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音楽 スティーリー・ダン 70年代デビューの驚異のアーチスト(その3) [音楽]

どーも。GWをいかがお過ごしでしょうか?

「今、聴いても新しい驚異の70年代デビュー・アーチスト」の記事第3弾であります。

前回のオフコース記事に、コメント(反響?)多数いただき、ありがとうございました。オフコース人気の根強さを実感しました。

今日は技巧派ロック・バンド、スティーリー・ダン、を取り上げます。

ワタクシ、中学生の頃、スティーリー・ダンをアーチスト個人の名前と勘違いしていましたが、これって、バンド名なんです。バロウズの「裸のランチ」(映画もありました)に出てくる、STEELY DAN Ⅲ FROM YOKOHAMA、から取ったネーミングだそうです(って、なんだか分からないですが)。

バンドの体裁を取ってますが、実質、ドナルド・フェイゲン(Vo,Keys)と、ウォルター・ベッカー(b、g)2名が主催するプロジェクトと考えるべきでしょう。当初は、やたらメンバーチェンジの多いバンド、という印象でしたが、1970年代後半には開き直ったか、アルバム制作ごとに、凄腕プレーヤーにゲスト参加してもらい、音楽性の高い作品を生み出すプロジェクト制になっていくのです。

そういえば、1974年のアルバム「プレッツェル・ロジック」に、後にTOTOを結成するジェフ・ポーカロ(ドラムス)が参加していました。どうでもいいネタですが、アルバム「プレッツェル・ロジック」の、当時の邦題が「さわやか革命」---おいおい、なんだよ、その脱力系アルバム名は!?さらに、ジェフ・ポーカロは、庭でまいていた殺虫剤のアレルギーでお亡くなりになったのでしたね。。。

スティーリーダンファースト.jpgスティーリーダンエイジャ.jpg

話は戻ります。1972年にファースト・アルバム「キャント・バイ・ア・スリル」がいきなりの大ヒット。その後の活躍は、割愛しますが、スティーリー・ダンの真骨頂が発揮されたのは、何と言っても、1977年のアルバム「彩(エイジャ)」(グラミー賞殿堂入り)、それに双璧をなす名盤1980年「ガウチョ」でしょう。この2枚をもって、スティーリー・ダンの栄光はロック史に刻み込まれた、といえましょうね。

彼らの音楽を、言葉で表現するのは難しく「スティーリー・ダンっぽい」としか言いようないんです。(むちゃだね、この言い方)。とにかく独特の空気/雰囲気を持っています。強いていえば、ジャズやフージョン、プログレ、さらにはポップスの要素を盛り込んだ技巧派ロック、と言えばいいかなあ。スタジアム・ロックのような、ノリノリ感満点、という音楽ではないので、「好み」は分かれることでしょうけど。

完璧に計算された楽曲と、綿密なアレンジ。プレーヤーの卓越した技巧と、徹底的にレコーディングで磨き上げられたサウンド---これだけ、手をかけたのに、無駄な付け足し感が全くありません。難解/独善的ではなく、力んだところがなく、音楽の楽しさを失っていない・・・・抜群のバランス感覚は、ロックの奇跡だと思います。

いずれにしても、唯我独尊の美学に満ちた、スティーリー・ダンの作品は、聴く人に「時代感」を与えないのは確かでしょう制作から30年以上たった今聴いても、まったく斬新であり、それどころか、今から30年後(2038年)に聴いても、スティーリー・ダンは、その音楽センスで、聴く人を驚愕させ続けると思います。

スティーリーダンガウチョ.jpgドナルドフェイゲンナイトフライ.jpg

たとえば、前出の代表作「彩(エイジャ)」。クレジットされているゲストミュージシャンは、なんと28人です。そこには、ラリー・カールトン、リー・リトナー、ジョー・サンプル、ウエイン・ショーター、スティーヴ・ガット、、、などそうそうたるビックネームが並んでいます。

読売ジャイアンツが4番バッターばかり集めて、さっぱり勝てない事から考えて、こんなにいろいろな個性を集めてアルバムがまとまるのか?と不安になりますが、なんのその。やっぱりコアの部分は、ドナルド・フェイゲンと、ウォルター・ベッカーがキッチリ締めています。

一曲目の「BLACK COW」のビートでガツンときてから、2曲目は、ラテンっぽいリズムのキャッチーなアルバムタイトル曲「AJA」。ウエイン・ショーターのサックス・ソロが白眉です。後半の「HOME AT LAST」、そしてラストの「JOSIE」。技巧だけに頼らない、ポップ感あるれるツボを押さえた自然な流れ。ギターのフレーズ、バッキングのセンスあふれること!!ここまで完璧だと、脱帽、というか、何も言えないでしょうが!

ミュージシャン・シップの権化、70年代の天才たちの生み出した、スティーリー・ダン、に感謝です。ありがとう!!

