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映画 「1408号室」、ありがちB級ホラー?いえいえ、これは奥が深いですぞ~~ [映画]

出張先の、鹿児島にて、レイトショーで拝見したホラー映画です。題名「1408号室」から、おおよそストーリーの察しはつくことでしょう。

観客はたったの4名--この人数が、映画の内容以上に怖いよ~。奇特なお客様の、観賞後の表情をみるに、うーーん、微妙~でした。たしかに、やり切れない不思議な気分になる作品です。

でも、ワタクシは気に入りました!ヒネリがきついかもしれないなあ?

1408号室 2008年米

1408-P.jpg出演 ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソンほか

これ、論じる映画ではなく、体感する映画、ですので、ぜひ、映画館で見てください。

ジョン・キューザックが「アイデンティティー」以来のやられっぷりで、ホラー系映画との相性の良さを示しています。短い登場ながら、映画の雰囲気を盛り上げてくれたサミュエル・L・ジャクソンも良し!です。

そして何より、エンディング。そうくるか!と、ちょっと嬉しくなりましたね。厳しく言えば「ありがちなB級ホラー」でしょうけど、それなりに上手く作られていて、個人的にはお勧め!です

ジョン・キューザック演じる主人公は、怪しげオカルト本で、口に糊する3流ライター。純文学を目指して挫折したり、娘の病死をきっかけに結婚生活も破綻した経験のある負け組男です。

「幽霊なんて存在しない」が口ぐせで、飯を食うために幽霊ホテルを宿泊取材する日々。もちろん、どのホテルでも幽霊など出ず、惰性でルーチン化した取材です。ところが、差出人不明の1枚のはがきの、”1408号室には入るな”という一文が、彼を、悪夢のどん底に突き落とします。

1408-1.jpg 

NYの某ホテルの1408号室。過去、56人の宿泊者が死んだいわくつきの”邪悪の部屋”です。支配人(サミュエル・L・ジャクソン)は言います、「あの部屋で、1時間もった人間はいない」。

オカルト本の絶好のネタとばかりに、宿泊を熱望する主人公。必死に止めようとするホテル支配人。二人のやりとりから、1408号室にまつわる過去の惨劇が明かされます。過去の宿泊者の死に方は多様です。窓から飛び降りた者、自分にナイフをつきたてた者、「スープで溺死」した者。。。

そう聞いて、ますます好奇心をかきたてられる主人公。根負けした支配人は、ついに1408号室の宿泊を許可します。

その部屋”1408号室”は、な~んの変哲もないホテルの一室。拍子抜けする主人公でしたが--

1408-4.jpg1408-3.jpg

と、突然、目ざまし時計から鳴り響くカーペンターズ「愛のプレリュード」。それを合図に、開始される凄まじいばかりの「部屋」の攻撃。驚かせ、怖がらせ、肉体的なダメージを加えるだけでなく、心の傷に塩を塗るような精神的拷問をしかけてきます。

1408号室を出ようとしても、ドアはびくとも開かず、窓の外も、換気ダクトも封じられ、ついに主人公は気づくのです、「死ぬまで、この部屋から逃がれることができない」と!

映画後半は、部屋の邪悪パワーがいよいよ全開。、ジェットコースタームービーさながらの先の読めない展開にハラハラです。熱いわ、寒いわ、崩れるわ、水があふれるわ--主人公はボロボロのサンドバック状態になります!

ここに至って、ホラーというよりアクション映画ぽいので、スティーブン・キングの「原作」の精神性を偏重する方々には不評でしょう。

でもね、この映像こそ、映画の醍醐味とも言えますよね!

で!

あとの興味は---ラストはどうなる?でしょう。

主人公は無事に部屋を脱出できるのか?それとも、”部屋に殺される”のか?

ワタクシだけかもしれませんが、ラストには、やられました!なにせ映画館を出てしばらくしてから「あっ!そうかあ!」と気づいたくらい(ただのバカか?)。

オチは明確に示さず、観る側の各自解釈にまかせるエンディングなのですが、伏線から判断すると、もうそれしかないだろう!って。

1408-2.jpg

ワタクシ、本作を取り上げたブログを、いくつかのぞいたのですが、「主人公はどうしてラストに〇〇なるのか?」という疑問が呈されているものがあり、良かった、ワタクシ以外にも、微妙に分かっていない人がいるのだ!とちょっと安心!

