映画 2011年の期待のリメイク映画はこれ!「ロシアン・ルーレット」であります。 [映画]
映画サイトをチェックして、つくづく思いますが、最近のハリウッド映画ときたら、昔の映画のリメイク、TVシリーズの映画版、有名コミックスの映画化、ヒット作の続編、が実に多いですね。ゼロから映画を生み出す労力よりも、ヒットしたオリジナル作品をベースにすれば、楽ちんで集客も気込めるでしょ?みたいな安易さを感じます。
作戦は否定はしませんが、オリジナル作品を使うなら「どこを活かし」「どこを変えるか」、しっかり方針を絞って製作着手してほしいです。思想ゼロの焼き直しもつまらないけど、当ブログで紹介した「グリーン・ホーネット」(2010年)のように、グダグダコメディへのアレンジなど、オリジナルへの冒涜とも言えます。リメイク映画では、さんざんな思いをしてきたワタクシ、どうも評価が辛くなるのです。
20代、30代の映画ファンは「オリジナルを知らず」色メガネ無しに新作を楽しめちゃうでしょうから、むしろ羨ましいなあ・・・ああ、オヤジはいやだねえ(自分のことです)。
とはいえ、今後、公開(予定)のリメイク映画にもワタクシの大注目作はあります。当然ですが、リメイク版はまだ観ておりません。つまり「面白い」かどうかは保証の限りではありませんので、その点はご容赦を・・・。
「完成するのか?」と不安なのはオードリー・ヘップバーンの代表作「マイ・フェア・レディ」のリメイク計画。主役イライザ役に実力派キャリー・マリガンさんが決定したのは2年前。問題はヒギンズ教授役で、当初、ヒュー・グラントさんの名前が挙がっていました。しかし交渉難航したのでしょうか、いつまでも決定しないまま、ここにきて、「英国王のスピーチ」効果?か、なんと、コリン・ファースさんが急浮上。映画「ブリジット・ジョーンズの日記」のようなカケヒキ展開だ。こうなったらイライザ役も、レニー・ゼルヴィガーさんで良いんちゃうかあ?(年齢的に無理あるか・・・)
さて、今日の本題です。2005年のフランス映画「ザメッティ」(日本で2007年公開)を、ハリウッド・リメイクした原題「13」(←オリジナル映画の題名まま)、邦題「ロシアン・ルーレット」という作品であります。これが楽しみなんですねえ~~。
ロシアン・ルーレット 2011年米
監督 ゲラ・バブルアニ 出演 サム・ライリー、ジェイソン・ステイサム、ミッキー・ローク、ほか
オリジナル映画「ザメッティ」は、モノクロのインディース作品(自主映画)でした。公開当時は、アングラ的な扱いで限定上映ですが、公開したとたん、ハリウッドからリメイク申し込みが殺到した(らしい)スゴイ映画なんです。ワタクシは札幌のシアターキノという、小じんまりした劇場で拝見しました。
画面は60年代のヌーベルバーグ作品のような、ザラッと木綿の感触。淡々とした語り口ながら、主人公が巻き込まれる悪夢のような”殺し合い”への盛り上がり、脳天がキーンとなる緊張感。そして「オチ」のほろ苦さ・・・メジャー映画にはなかった良い意味の「手作り感」が堪らない名作であります。
(結局は、オリジナルの「ザメッティ」を褒めちゃう記事になっちゃいますね、スイマセン)
主人公は、貧乏な修理職人の若者。ひょんなことから内容不明の儲け話を知り、謎の手紙の指示にしたがい、好奇心半分で「そこ」に向かいます。目隠しされ、田舎の屋敷に監禁された彼に待ち受けていたのは、10名以上の「参加者」によるロシアン・ルーレット。そう、「ディア・ハンター」でデ・ニーロがやってた、あれです。回転式拳銃(リボルバー)に、1発、実弾を装着し回転させる。引き金を引き実弾が発射する確率は1/6。輪になって並んだ参加者は、前の相手の後頭部に銃を突きつけ、一斉に引き金を引きます。確率論的に、参加者の数名が死に、残りは生き残る。
これを、最後の1名になるまで続けるのです・・・生き残った1名だけが大金(賭金)を手にし、残りは全員死ぬと言う「デス・ゲーム」なのです。
この設定だけでもイヤ~な気分になるでしょうけど、映画「ザメッティ」の凄さは、ロシアン・ルーレット部分だけを煽情的に描いたのではなく(むしろ、その場面は淡々としている)、その局面に至るまでの映画的語り口、地獄の渦中に投じられた主人公の葛藤・・・といった”人間表現”の見事さにあります。
ちなみにオリジナル「ザメッティ」の主人公役は、監督の実弟らしいですが実にもう素晴らしい(てっきり、ヨーロッパで有名は若手俳優かと思ってました)。そして、脇役(ほとんどがオッサン)がまた、はまりに、はまりまくって、どうやったらこんな演出が出来たの?と目を疑いましたね。
さて、オリジナルの「ザメッティ」の話はこの辺にして。
2011年公開(予定)のハリウッド・リメイク版「ロシアン・ルーレット」
ワタクシがリメイク版にも期待しちゃう第一の理由、それは、監督がオリジナル作品と同じくグルジア出身のゲラ・バルブアニさん、ということ。彼の美意識なくして、本作はありえないでしょって!
期待の第二の理由は、主演俳優です。
レオナルド・ディカプリオだか、ブラッド・ピッドだか、マット・デイモンだかの、いわゆるハリウッド・スターが演じるという噂もありましたが、私は大反対でした。主役は「屋根修理職人しているビンボーな若者」なんですよ。実生活と、演じる役は別とはいえ、一作で10億円以上のギャラを稼ぐ有名俳優に演じてほしくない!あのグダグダの「切羽詰まった感」は、有名ではない若手俳優に演じてほしい。
そんなワタクシの願いが届いたのか、主演はサム・ライリーさんに決定だ!おお、ナイス・チョイスじゃないか!(←それ、誰?と、ほとんどの方が思ってるでしょう、だから正解なんですよ)
ということで、6月公開予定の「ロシアン・ルーレット」おおいに期待いたしましょう!
お、そういえば、ジョン・カーペンター監督の名作ホラーSF「遊星からの物体X」もリメイク版ありとの噂ですが(YouTubeに予告編動画あり)、これはきっとツマラナイだろうなあ。あのヌメヌメした、キッチュで、スプラッターなテイストを、今のハリウッドで再現できるとは到底思えませんもの。そちらは、正直、期待ゼロであります。あっけなく。。。。
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