最後に補足ですが、1982年のドナルド・フェイゲンのソロ・アルバム「ナイトフライ」も素晴らしいですよ。ジャケットも実に洗練されていて(上写真)、スティーリー・ダン未体験の方は、「ナイトフライ」から聴き始めたほうが入りやすいかもしれませんね。

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ふくずみ

世間にはGW10連休の会社もあるようですが、残念ながら、私は4月30日~5月2日は出社です。
こうゆうGWに限って、札幌は晴天で20度を超える暖かさなんですよね。嫌になります。
現時点で、仕事する気を完全に失ってますので、会社からこっそりブログへの書き込みしちゃいます。

ステーリー・ダンを聴いて、当時、驚いた事は、曲やサウンドもさることながら、録音が抜群に良かったことです。
特にロックの場合は、プロダクションが酷くて聴けたものではないアルバムが横行していましたが、ステーリー・ダンの明晰な音には、「やればできるんだ」と、目からウロコが落ちた思いでした。
昨今の録音技術と比較しても、ステーリー・ダンのアルバムの音は凄いレベルではないでしょうか?

もうひとつ、ステーリー・ダンのすごさですが、
初期(70年代初め)のアルバムに漂う、あと一歩足りない感じがアルバム1作出すたびに的確に改善され、アッシー映画男様のご指摘の名作2枚に結実したことです。
いかに、自らの音楽を冷静に客観視して、問題点を絞りこみ、それを克服してきたのか、安易に妥協しない姿勢に感服します。
もちろん、あとになるほど、アルバム作りに使う費用も膨大になってくるのですけどね。。。

アッシー映画男様の「ミュージシャン・シップの権化」というのは言い得て妙だと思います。

井上陽水の記事、楽しみにしています。
アッシー映画男様が前にちらっと書いていたと記憶していますが、荒井由美も、ぜひお願いします。ユーミンがお嫌いのようですので、記事の切り口はおまかせします。
by ふくずみ (2008-05-02 11:45) 

アッシー映画男

To ふくずみ様、
いつもながらに的を射たコメント、ありがとうございます。スティーリー・ダンのアルバムの録音の良さは、たしかに群を抜いていますね。
ロックにありがちな、安っぽいシャカシャカ感は皆無です。ベースを前面に出した、どっしりと重心の低いサウンドながら、ピアノやギターの切れ味も良い。サウンドチェックに使えそうな仕上がりですね。

ところで、さきほど、スティーリー・ダンに関する他の方のブログをいくつか拝見したのですが、その中に、彼らの音楽を「AOR」に分類していたのを拝見しました。
この感じ方は、一般的なのでしょうか?

いわゆるオシャレという意味で、AOR、ともいえましょうが、そう言い切るには、スティーリー・ダンの楽曲って幅が広いと思います。
私は、フージョン+ソウル+ポップス、というイメージなんですよ。ガウチョの収録曲では、ブラック・ソウルっぽい曲が秀逸ですよね。

井上陽水の記事、しばらくお待ちくださいね。その前に、映画ネタを。。。。
by アッシー映画男 (2008-05-03 00:18) 

0.1tonの男

スティーリー・ダンと言えば、メロディーはポップなのに何故かコード進行は難解で、キーがコロコロと変わる曲ばっかりという印象が強いユニットです。

参加メンバーを改めて見ますと、ジャズ・フュージョン界で活躍しているミュージシャンの他に、ドゥービー・ブラザーズのジェフ・バクスターやマイケル・マクドナルド、エアプレイのジェイ・グレイドンなどの名前もあり、かなりゴージャスな顔ぶれです。
ジェフ・ポーカロも参加しておりますが、TOTOの「Rosanna」で聞ける「ハーフタイム・シャッフル」と呼ばれる独特のシャッフルは、「Babylon Sisters」のリズムにインスパイアされて完成したという噂があります。

「スティーリー・ダン」は、フェイゲン+ベッカーの2人が揃ってのユニットですが、「ナイトフライ」収録の「IGY」や「New Frontier」などを聞くと、フェイゲン1人だけでも充分に成り立つのではないか?と当方は思ってしまいますが、この意見は乱暴でしょうかね?
by 0.1tonの男 (2008-05-03 01:24) 

アッシー映画男

To 0.1tonの男様、
うふふ、恐ろしい地雷ネタを踏んでしまったようですねーーー。
「ナイトフライ」を聴いたとき、スティーリー・ダンのファンの90%は、思ったことでしょう、「そもそも、ウォルター・ベッカーはいらないじゃないか!?」と。

というわけで、0.1tonの男様のご意見は、全然アリ、ということになりましょう。ふふふのふ。

ジョージ・マイケルのソロ・アルバムを聴いて、「ワムには、アンドリュー・リッジリーはいらなんじゃないか?」という感覚と似ていませんかね。(ところで、アンドリューは今どこに?) それこそ乱暴??

by アッシー映画男 (2008-05-03 08:54) 

