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映画 「チェ 28歳の革命」&「チェ 39歳 別れの手紙」、1月はベニチオさんと熱く盛りあがろう! [映画]

風邪菌が胃腸に入り、年始から〇痢で苦戦しておりました、うぐぐ。。。幸先悪い09年にトホホです。皆さまも、風邪やインフルエンザに気をつけてくださいませ。

本日は、キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラの伝記映画2部作を紹介します。1月10日公開「チェ 28歳の革命」、31日公開「チェ 39歳別れの手紙」の2本。これは凄いぞ~(っていうか、重いぞ?)。

主演はオスカー俳優ベニチオ・デル・トロさん。本作で、見事、2008年カンヌ映画祭主演男優賞を獲得!納得の熱演でございます!

「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳 別れの手紙」 2008年米

出演 ベニチオ・デル・トロ、 監督 ステーヴィン・ソダーバーグ

チェジャパンプレミア2.jpgワタクシ、昨年12月17日に六本木ヒルズで開催されたジャパン・プレミア試写会2本まとめて観たのでございます。もちろん「ただ」で。ラッキー!!

左写真はその時の様子。主演ベニチオ・デル・トロさん(左から2番目)、監督スティーヴン・ソダーバーグさん(左から3番目)が舞台挨拶に登場しました!おお!!

生のベニチオ・デル・トロさんは、がっちりした体躯&大きなお顔(でかい!)から、セクシー光線をむんむん発散し、カッコ良かったですぜぇ。

ちなみに日本人ゲストはアントニオ猪木さん。舞台に現れるなり「元気ですかーー!」のハイテンションに、観客席は引き気味。あまりにインチキくさくって、ワタクシ”猪木のモノマネ芸人”と勘違いしたくらい(猪木さん、スイマセン~)。締めは「1、2、3、--ダーー!」をもじった「1、2、3--チェーー!」の強引唱和。って、ここは、後楽園ホールかよ!?

さて、本題のチェ2部作です。

ソダーバーグ監督ゆえ「トラフィック」の渋いノリを予想し、結果、当たらずとも遠からず。娯楽作品を期待するとキツイかもしれません。

ドキュメンタリータッチなのに、説明がひじょうに少ないのです

当時のキューバ情勢、米国との確執、チェの生い立ち、カストロとの関係、なぜ革命?なぜゲリラ戦?といった説明が極少ゆえ、観客は、行間から読みとらねばなりません

チェ28歳2.jpg映画が分かりづらい理由は、徹底して「チェの視点」で語られていることもありましょう。

チェ以外の登場人物は、添えものあつかいで、主演ベニチオさんの「一人舞台」史実のお勉強部分がなく、ずばり、チェ・ゲバラの生きざま(栄光と苦悩)に焦点が絞られています。

題材は歴史的事実でもパーソナルな映画といえましょう。そうした作り手の「狙い」を理解し、多少の「予習」をして臨めば、映画の(というよりチェ・ゲバラの)凄さが分かり、スッキリ、となりましょう。

ところで、歴史上の人物の映画化って、キレイごとばっかで、「ホントにこんなに『良い人』なの?めちゃイヤなヤツだったんじゃないの?」って気持ちになりませんか?本作も然り、あまりにもチェが素晴らしい人間に描かれてて、映画前半はしらけ気味だったのですが、2作を観終えて、彼の志(こころざし)と清廉さに「こんな人物が、世界にいても良いはずだ。いや、いてほしい!」と、すっかり”憧れ”気分が高まっていたワタクシ。

その上、自分はこれで良いのか?今の社会はこれで良いのか?!と反省、大袈裟にいえばMY革命をしちゃいましたぁ、おお、09年は革命元年か!

