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映画 「K-20 怪人二十面相・伝」、主演は金城さんというより--- [映画]

師走も出張続きで(言い訳?)、職場の書類整理が出来ないまま、08年が終わります。ああ反省。。。

反省は続きます。「映画館で年間100本を観る」というワタクシの目標ですが、今年(08年)は到底その数まで及ばず。現時点で85本だもんな~。調べてみると、05年の年間150本が自己ベストで、その後、数が減るばかり---こんなていたらくでは、”映画男”も名乗れません。

来年は頑張って、もっと沢山、映画を観るぞ~!

さて、本格”活劇”「K-20 怪人二十面相・伝」であります、楽しかったですよ!

ハーハハッハ~(二十面相の高笑いのマネ)。

K-20 怪人二十面相・伝 2008年日本

出演 金城武、仲村トオル、松たか子、國村隼、鹿賀丈史、高島礼子、本郷奏多、益岡徹ほか

K20ポスター.jpg第二次大戦がなかった仮想日本の首都”帝都”。そこは、富の大半を”華族”が独占し、市民は貧しさにあえぐ格差社会です。そんな中、富裕層の美術品や宝石を盗む”怪人二十面相”(K-20)が世間を騒がせます。

サーカスの曲芸師、遠藤平吉(金城武)は、記者を名乗る男から、K-20の宿敵である名探偵智小五郎(仲村トオル)と財閥令嬢 羽柴葉子(松たか子)の結納写真を密かに撮影してほしいと持ちかけられます。高報酬にひかれ結納会場に潜入するものの、K-20と間違われ、あっけなく逮捕。

罠にはめられた!と気づいた平吉は、仲間たち(國村隼ほか)の協力を得て脱走。真犯人K-20を捕まえ、身の潔白を証明しようと奔走が始まります。羽柴葉子、明智小五郎の知遇を得て、平吉はK-20との対決に向かうのでした。チャンチャン。

やはり見どころは主演の金城武さんですね。カッコよいんだな!濡れ衣を着せられた貧しい曲芸師が、技を身につけ、苦難を乗り越える”過程”が素敵なんです。世をすねていた平吉が、まっすぐに現実を見つめるようになり、表情にも決意と自信がみなぎる。ベタな成長物語ですが、金城さんに合っていますね~。ラストシーンなど、「ダークナイト」を連想してしまいましたよ。

金城さんの良さは、シリアスな中に、ユーモアを表現できること。「死神の精度」や「レッド・クリフ」でも証明済みですが、日本の男優に、このキャラって少ないと思いませんか?

と金城さんを褒めといて恐縮ですが、一番食いついた役者さんは実は彼ではない!平吉のよき理解者で、技術面で彼をサポートするからくり職人、源治を演じる國村隼さんです。彼の存在感(と貢献度)は尋常じゃないです!

國村さん.jpgほら~、スパイ大作戦(古いなー)とか「オーシャンズ・シリーズ」で、実働メンバー(主役)には優秀な技術屋が必ずついてますよね。「技術の事なら俺にまかせとけって!」みたいな。今回の國村隼さんがその役どころなんです。平吉がスパーダーマンよろしく、ビルからビルへ飛びまわるのも、源治の作ったマシンのおかげ。本作のクライマックス、平吉 VS K-20の対決シーンでも、源治は大活躍だし、ある意味、主役は國村さんなのか?(---んなわけないか)

しつこくなりますが、「一徹な職人」でありながら「父親のような包容力」を体現させたら、國村隼さんの右に出る役者はいない(断定!)。コワモテで硬派なたたずまい。そこに垣間見える優しさ。TVドラマ「あんどーなつ」の菓子職人、「交渉人 真下正義」の地下鉄運行責任者、登場すれば、どの役でも素晴らしく、光石研さんと並んで大好きな俳優さんです。

「K-20」の話に戻りましょう。もうひとつの重要な役=明智小五郎の仲村トオル---こいつが、相変わらずの能面演技でしてね、観ているこちらが恥ずかしくなるほど芝居が下手だけど、ま、”金城さんの引き立て役”と割り切りましょう。

