

ついで、と言ってはなんですが、もう一方のプログレ歌姫アニー・ハスラム、の歌声をお聴きください。1990年頃の映像ですね。おぉ、この曲!映画「エクソシスト」のテーマ曲「チューブラー・べルズ」で有名なマイク・オールドフィールド作のポップ・ロック名曲「moonlight shadow」のカバーです!

 

そういえば、この曲は、数年前にAselin Debison(1990年生まれ。12歳でデビューした天才少女)がカバーしていました。ベタだけどなかなか良い曲ですからねえ。

マギー・レイリーの歌うオリジナル「MOONLIGHT SHADOW」(1983年)の映像もありましたが、ちょっと妙なもの発見したので紹介します。これ、歌声と演奏はマギーのオリジナルだと思うんですが、ビデオは最近のもの(に思える)。いずれにしても、ゆる&キッチュなビデオに頬をゆるませてしまうオヤジなワタクシ、であります。

 

話があっちこっちに行っちゃいました、スイマセン。

カーヴド・エアに話を戻します。22年の時を超え、CD発売だけでなく、ライブ活動も活発に行っているそうです。新たなファンを獲得し、さらにはプログレの再ブームを起こしてほしい---無理かなあ?

頑張って~。ソーニャ!!

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音楽 ガンズ・アンド・ローゼスの14年ぶりの新譜「CHINESE DEMOCRACY」、だからどうなのよ? [音楽]

ロックネタでございます。世界中が待ちわびた(ことになっている)、ガンズ・アンド・ローゼス17年ぶりオリジナルニューアルバムCHEINESE DEMOCRACY。何度も何度も「今年こそ発売」と騒がれてはポシャリ続けて10年以上。いい加減に、誰もが「どうでもええわ」と思った(であろう)08年11月、ついに登場しましたあ!

製作期間14年、製作費14億円ですって(宣伝文句による)。収録曲14曲だから、1曲=1億かよ?おいおいっ!!

ま、本作が、08年のロック大事件のひとつであることは認めましょう。

アメリカの某飲料メーカは「08年中に新作アルバムが発売されたら、全国民にドクター・ペッパーを無料配布する」と宣言したため、今ごろ、ひと悶着になっている--なんともバカバカしいっす。

バカバカしい顛末の掲載記事はこちら→ここをクリック

ガンズアルバム.jpg

ロックファンの多くはガンズ新作に歓迎ムードらしいけど、ワタクシは素直に喜べないね、むしろ怒り気味ですぜ、ダンナ。

なにせ、17年間ですぜ、17年!17年も新作アルバムを出さないロック・バンドってどうなのよ?

17年・・・・といえば、10歳の小僧は27歳のオトナ。20歳のあんちゃんは、37歳のオジサン。20代後半だったワタクシなどは、今や40代半ばじゃよ--まあ、それは良いとして。

くどいようですが、今更、なんでガンズ・アンド・ローゼス?17年の間にロック勢力図は塗り替えられ、多くのニューカマーが登場したでしょう?ガンズの熱狂的ファンは、頭の中の時間が止まっているのかしら?

怒りの理由は17年も待たされた恨みだけではありません。バンドのフロントマン(ヴォーカル)のアクセル・ローズが気に入らないのです。アイツを許せないのは、

度重なるコンサートのドタキャン

です。事情はあるにせよ、高いチケットを買って楽しみにしているファンもいっぱいいるわけで、ドタ・キャンはいかんでしょう。AC/DCのブライアン・ジョンソンが某雑誌のインタビューで「アクセル・ローズ、プロの風上にもおけねえヤツ!」とご発言され、ワタクシ「ザッツ・ライト!」と叫びそうになりましたよ。

アクセルような自己管理も出来ないミュージシャンを、いまだに神様のように持ち上げ続けるロック界、どうかしています。「昔の名前で出ています」に寄りかかるのも、いい加減にしろよって。

---ひととおり、憤ったので、いよいよ

ニューアルバム「CHINESE DEMOCRACY」の中身ですが。。

ううう、さんざんアクセル・ローズへの文句を書いといて、なんですがけっこう良いのだ、これが

LAメタル崩れ的チャカチャカ音や、「へヴィメタルを歌うビー・ジーズ」のような高音に、思いっきり突っ込み入れてやろうと虎視眈眈と窺ったのですが残念(?)。

全盛期とは比較できないにしても、この高レベルは驚異、素直に脱帽です

1曲目「CHEINESE DEMOCRACY」は意表を突く弱音で開始、”何かが始まる予感”を醸し出しといて、1分経過時点で、ガツンガツン!!とイントロ・リフが始まる。憎たらしいけど、この演出で掴みはOK!みたいな・・・・やるなあ~。