1部目「チェ 28歳の革命」。革命家チェの誕生から、キューバ革命成功までの栄光が描かれます。理想に燃えるアルゼンチン青年が、貧困農民たちと接し、革命軍を束ねる中でカリスマ性を身につける様が圧巻。革命のアイコンとなっても、質素を旨とし、初志を失わないチェの大きすぎる「人間力」にクラクラしましたぁ。

チェ28歳0.jpg

ハイライトは新生キューバ代表として国連で行ったスピーチ・シーン。革命に否定的な他国との質疑応答(応酬)から飛び出すチェの熱さと天才的な話術!「ザ・革命家」の面目躍如、おお、めちゃカッコええわあ。

主演ベニチオ・デル・トロの、外見モノマネではない内からあふれだす骨太の演技は、文句なしに素晴らしい。ちょっとばかり『賞狙い』空気が漂ってますが、ま、賞は結果、ですからネ。

2部作目「チェ 39歳 別れの手紙は、一転、チェの挫折を描きます。キューバにいれば英雄として安泰のチェが、世界人民を救うべく、新たな革命の地ボリビアでゲリラ戦を展開します。ところがキューバ革命のように上手くはいかず、ボリビア政府軍に捕えられたチェは、処刑されてしまうのです。

チェ39歳0.jpg

2作には流れがあるので、本日(1/10)公開の1部目から観賞を推奨します!

ところで、チェ・ゲバラって誰?と疑問の方も多いでしょう。ゲバゲバ90分か?って---おいおい、何十年前のボケだよ!?

チェ・ゲバラは”カストロと59年のキューバ革命を実現した立役者”と認識くださいませ、その「予備知識」は必要ですね。

キューバ革命についてのWikipediaの記事→ここをクリック

さらに、映画を楽しむため、僭越ながら、以下、補足します。 

チェ革命戦争回顧録.jpg1950年代のキューバは北米寄りの政府により、農民・市民は搾取され、役人や富裕層が富をむさぼる社会でした(本当の所は分かりませんが、チェたちはそう考えていた)。カストロとチェ・ゲバラは、「民の国」を作るため、武装革命を決意、山岳地帯に潜伏して、政府に対し”ゲリラ戦”を展開するのです。

チェたち”憂国の士”は、最初、たった数十名の若者でした。彼らが苦難を乗り越え、高い志をかかげ(民を傷つけない、騙さない、奪わない)、次第にキューバ国民の共感を受け、大きな革命のうねりを作るわけです。山を制し、次第に都市部へ---。

チェ・ゲバラは、キャラが魅力的です。もともと医者で、後に著述家となり、優秀な論客という「超インテリ」です。楽な人生はいくらでもあったはずなのに、人生を「世界革命」の理想に捧げ、終世、現場主義(闘争)を引率しました。

こんな”熱い男”が20世紀に実在したことを知るだけでも、本2部作を見る価値は十分です!

映画好きの皆様、1月は一緒に”チェ”で熱く盛り上がりましょう!

1、2、3、チェーーーー!!!!(結局、アントニオ猪木かよ?)

最後にYouTubeの映画予告編をどうぞ!

 

余談ですが、チェの青年時代を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」も良い映画ですよ~。若き日のチェのバイク旅。そこに彼の原点がある!革命家云々は別としても、青春映画として楽しめます。

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博多ちわわ

アッシー様、チェ・ゲバラ2部作の記事がついに出ましたか。お待ちしていました。
ジャパン・プレミアで、主演俳優や監督まで観るとは、東京は良いですねえ。博多は洋画に関しては、そうしたチャンスは皆無で、うらやましい。

私は2作とも観る気まんまんですが、職場や友人と話をしている限り、自称映画好きの人たちでも、本2部作への関心は低めです。
世界的に有名なチェも、日本での認知度は低いようです。
とにかく、この3連休中に「28歳の革命」は観るつもりですので、またコメントします。

風邪はこじらせると大変ですよ。ご自愛ください。
by 博多ちわわ (2009-01-10 13:32) 

まいまいこ

ベニチオ・デル・トロが道端ジェシカの腰に手を回してる時の
怪しい表情に目がとまり、思わず一発目からコメ!