松たか子さんが演じるのは、世間知らずのご令嬢で、平吉との冒険で”自分”に目覚める葉子。話は違いますがマンガ「明日のジョー」のご令嬢も名が”葉子”--って、どうでもいいね。K-20の葉子役は、松さんよりは、もちょっと「若手女優」を配してほしかったけど、彼女の舞台っぽい語り口やオーバーアクションが映画(の役)に合ってて良かった。

K202.jpg

「誰が二十面相なのか?」が肝ゆえ、ストーリーに突っ込みは入れません。が、一筋縄でいかないヒネリがあって意外に(?)楽しめました。二十面相の変装ネタ、卓越した身体能力もうまく活かされてて満足ではあります。それにしても、ゴムのお面で本人そっくりに化ける変装術---ありえないんよ。ゴム面じゃあ「犬神家の一族」のスケキヨさんみたいになるだろう?って、そこは、この手の映画のご愛敬ですね。

映画の尺(時間)はちょっと長いかなあ?街の貧困風景、軍の施設など「雰囲気」を出すのに必要と考えたんでしょうけど、思いきって刈り込めば、全体にテンポが出て、もっともっと観客をスクリーンに引き込めたと思います。ないものねだりかもしれませんが。。。

K203.jpg

そうだ、一部キャストには大いに難ありですぞ!

源治(國村隼)の女房役、高島礼子はないでしょ?長屋のおばちゃんなんですけど?「場違いなべっぴん」という設定でも完全に浮いてます。脚本の狙いとしての「浮き方」ではなく、これ単なる配役ミスでしょ。

さらに酷いのは、少年探偵団の小林少年本郷奏多って子が演じているのですが、なんですか、あれ?明智(仲村トオル)との会話シーンときたら、学芸会かあ?ってツッコミたくなる「セリフ棒読み合戦」です。ぎゃふん!落ち着きのなさも素人っぽくってNG。K-20が狙う絵画”バベルの塔”を観てニヤッとするシーンのイヤーな感じはなんだ?(で、この表情が伏線でもなんでもない。意味不明だよ!!)

日テレからの干渉(?)でキャスティングが制約されたのかもしれないけど、映画のテンションを下げる脇役は勘弁してほしい。小林少年役は、素直に、神木隆之介クンか、小池徹平クンを持ってきてほしかった---あれ、小池さんって、少年じゃないか、とほほほ。

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みその

アッシー映画男様、お昼休みの職場からコメント書き込みます。
わが職場ですが、案の定、本日から休暇にはいった奴らが10名ほどおります。それは良いのですが、明日の午後、弊社は会議室で納会(飲み会)で、その準備&片づけは、すべてワレラ女性の役割と決まってます。つまりワレラは最終日は休むわけにいかないのです。
どぉ?これ「K-20 怪人二十面相・伝」の帝都も真っ青な超格差社会でしょう。
野郎どもは飲んで騒ぐだけ、で酒が足りないだの、つまみにセンスがないだの・・・・お前ら、ホント許さんぞお、キイイイ~~(怒)。
ぜひ怪人二十面相に、ヤツらのボーナスをかっさらって、ワレラに分配してほしいものじゃ。

あっ、映画の話ね、そうですそうです、アッシー様の記事どおり金城武さんって、【】いいですよねぇぇぇ(←カッコいい、と打ったらこう変換、もう面倒なの、そのまま)。
ラヴ、たけし!・・・・・って叫んだら鹿賀丈史が出てきたりしてね。アハハハアハ。
私も國村隼さんの大ファン。渋いすよね、あのギョロ目で睨まれたら、男性は震えあがるでしょう。竹内力と対等に戦えるのはもはや國村さんしかいないねっ・・・・んて、Vシネマかい!
ところで来年は私も自分のブログを始めようか?と一瞬思ったけど・・・書くことないし。アッシー様ブログにちょっかい出せば、愉快な「尺の長い」コメントバックくるし、それで満足しちゃお。じゃ、ハッピニューイヤ。
by みその (2008-12-29 12:55) 