2曲目以降は、どこかで聞いたことがあるようなベタ雰囲気で行く末を心配させますが、5曲目の「If the World」(映画「ワールド・オブ・ライズ」のエンディング曲)、6曲目「There was a time」、7曲目「Catcher in the rye」あたりで、再度、ぐぐっと盛り上げてきます。このあたり、百戦錬磨のロック野郎は違うねえ~。

結論=さすがガンズ・アンド・ローゼスは凄かった。ポッと出の若手連中は、彼らにまだまだ追いつけません

 

大きな期待をしっかり受け止め、その期待に応えるヤツ!プレッシャーを力に変えるヤツ。それがアクセル・ローズだ!

アクセル・ローズよ、あんた、「性格」さえ良ければなあ。。。。天は二物を与えず、ってか?

なんだか複雑な気分で鑑賞する、ガンズの新作。とほほ。


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音楽 これ聴かずにどうする!ジェフ・ベックのライブアルバムに天才少女タルちゃんが!! [音楽]

久しぶりに、大感動の音楽ネタであります!こいつを紹介できるなんて、35年間、ロックを聴き続けて本当に良かった!と思うのあります。その感動ネタは何か?って、ジェフ・ベックの新譜です!ライブ・アルバムであります!

ジェフベック.jpg

ジェフ・ベックといえば押しも押されもしない超有名ギタリストですが、本アルバムの聴きどころは、そこではありません。天才女性ベーシスト(録音時21歳)のタル・ウィルケンフェルドちゃんのベース・プレーであります。

タル・ウィルケンフェルドちゃんのことは、以前もこのブログで書きました。ワタクシも、昔、ベースをやっていたことがあり、彼女のプレーに心底、感動しているのです。あふれるグルーヴ、音の切り替えのときの「グリッ」というウネリ、ベース・ラインのイキイキとしたパッション!

言葉で説明してもしょうもないので、以下のYouTubeの画像で確かめてください!1分17秒経過したところから彼女のベースが活躍します。主役のジェフ・ベックすら「ベース・ソロは、お前にまかせた!」みたいな感じでナイス!タルちゃんのプレーには観客もジェフも盛り上がっています!おお~凄いぜい。

ジェフとの共演だと、彼女の魅力が全部は伝わらないので、これならどうだっ!!タルちゃんのソロ好きな音楽が、クラシックであろうと、J-POPであろうと、HIPHOPであろうと、タルちゃんの音楽力に是非とも感応してほしいです!

なにせタルちゃん、可愛いんだよなあ--って、結局そこかい!見た目は近所のプリティおねえちゃんって感じですが、紡ぎ出される音世界は完璧。ベースを始めて、たった4年で、これって何なのよ?

チック・コリアや、ジェフ・ベックといった、ビック・ネームとの堂々の共演。。。ため息の出るようなサクセス・ストーリーではないですか!

才能とは恐るべし!言いすぎかもしれないけど、ジャコ・パストリアス以来の、ワタクシのMYフェイバリット・ベーシストが彼女なのであります。

おっと、本題ともいえるジェフ・ベックのギター・プレーにまったく触れていませんでしたね。

ハイ、もちろん、「相変わらず」でございますよぉ。デリカシーの無い「入り」は、ローリング・ストーンズのキース・リチャーズと双璧を成し、ロックともブルーズともつかないソロはゲイリー・ムーアを彷彿とさせる---いや、いいんですよ!その変わらぬ芸風を期待しているリスナーもいるわけだし。。。。

ま、ジェフのギター・プレーへのコメントはやめておきましょう。タル・ウィルケンフェルドちゃんという天才を、バンド・メンバーに加えた時点で、ジェフの感性がにぶっていないことは分かったわけだから。。。って、その突っ込みも酷いな~~。

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音楽 CD大人買い、クラシック、ジャズ、ロックの乱れ打ち! [音楽]

あけましておめでとうございます。12月30日の「CD大人買い」の報告をさせていただきます!