ドキュメンタリーなのに説明が少ないって
私が観にいったらまったく分からないかも・・・
それだけ難しい映画なのかな。

昨年久々に地元に帰省し幹事を務めた忘年会で、
見た目ギャルなのにお堅い企業に勤めてるなんて!と
驚かれた私でも観ても分かるかしら・・・;p;(笑)

猪木の掛け声ってドン引きするんですね(そこかよ!)
私だったら一緒になってノリノリですよ!
アッシーさんそこは乗らなきゃですよーーーーー★

って相変わらず話が脱線しまくりなこんな私ですが
今年もどうぞヨロシクでチョリーっす♪

by まいまいこ (2009-01-10 18:10) 

門前トラビス

長身でハーフ顔美人の道端ジェシカですが、他の濃い3人の前に影が薄くなっている、ということでしょうか・・・切ない。
道端ジェシカさん、アルゼンチン生まれなのですね、そのつながりでジャパン・プレミアに登場ですな(チェ・ゲバラもアルゼンチン人ですから)。

この映画、予告篇からほとんど何も分からん、というのが微妙でしょう。
果たして日本でヒットするか!?ちょいと楽しみでありますね。
ベニチオ・デル・トロって、赤井英和に似ているので、日本人にとって違和感はないと思うのですが?
by 門前トラビス (2009-01-11 00:41) 

アッシー映画男

To 博多ちわわ様、おお、やはりチェ2部作を狙っていましたか。是非とも映画を見てコメントをくださいませ。楽しみにしております。
日本では受けそうにないのは分かりますねえ~。キューバ危機の頃を扱うと違うのかもしれませんがね。。。
by アッシー映画男 (2009-01-12 00:20) 

アッシー映画男

To まいまいこ様、
そうなんです~、プレミア試写会のベニチオさん、舞台挨拶もいまいち気持ちが入っておらず、「しかたなくやってます」空気が出ていましたが、道端ジェシカを見る目はエロかったですよお。
昨年は、「ダークナイト」など数回、プレミア試写会で俳優さんを観ましたが、いつも思うのですが、舞台挨拶の司会者って、質問内容が悪すぎます!
もっと気の利いた質問は出来ないのか?といつも腹立たしく思いますねえ。まあ、あまりにマニアックな質問もできないでしょうけど。
「チェ」2部作においては、猪木の掛け声とあいまって、実に渋い気分の舞台挨拶でしたねえ。

おっと、この映画、それほど「難しくはない」のですよ。ただ、史実を予習していったほうが「余計な悩みをしなくて良い」という意味です。
不肖ワタクシのブログ記事の内容さえ理解していけば、十分に楽しめると思います。

おお、見た目ギャルで、お固い企業、というのはナイスまいまいこ様!
サラリーマンたるもの、ちょっと浮いているくらいが「個性」ですから、どうか頑張ってくださいませ!
ちなみに、ワタクシの職場、定番のスーツ&ネクタイで働いている人たちの中で、ワタクシだけ綿パンにカジュアルシャツもちろんノーネクタイ。。。だって、その方が働きやすいんだもん!!

また楽しいコメントお待ちしていますね!!
by アッシー映画男 (2009-01-12 00:32) 

Yakoha

こんにちは。(あけまして~と言うには遅くなったのですが今年もよろしくお願いします。)
これ、予告編で気になっていたのですが今かなり話題ですよね。でも・・・個人的にはちょっと微妙かな?ベニチオ・デル・トロの好き嫌いがあるかもしれない・・・。
by Yakoha (2009-01-12 02:56) 

博多ちわわ

アッシー様、昨日、観てまいりました、「チェ28歳の革命」。
凄かった。感動しました。チェ・ザ・グレート、ですね。
ラストシーンで、金持ち連中から奪った高級車で乗り舞い上がる兵士たちに向かって、チェがどなりつける姿は良かったですね。彼の精神が表れていましたね。
革命を成功させ、勝てば官軍とばかり、何をしても良い環境なのに、無益な殺生を避け、礼儀と礼節を重んじ、「奪うべからず」の精神をまっとうするチェ・・・・いいラストでした。続編(2部)への期待が高まります。

こうした映画を撮ろうと思った関係映画人の「熱さ」に敬意を表したくなりました。アメリカにとっては「敵」でもあるキューバの英雄伝説を、アメリカ人が映画化するという・・・・国の垣根をこえた素晴らしい作品だと思います。