でもさあ、そこ分かってくれないと、頑張った脚本家や監督の苦労が報われません!

ひねりが微妙なエンディングも含め、十分に楽しめる映画だと思います!だまされたと思って(ほんとにだまされる?)、ぜひ、映画館に足を運んでみてくださいませ!!

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ふくずみ

アッシー映画様、
珍しく思わせぶりな記事ですね、本作、観ました。
アッシー様指摘されてますが、アクション映画っぽさがあります。
中盤からのガチャガチャ感はどう受け止めるかが悩ましいです?

ラストは、この手の映画にしては、分かりやすい部類だと思います。

by ふくずみ (2008-12-04 00:59) 

みその

おはようございます。さすがに札幌は寒いですよ。
1408号室、ジョン・キューザックが大大好きなので初日に観ました。
まず、ちょいポチャ中年男になったキュー様にプチ・ショック。スリムな美男はどこへ?映画の中身については、あ~こんなもん?ってくらいかな。アッシー様には申し訳ないけど。家族との回想シーンなんか、伏線張りまくりでベタじゃないですか?
部屋のデジタル時計が勝手に60分を表示してカウントダウンが始まるところは怖かったね。1時間でかたをつけるぞ、という敵の宣戦布告。
ラストシーン良かったです。死ぬまで出られないってホントだったんですね?っていうか、もう死んでるの?あれ、私間違ってます?
by みその (2008-12-04 07:53) 

アッシー映画男

To ふくずみ様、
この映画、たしかに中盤から、展開がガチャガチャしてきて、このあたりで評価が分かれそうですよね。
前半は、急に背後から何かが襲いかかってきたりで、ギャッ!ドキッ!とするので心臓に良くないです。それに比べて、後半はどっかんどっかんと即物的な事件が起きるので心臓にはやさしい(?)ですね。
ラストは、おお、分かりやすいですか。
ワタクシはちょい勘違いしちゃいましたけど。。。


by アッシー映画男 (2008-12-06 08:12) 

アッシー映画男

To みその小姐、
ははは、チョイポチャ中年男、って表現は最高です!
映画始まってすぐに思ったのは「ジョン・キューザックも歳とったなあ」ってことでしたね。その20分後に思ったのは「サミュエル・L・ジャクソンは変わらないなあ」。
ってことで、第1ラウンドは、アンチ・エイジングなサミュエル爺に軍配!って、そこを観る映画かよ!?

んで、ラストシーン。
--おいおいおいっ!!みその小姐!もろネタバレじゃん、そこまで書いてどうするんじゃ!

もうヤケクソで書いちゃうけど、主人公は、助かっていませんね。あの部屋に閉じ込められたままなんですね。
伏線として、一度、部屋を出た、とヌカ喜びしたシーンありましたよね。ところが郵便局で突然風景が変わって、彼は、またあの「部屋」に逆戻り。
それがあるから、ラストで主人公は、「まだ自分が部屋にいるのではないか」と思っている。そしてあのテープからの声。
あの声が、非現実の1408号室と、主人公をつなぐ「道」になっているわけですね。だってそうですよね。部屋を抜け出た主人公が、1408号室の事件を新聞のマイクロフィルムで観ると、あの部屋で死んだはずの人々が別の場所で死んでいることになっている。
つまり、あの部屋の死の伝説そのものが消えてるわけです。
ところがテープに残っているあの声は、「邪悪の部屋」の実在を表しているわけで(ご丁寧に、主人公以外の人にも、そのテープからの声が聞こえることをアピールしている)。
つまり、生死は別として、主人公は永遠に1408号室の呪縛から逃れることはできない、というラストですね。
そうするとサミュエル・L・ジャクソンの存在。そして、主人公へのはがきは誰が書いたのか?ということで、ますます想像は膨らみますね。

深読みの尽きない(もう尽きた?)作品でありましたね。
by アッシー映画男 (2008-12-06 08:26) 

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