【ご注意】 少々マニアックなネタゆえ、クラシック、ジャズ、ロックに興味ない方には、たぶん退屈な記事ですので、ご容赦を。 

さて、12月30日の東京、日本橋から銀座まで散歩しつつ「戦い」に向け気持ちを高めます。ほどなく、戦場=銀座 山野楽器へ到着です。

【1】 クラシックCD編

山野楽器では、まず2階クラシックCD売り場へ直行です。

狙いはメータ指揮ウィーン・フィル&ラン・ラン(Pf)ショパン ピアノ協奏曲1番&2番」(グラムフォン)。クラシック・ピアニスト界でユンディ・リと並ぶ大注目のアジアの逸材がラン・ラン。しかしCDジャケを眺めるうち、どうも気分が乗らず購入中止。。。あるんですよねぇ、CDジャケで食いつけずに買わないパターン。ま、当分廃盤にならないでしょうから、いずれ気が向けば。

室内楽コーナーではピースうさぎさんご推薦、ブッフベルガー四重奏団のハイドン弦楽四重奏曲全集(ブリリアント)をチェックします。ちなみにピースうさぎさんのブログ記事は→ここをクリック。本シリーズは、現在、録音進行中で、7集まで出ています。で、どうせ買うならシリーズ完結後に、どどーんとまとめ買いかなあ--と思い、これまた本日は購入せず(むむ、こんな調子で、いつになったら買えるのかな)。

ブラームスP四重.jpg購入したCDは若手奏者による「ブラームス ピアノ四重奏曲全集」(2枚組、ヴァージン・クラッシクス、2008年輸入盤)。奏者の名に聴き覚えがありませんが、すっきりモノトーン・デザインのジャケがいい感じ。チェリスト(写真上から2番目)はアントニオ・バンデラス似のイケメン

ブラームスのピアノ四重奏曲って、シェーンベルグが交響曲に編曲(1番)した例もあるように、実に立体的でシンフォニックです。渋い演奏も好きですが、常々、アグレッシヴな演奏も聴きかったのです。若手アンサンブルに期待して購入したのですが、感想は--ちょい微妙~。音楽の”勢い”には満足したものの、少々、粗さが気になります。アンサンブル重視だとファースト・チョイスにはならない。ブラームスの室内楽はこの辺が難しいです。CHANDOSレーベルにも言えますが、若手の演奏は往々にして「良いけど粗っぽい」。これを「みずみずしさの表れ」とポジティブに受け止めるか?で評価が分かるでしょうね。本CDは、もう少し聴きこんで判断しましょう

クラシックCDは、あと2枚(マーラーとメンデルスゾーン)を購入し、3階ジャズCD売り場に移動です。

【2】 ジャズCD編

このジャンルは、買いたいCDを絞っておりました

SWEETJAZZTRIO.jpgSWEET JAZZ TRIO(SJT)の新作「Little Girl Blue」。ジャズ・トリオの定番といえばピアノ、ドラムス、ベースですが、SJTはコルネット(トランペット)、ギター、ベースの変則構成。本作は、さらにストリングスを加えたスタンダード集(3弾目)です。刺激の少なめな淡い音色のコルネットに、ギターの”ぽろぽろ音”が溶け込みノスタルジック気分満喫です。

ずばり「心地よくユルい!」。どんな目が冴えていても、これを聴けば睡魔に襲われる!そんなステキな(?)心地良さ。激しく脂っこいのもジャズですが、ほんわか気分にしてくれるのもジャズの醍醐味!

しかし誤解しないでくださいね、SJTの演奏は素晴らしいですよ~。ゆるいだけではありません!ぜひ、この雰囲気を体感してほしいです。

ジャズCD2枚目は、ルイス・ヴァン・ダイク・トリオの新作「風とともに去りぬ」。音楽映画好きのワタクシ、1曲目”タラのテーマ”(映画「風とともに去りぬ」のテーマ曲)を試聴し、アレンジと演奏のセンスの良さに脱帽し即購入です!演奏はあくまで”中庸”ゆえ、刺激を求めるリスナーにはお薦めできませんが、オリジナル楽曲の高揚感を保ちつつ、感情に流されない品の良さがいい!空気が美しい、というのでしょうか?プレーヤーの手数は少ないのに、音の余韻が無音部に生きているーーー表現難しいですが分かっていただけます?とにかく、すっきり見通しのよい心洗われる演奏で、これは買いですねえ。