ただ、アッシー様の記事にもありましたように、チェ・ゲバラが「良い人に描かれすぎていて」、逆に胡散臭い感じも。(政治的な意味はないと思いますが)。それとベニチオ・デル・トロが苦手な方には難しいかもしれませんね。100%ベニチオ!って映画ですからねえ。
by 博多ちわわ (2009-01-12 14:26) 

アッシー映画男

To Yokoha様、コメントどうもありがとうございました~。
ダジャレではないですが、ベニチオ・デル・トロの、あの「トロ~」としたタレ目がいけないかもしれませんねえ。
映画のほうも、今回の「チェ」2作は、娯楽映画の「起承転結」、映画的なまとまり、はありません(リアル追及ゆえ、あえてそうしているようです)。したがって、ブログ的にはかなり”いじりづらい”作品でした。--って苦労話をしてどうする!と自分に突っ込んでしまいました。
またのコメントをお待ちしておりま~す。

by アッシー映画男 (2009-01-14 00:24) 

アッシー映画男

To 博多ちわわ様、
こんばんは~。おぉ、「28歳の革命」を観られたのですね!
そういえば、アメリカがこの作品を撮った、ということ自体にちょっと感動がありますね。1950年の両国の確執は、今となっては時効、ということでしょうか。
しかし、チェ、すごい人ですなあ。映画を鵜のみにはできませんが、アトラクティブ、というか、人を惹きつける魅力があった人物には違いないでしょうね。
ベニチオ・デル・トロも素晴らしい役に恵まれ、役者冥利に尽きます!次が辛いぞ~。

ところで、この映画に、マット・デイモンが出ていますよね?
あれ?似ているな?と思って、エンドロールしっかり見ていたら、やっぱりマット君でした。もろカメオ出演って感じですけど、少々、意外な役でしたねぇ。
by アッシー映画男 (2009-01-14 00:31) 

コッスン

ゲバラとベニシオさんが似てないので
なかなか入り込めませんでしたが
39歳もみます
by コッスン (2009-01-30 22:03) 

アッシー映画男

To コッスン様、おお、鋭い。俳優のベニチオさんより、本物のゲバラのほうが「イケメン」だというのが、なんとも凄いです。
ゲバラがTシャツになったのも、革命の象徴であること以上に、カッコいいから--ですよねえ。
今、受けるとしたら、福田元総理、阿倍元総理の2名の顔を並べてプリントしたTシャツでしょうか・・・・そのココロは、「嫌なことがあったら、僕はいつでも逃げます」。

話がそれましたが、「チェ 39歳別れの手紙」の感想もぜひお願いします(こちらは、28歳と違って暗いですが。。。)。
by アッシー映画男 (2009-01-31 12:55) 

コッスン

アッシーさん
まず、これ見ました。フェイクシティは今週中には見ます。
えー、館内、結構加齢臭でした。
マンマミーアが40,50,60代女性ターゲットとしたら(R40)
こっちはオジサン多かったです。
そして、最初のハゲのじいさんがゲバラとは全く気がつかず見てました。
なんか、腑に落ちないなーとか思いつつ見てました。
理想を現実にするのは難しいですね。
まして、外国でその国の指導者がいない状態でゲバラが頑張っても
難しいですね。。。
キューバの時のカストロに当たるような
ボリビアの誰かがいれば、違ったかもしれませんねー。
南無ーー


by コッスン (2009-02-19 22:33) 

アッシー映画男

To コッスン様、コメントありがとうございます。
「チェ」シリーズですが、劇場内がカレー臭じゃなく、加齢臭というのはなんとなく分かりますね!
観客層で考えると、若者=NG、女性=NG、となり差し引きは必然的に「オヤジ」ということにならざるを得ませんね。少なくとも、日本では、微妙な存在のゲバラさんってことですねえ。
理想を現実にする難しさもコッスン様のコメント、まさしくそのとおりです。志は高くても、チェの思う理想に世界はまだまだついていかないのでしょうねえ。
大臣が風薬の飲みすぎだかで(ただの酒の飲み過ぎと思うが)、ろれつが回らない会見をしてしまう程度の低い国もあるわけで。革命が必要なようです。
by アッシー映画男 (2009-02-22 16:19) 

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