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映画 「X-MEN ファースト・ジェネレーション」 ヒットシリーズの前日譚としてはベストの出来! [映画]

ハリウッドのヒットシリーズ映画って、しばらくすると「前日譚」(時間を遡って「以前」の出来ごとを描く)が登場しますよね。

二匹目のドジョウ、ってやつなんでしょうけど、不思議と邦画には少ないです。「フーテンの寅さん、ビキニング」、とか、「釣りバカ日誌、浜ちゃんライジング」・・・たしかに違和感ありますね。

邦画の場合、キャラクターと俳優が分かちがたく結びついてて、同一キャラを俳優を変えて別映画にすることに無理があるんでしょうね。大河ドラマのように、主人公の幼年時代と、成年時代を別俳優が演じ分けたとしても、それ「全体」で1本とみるのが、日本人感性だと思います。

ま、そんな小理屈は別として、もともと「前日譚」映画に違和感のあった私です。

特に若い頃の主人公が、お馴染みの「後の姿」と、あまりに落差があると、それだけで違和感ぬぐえませんよね~~。たとえばこの例はどうだあっ!

ハンニバル1.jpgハンニバル2.jpg

上左=「ハンニバル・ライジング」の20代のレクター博士(ギャスパー・ウリエル)。そして数十年たつと、上右=おなじみのハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)に変ぼう・・・映画的にはアリなんでしょうけど、長顔イケメンが、丸顔オヤヂになるなんて100年たってもありえんぞ。このキャスティングには無理あるでしょうがっ!

そこをツッコムのも大人げないと自覚しつつ、4本を数えるヒットシリーズ「X-MEN」の、数十年「前」を描く「X-MEN、ファースト・ジェネレーション」。どんな出来栄えだったのでしょうか?

X-MEN ファースト・ジェネレーション 2011年米

監督 マシュー・ヴォーン 出演 ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ケヴィン・ベーコンほか

X-MENP.jpgミュータント軍団 VS 人類・・・というより、プロフェッサーX率いる「善側」 VS マグニートー率いる「悪側」の壮絶なミュータント戦争を描くSFアクション・シリーズの「そもそもの始まり」であります。

「前日譚」映画には目を覆いたくなる駄作も多いですが、「X-MEN ファースト・ジェネレーション」は、ずばり、ひじょうに良く出来ていると思いましたね。既公開作品のテイストをしっかり踏襲し、人物の描き方も丁寧。満足しました。

反目するプロフェッサーXと、マグニートーが、かつて盟友だった事は、以前も触れられており、サプライズはありません。

本作のメインテーマは、むしろエリック(後のマグニートー)の個人的復讐なんですね。エリックは、ドイツの収容所で母を殺したミュータント(ケヴィン・ベーコン)を追いかけて、彼を殺すことに全霊を傾けているのです。ケヴィン・ベーコンが「インビジブル」のとき以上に、”こいつ殺したろか”と思わせる完璧な悪役っぷりで嬉しくなります。うーん、彼の俳優キャリア的には、いいのか、悪いのか。

復讐劇の結末は、映画館でご覧いただくとして、エリックが人類総てまでを憎むようになる背景が分かりやすく、かつドラマチックに説明されています。それゆえ、映画に一本芯が通った印象でした。CGや派手なアクションに走りそうな作品にも関わらず、節度があるなあ、と感心しきり。

X-MEN6.jpg

復讐に燃えるエリックをいさめて、ミュータントと人類の和解を解くのが優等生的な物理学者チャールズ=のちのプロフェッサーXです。人間相関図も上手く、出来ております。チャールズと兄妹同然に育った全身青色のミュータントのレイブンが、チャールズではなく、エリック側につく顛末も「なるほどねえ」と腑に落ちましたよん。

X-MEN2.jpg

結局、ふたりのカリスマ・ミュータント(チャールズとエリック)は互いの考えを受け入れず、映画ラストで、袂を分かつ、のですが、「その先」を観たいとワクワクさせる作り方が上手い。「その先」の映画って、すでに観ちゃってるんですけどね。あはは。

要するに、SFアクションは「ハナシがしっかりして、かつ、分かりやすくなければダメ」ってことですね。本作はホントに、その点が良かったです。

と、強引にまとめて、書くことが無くなりました。以上です。

X-MEN3.jpg

・・・・おおっつと冒頭のネタを忘れてはいけませんね。

主人公チャールズ(後のプロフェッサーX)を演じているのは、ジェームズ・マカヴォイさん。ナルニア国のタムナスさんです(そこかよ!)。そして「ラストキング・オブ・スコットランド」ではアミン大統領にボコボコにされる青年医師を演じ、「ウォンテッド」でもボコボコな目にあうという、ワタクシ大注目の、映画界一のやられ上手な若手俳優であります。

(「ウォンテッド」のブログ記事はこちら→クリック

体に染みついた「いじられテイスト」を払拭すべく、本作では堂々の主演です。リーダーっぷりも頼もしく、オレをやられ上手とは言わさないぞ、という強い決意を感じました(ホントかよ)。

X-MEN4.jpg

これも10年間、「かわいがり」されたおかげでしょう。なるほど、「若い頃の苦労は買ってでもしろ」というのは正しかったのですね。

さあて、X-MENシリーズのプロフェッサーX。童顔はいってるマカヴォイ君が、果たして数十年後に、こんなツルパゲのコワモテになるものでしょうか?問題はそこだっ!・・・って、結局そのツッコミかよ?あはは。

X-MENパトリック.jpg

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inuneko

エイブラムスの次のスター・トレックにも若きピカードとして出るってシャレはどうでしょうね。時代が合わないか。
by inuneko (2011-06-27 17:49) 

アッシー映画男

To inuneko様、nice&コメントありがとうございました!
なかなか良い企画だと思います。
ピカード艦長をマカヴォイ君が、ライカー副長をマイケル・ファスベンダーが、なんでもいいので悪役をケヴィン・ベーコンが演じれば完璧ではないでしょうか!
スター・トレック新シリーズはこれで決まり、ですね。

by アッシー映画男 (2011-07-05 21:43) 

アッシー映画男

To YaCoHa様、niceありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-07-05 21:54) 

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