HIGHFIVE.jpgジャズCD3枚目は、イタリアン・ハード・バップの雄、ハイ・ファイヴ「ファイヴ・フォー・ファン」。いまのジャズはアメリカよりヨーロッパでしょ?って思うワタクシ。なかでも”活きの良さ”で赤丸急上昇トランペッターのファヴリオット・ボッソの「熱さ」が炸裂です!文句なしにカッコいいもん!これ聴いちゃうと、老舗ビック・ネーム・バンドの演奏が生ぬる~く感じられますよ。一聴してガツン!って頭の中で音がしたもの(おおげさ?)。ブルーノート・レーベル一押しのハイ・ファイヴ、これ聴かずして、現在のハード・バップ・ジャズは語れないでしょう!超お薦めでございます!

ジャズCD4枚目は旧録です。ギターが絡んだジャズをもっと聴きたくなり、00年録音エディ・ヒギンズ・トリオ「Don't smoke in Bed」を購入。ピアノ、ギター、ベースという手堅い構成。で、聴いた感想---あれッ、意外に普通ね?って肩透かし、まぁ、エディ・ヒギンズに”意外さ”は求めないけど、もぅちょっと紋切りではない歌心が欲しかったなーー(ないものねだり?)。

ジャズCDを4枚買ったので、最後は地下1階ROCK/POPS売り場へ移動です!

【3】 ロックCD編

ニッケルバック.jpgロック1枚目はカナダのニッケルバックの「DARK HORSE」。王道ハード・ロックで、重心の低い力強さがワタクシのロック魂を刺激しまくります。それでいて力まかせだけではない、なんとも懐かしいキャッチーなメロディを歌いあげるのだから、HRファンにはたまりませんな~。曲のバリエーションも豊富で、ついつい聴き入ってしまいます。

ガレージ・ロックまがいに誤認(?)された時もありましたが、枠にはまらないのがニッケルバック。ヒット曲「Gotta be somebody」以外は未聴だったので、わくわくして聴いたアルバムでしたが、どの曲も期待を裏切らない高水準。大満足です。ザワザワ、ザクザクしたテイストが楽曲にマッチして素晴らしいですね。

ご参考までニッケルバック「Gotta be somebody」をYouTubeでどうぞ →ここをクリック

ロックCD2枚目は、08年に再結成したエクストリームの「Saudades de Rock」借りて聴いていたけど、自分でもCD保有したくて購入。ゲイリー・シェローンの熱唱、ヌーノ・ベッテンコートのギター・テクとも相変わらずスゴイ。--でもねえ、うーん、絶頂期の彼らと”何か”が違う気がする。時代感というのか?それがメンバーの成長かもしれないけど。エクストリームって、しっかり練られているけど、イキイキとした”直観的”な感じ、”即興っぽさ”が身上ではありませんか?なんだか今回のアルバムって、窮屈で「型にはまった」感じがするのですが?

ACDCライブ.jpgロックCD3枚目は、今更ですがAC/DCの2枚組ライブ(旧譜)です!08年にニューアルバム「BLACK ICE」を発表し、激情ロックにおけるモンスターっぷりを見せつけてくれましたが、iPodで聴くうち「やっぱAC/DCはライブでしょ!」って。それで旧録ながら、90年~91年のワールドツアーのライブ盤を購入した次第。いやぁーーーー、これはいいなあ!

アンガス・ヤングのザクザクした剛直リフがゆるんだワタクシの脳天を刺激し、ブライアン・ジョンソンの酒焼け声のシャウトに、雄たけびをあげちゃいます!やっぱり凄いぜぇ、AC/DC。アルバム総売り上げ枚数1億4千万枚はダテではありません。

AC/DC万歳!ハードロック万歳!!キャーキャーーー!!

--って以上、まとまりありませんが、12月30日購入のCDのレポートでした。今晩、さらにじっくりと聴きこむとします、夜は長いぞ!

それでは、本年も映画と音楽の当ブログ、よろしくお願いいたします!

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音楽 ロック魂、カラオケ編! [音楽]

忘年会の季節ですな。二次会がカラオケ、ってあるでしょ?皆様は、カラオケはお得意ですか?