博多ちわわ

アッシー様、年末もお忙しいご様子ですね。
私も一日延ばしで手をつけていなかった仕事の締切が(当然ですが)、年末にいっきに襲ってきて、しばらく映画にも行けませんでした。やっと落ち着いたので「ワールド・オブ・ライズ」か、「ミラーズ」を観ようと狙っていましたが、アッシー様ブログを拝見し、「K-20」も面白そうだな、と。
金城武のカッコよさと、高島礼子が役にはまっていない様子を、しっかり確認して、またコメントさせていただきます。
08年は、私の好き勝手なコメントに丁寧なご返事、いつもありがとうございました。お会いしたこともないのに、友人気分でつい失礼なコメントをおおくりしすいませんでした、09年もどうかよろしくお願いいたします。
by 博多ちわわ (2008-12-29 23:59) 

アッシー映画男

To みその小姐、コメントありがとうございます~。
あははは、相変わらず、ボケとツッコミが冴えていますね~。さすがです。

「年末の納会を女子社員に押し付ける職場」の問題ですが、指南役のワタクシに言わせますと、これはですね、男性社員は、積極的な悪意で「押し付けている」というより、過去からの慣習になっているので「見て見ぬふり」を決め込んでいるもの、と察せられます。

そこで、みそのさんを苦しめる、この状況を改善する方法を考えました。それは

① 男性社員の若手を、納会準備メンバーに巻き込む。
② 男性社員の「一番えらい立場の人」に納会1か月前から準備について「相談」を持ちかける

ことです。いずれも「男性社員の意識づけ」が目的ですが、①と②は押さえどころが違うのです。

まず①ですが、もちろん「奴隷確保」という即物的な理由がメインですが、その他に”今後は男性社員の若手も、準備・後片付けに参加するようにしましょう”というレールを作るためです。
最初から好意的に手伝ってくれると思わず、何度もアタックしましょう。動かないようなら”餌”を用意するのもいいでしょう。たとえば「余ったビールは、手伝ってくれた男性が持ち帰って良い」とか、彼がカッコいいなら「幹事で別の飲み会やろう」と誘うとか。。。
男性など、女性に比べれば単純なものですよ。
理屈や強制力よりも、ちょっとした工夫ですぐに動くものなのです。「ぜひ○○さんの意見が欲しい」と巻き込むのも良い作戦でしょう!とにかく「力づく」で男性を動かすのは反発されるだけでNGですので、そのことをお忘れなく!

次に②ですが、戦国時代ではありませんが、「雑魚(ざこ)を狙うより、一気に本丸(=敵の大将)を落とせ」ということです。
相談しやすい優しい中間管理職に愚痴ったところで、状況は変わりません。落とすなら社長!飲み会が事業部単位なら事業部長!だ。
ただし、ここでも注意が必要です。
男性というのは、女性の愚痴や泣きごとを反射的に拒否する生き物です。したがって、のっけから「愚痴る」のは厳禁です。
ではどうするか?社長に、「納会への女子たちの前向きな取り組み姿勢」をまずアピールするのです。
このことによって、社長なり、事業部長の中に、「納会」をめんどくさいものではなく、ポジティブにとらえる気持ちが芽生えるはずです。
たとえば、「社長。年末の納会ですが、札幌駅前の大丸のオードブルなんてどうでしょう?」とか、「去年はビールとウイスキーだったけど、ワインも加えたいけどどうでしょう?」とか。
自分に面倒が降り注がない「他人事」の相談を受けたときほど、男性社員はイキイキしちゃうものです。
そうして持ち上げおいて、頃合いを見計らって「女子だけでは、十分な準備ができないので、男性にも手伝ってもらえるとありがたいのですが」などと”謙虚”に要求を述べるわけです。
(こうした「仕込み」が必要なので、納会1週間前ではなく、行動は1ヵ月前から始めねばならないのです)

あとは結果がすべて、だと思いますが、実は①②の効果は、もうひとつあります。
みそのさんが嫌だと思っている「納会」ですが、上記の行動により、みそのさん自身の中に前向きに取り組む気持ちが生まれるはずです。

「不公平感は、驚くほど、人間のモチベーションを下げる」という言葉がありますが、「女子だけが面倒を押し付けられている」という不公平感が改善されれば、女子たちも楽しく(はないけど)、前向きに納会準備ができるようになりますよ。
これ以上書くと(すでに十分書いたけど)、説教臭くなるのでやめておきましょう。