0.1tonの男

アッシー映画男様。

うひょ~っ!! やっぱりこの話題は地雷でしたか?
でも、書きたかった話題なので、書いてしまいました。

ワムの「アンドリュー」
チャゲ&飛鳥の「チャゲ」
ホール&オーツの「オーツ」
オフコースの「鈴木」

同じ様な境遇な方は、結構沢山いらっしゃいますね?
WaTの場合は、どちらの方が対象になるのでしょうね?
・・・なんて事を書いて、また地雷踏んだかしら?
by 0.1tonの男 (2008-05-03 12:00) 

azm

アッシ-映画男様、0.1tonの男様、ども。
スティーリー・ダンというのはあまり聞いたことがないので、(耳にしたことはあるのでしょうが・・・)、コメントの余地はなさそうでしたが・・・・
0.1tonの男様、あの人は今・・・ということなら上記4者分かりますが、片方いらないじゃん、と言う場合、チャゲ、鈴木やっさん、はちょっと違うのでは?
オフコースの場合、やっさんあってのオフコースということもありますし。。。(これはまたオフコースネタになってしまいますネエ。。。)
チャゲ&飛鳥のチャゲは、これはやはり必須では?飛鳥だけのネエットーリーした歌唱を後を追いかけるように高い音域でユニゾンする(って言い方でよいでしょうか)チャゲがあってこその、”一人咲き”、”万里の河”ですよー。油ばっかりのオオトロには、やはり香りの高い山葵があってこそ、両者引き立つというものではないでしょうか。
 それはそうと、チャゲは一人咲きの頃は、帽子もバンダナもサングラスもなく、素顔で髪の毛もありましたねえ。つい先日YouTubeで見てあらためて”時代は変わる”と感じましたです。

by azm (2008-05-03 16:55) 

アッシー映画男

To 0.1tonの男様、
地雷ネタ、ついに爆裂ですね。WaTの場合は、どちらも中途半端ですが、強いて言えば似合わない鬼太郎を演じているウエンツがいらないかもしれない。。。。
実は、「二人組で片方がいらないのではネタ」では、ホール&オーツを真っ先に書きかけたのですが、ジョン・オーツにも何かの役割があったような気がして控えたのですよね。
(ビートきよしにも、漫才における役割があったことを考えると---)。

でも、すごいネタを思いつきましたよ。

米米クラブにおける「石井竜也以外のメンバー」。
チェッカーズにおける「藤井フミヤ以外のメンバー」。
安全地帯における「玉置浩二以外のメンバー」。

ふふふ、これには勝てないでしょう。なにせ、人数で勝負です。
by アッシー映画男 (2008-05-03 20:10) 

アッシー映画男

To azm様、0.1tonの男様、
おお、やはり、オフコースには鈴木康博さんは不可欠、チャゲ&飛鳥にはチャゲが不可欠でしょうね。
このあたりは微妙な判断かもしれませんが。。。。
ご指摘のように「一人咲き」には、飛鳥の演歌調歌唱に加え、チャゲのねっとり後追いコーラスは必須かもしれません。
このあたりはジックリ詰めてみたいテーマですね!
by アッシー映画男 (2008-05-03 20:16) 

0.1tonの男

azm様、 アッシー映画男様。
ご反応頂き、誠にありがとうございます。
当方も自分で書いておきながら、チャゲや鈴木やっさんは「違うだろう」と思ってはおりましたので。
でも、世間からはそういう目で見られがち?かと思い、敢えて書いてみました。

アッシー映画男様、米米はカールスモーキー石井以外にも、コンサート中盤で神々しく?登場する、ジェームス小野田の存在を忘れてはいけません。でもファンじゃない人は、アッシー映画男様と殆ど同じ考えでしょうね?

ちなみに補足をさせて頂きますと、

サザンオールスターズにおける「桑田佳祐以外のメンバー」。
Mr.チルドレンにおける「桜井和寿以外のメンバー」。
ラルク・アン・シエルにおける「hyde以外のメンバー」。
ドラゴン・アッシュにおける「降谷建志以外のメンバー」。
ZARDにおける「坂井泉水以外のメンバー」。

なども同様かと思われます。
地雷、踏みまくりでしょうか? ふふふのふ。
by 0.1tonの男 (2008-05-03 21:28) 

アッシー映画男

To 0.1tonの男様、
そうそう、米米クラブは、ジェームスさんがおられましたねえ、あのお方を「いらない」括りに入れてはいけませんな、たしかに。
0.1tonの男様を驚かせるネタを考えていたのですが、どうも思い浮かびません。

「かぐや姫の山田パンダ」---いつの話だよ!?

「つんく以外の、シャ乱Qのメンバー」--しっくりきませんねえ。

「菊池桃子以外の、ラ・ムーのメンバー」--いい加減にせえよ、ですね。

このあたり、新たな視点で、どなたかにネタ提供いただくしかありませんねえ。
by アッシー映画男 (2008-05-04 00:48) 

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