ワタクシは苦手ですねぇ。率直に歌が下手という現実もありますが、「何を歌うか?」で困るんです(自意識過剰か?)。オーバー45のワタクシは、「今どきの歌」なんて知らないしなあ。。。

ま、ワタクシの事は置いておいて、カラオケ現場で一番悲惨なのは「洋楽ロック好き」の人かもしれません。ヴァン・ヘイレン、クイーン、ボン・ジョヴィあたりを感動的に熱唱できる少数派はまだしも、フツーは、みんなの前で英語の歌なんて、恥ずかしいじゃん!と腰が引けてしまいます。

それに「ロック」って、カラオケ現場の空気を微妙~にする「危険球」ですよね。極端な例ですが、レッド・ツエッペリンの「天国への階段」など歌った日にゃあ、全員がドン引きで、携帯メールチェックを始めてしまう事でしょう。

気まずさ回避に、単純に、ポップ曲に走るのか?いやいや、それでは「ロック魂」が泣くというもの。

悩める「洋楽ロック好き」の皆様に、ワタクシがカラオケで、ロック魂を炸裂させる秘技を伝授しましょう。YouTubeの画像を、事例でつけておきます。応用ください。

【パターン1】 洋楽の超有名曲ロック)を、ロック風に歌う。

マニアックなロック曲はNGでも、”誰でも一度は聞いたことのある有名洋楽曲”はアリなんですね。それを、フツーに歌うのではなく「速度を上げて」ロック風に歌うという技です。カラオケ・マシンのスピード調整機能を活用しましょう!

事例として、ビートルズをパンクにアレンジして歌うトリビュート・バンド、Punklesの「ヘイ・ジュード(ビートルズ)」をご紹介しましょう。YouTubeからどうぞ。

 

どうです、この、やけくそな感じがステキでしょう!ほかに、ビートルズをへヴィメタル風(メタリカ風)に歌う「Beatallica(ビータリカ)」というバンドもあるのですが、原曲不明な悲惨なメタル・アレンジゆえ、紹介しません(興味のある方は探してみてください)。

是非とも、カーペンターズや、ABBAの曲を、”超速”で歌ってみてください!

【パターン2】 洋楽ロック曲を、英語ではなく、日本語で歌う

英語が苦手なあなたなら、「俺は日本人だわい!」の反骨精神で、洋楽ロックを日本語で歌い切りましょう!参考にする師匠といえば、「王様」しかいないでしょう!ヴィジュアル的にどうなのよ?というツッコミはありますが、ロックには”自己陶酔”が大切ですから、良しとしましょう。YouTubeでどうぞ。ディープ・パープルの「ハイウエイ・スター」など歌いきっております。

 

うーーん、これはきついなぁー。王様にしても、Queenの曲を日本語で歌う「女王様」にしても、”どれだけ面白い日本語歌詞にできるか”がポイントですね。よほど、しっかり仕込まないと無理かもね。。

【パターン3】 ”日本のアイドル曲”を、ロック風に歌う。

カラオケなら、このパターンが一番良いでしょう。アイドル曲のキャッチーなメロ、サビの泣かせ、ツッコミたくなる歌詞世界---は、まさに、ロック道に通じるものです。

ワタクシの推奨は、今世紀のアイドル曲ではなく、70年代、80年代が良いですね!サビ(盛り上がり箇所)がハッキリして、ロック魂が「乗りやすい」からです。(単に最近の曲を知らないだけとも言えるが)

「やり過ぎ」はいけません。あくまで原曲の味を尊重し、ロックテイストは”まぶす”程度にしましょう!

このパターンの最高のお手本は、ローリーのいたバンド「すかんち」の歌う、ピンク・レディ-「S.O.S」ですね。いやあ、この盛り上がり!素晴らしいです!これですよ、これ!見事にロックしているではありませんか!?

 

古今の”ベタ系アイドル”、天地真理、浅丘めぐみ、から、小泉今日子、松田聖子、中森明菜、松浦亜弥、など是非とも「ロック風にシャウト」してみてください。(男性が歌う場合は、キーに気をつけてね!)

以上ですが、洋楽ロック好きなあなた、今日からは、カラオケでロック魂を爆発させ、熱く熱唱できることでしょう!よかったよかった!(ほんまかいな?)

ではでは!!

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