みそのさんの言い回しのパクリですが「あっ、映画の話ね」。
國村隼さんネタ、いまいちポピュラーじゃないので、國村さんの写真を記事に張り付けてみました。これで、みそのさんやワタクシのようなファンでなくても、「あ、あの人か!」と判るようになるでしょう。

良いお年を!09年は彼氏ができると良いね(もういたっけ?)。では!
by アッシー映画男 (2008-12-30 08:44) 

みその

アッシー様!ありがとっこざいますっ!
記事とは関係ない、私のプライベート愚痴に、長い親切なアドバイス、大大大感謝ぁぁぁです。就業時間中ですが嬉しくて書き込みしちゃいます。

職場の女子たちにも、アッシー様のコメント見せちゃいました!「すんごい頭のいい友達がいるんだね」ってほめられたよ(意外に思われた?)、いまの私は鼻高々のピノキオ状態(笑)。

アッシー様、ほんとにすごいネ。これを、すらすら書いちゃったんですか?お仕事はコンサルタントとか子供相談室ですか?

すんごく役に立ちました。不公平を嘆いているとモチベーションが下がっちゃうんですね、年末に勉強になりました。今日は11時から職場の大掃除で、12時から納会です。
前向きに頑張りますね!どうもありがとう!彼氏の話は内緒です(笑)。
by みその (2008-12-30 10:21) 

博多ちわわ

アッシー様のみその様へのアドバイス、見事です。驚きました。体験談ですか?
K-20を本日観てきました。仲村トオルと、高島礼子、小林少年が出るたびに、アッシー様の記事を思い出して笑いそうになりました。この3人はたしかに酷いですね。それに比べ、國村準は期待以上に良かったです。

テスラの放電装置とは着想が面白かった。ヒュー・ジャックマンと、クリスチャン・ベールの出てた手品師の映画でも、同じネタがありましたよね?

突っ込みではないのですが、アッシー様の記事で俳優名に「さん」がついてるか、いないかで、アッシー様の気持ちが分かります。
國村準さん、だけど、仲村トオル、は呼び捨てですね?分かりますよ、そのお気持ち。
by 博多ちわわ (2008-12-30 18:52) 

アッシー映画男

To 博多ちわわ様、コメントありがとうございます。あけましておめでとうございます。
す、鋭い!名前に「さん付け」があるかどうかで、気持ちを読まれてしまいましたか。おおーー。
ワタクシ、育ちがいいもので(??)、名前の呼び捨てはどうも苦手でしてね~、敬意を表する相手には、俳優といえども、さん付けしちゃうようですね、自分ではあまり意識していませんでしたが。
小林少年、怪しかったでしょう?「まさか、こいつが二十面相?」と思っちゃいますよね?(ワタクシだけでしょうか?)
by アッシー映画男 (2009-01-02 08:46) 

アッシー映画男

To みその小姐、どーもー、また楽しいコメントお待ちしていますね。
良い一年になりますよう(って、年賀状かよ?)。
by アッシー映画男 (2009-01-02 08:48) 

亮

あけましておめでとうございます。

新年のあいさつが遅くなりまして申し訳ありません。
私もこの映画を見ました!
意外に面白くて、今年初めての映画としてふさわしいできでしたよ。
特に、子どもときに、怪人二十面相を読んでいた私にとっては、自分のイメージの世界と非常に近くて驚きでした。

それでは、今年もよろしくお願いします。
by (2009-01-08 04:48) 

アッシー映画男

To 亮様、
こちらこそ、本年もよろしくお願いいたします!
いやあ、この映画は、予想外に面白かったですよね~、ワタクシも少年時代(おぁ、35年以上前だ)には、怪人二十面相シリーズをおおいに楽しんでいました。
少年探偵団シリーズで、二十面相が、途中で「怪人四十面相」に、ステップアップしたのは子供心に仰天しました(次は、八十面相かあ?みたいな)。
「黄金仮面」とか「電人M」って、いいかげんにせえよってくらいのテイストでしたねえ。なにかというと、最後にはアドバルーン(気球)で逃げている怪人。。。それを予想して手を打てない明智って??

亮様のコメントどおり、あの小説の「時代感」が映画でもしっかり活きていて本当にうれしかったです!!では!!
by アッシー映画男 (2009-01-08 23:43) 

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