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映画 「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」 なんだかだまされたような、こんなんで良いのか? [映画]

あまりにも超メジャー、集客数でも興業収益でも文句のつけようのないファンタジー・シリーズの最新作にして、最終作(完結編)であります。しかし・・・困ったもんです、この作品は。。。

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 2011年

監督 デビッド・イエーツ 出演 ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、レイフ・ファインズ、アラン・リックマン、マギー・スミス、ヘレナ・ボナム・カーター、ほか

ハリーP.jpg大人気シリーズにツッコミ入れるなんて怖れ多くて出来ません・・・な~んて気を使うような私ではございません!だって、この映画、スティーヴン・セガール主演「沈黙の宿命」以上にワタクシをガクーーッ!とさせましたからね。

問題は映画というより原作側にあるのかもしれません。(一冊も「ハリー・ポッター」を読んだことがないので分かりません、スイマセン)。

映画ファンを自認する以上、ワタクシも「ハリー・ポッター」シリーズは一作目から劇場で拝見してきました。ここまで延々と続くと、さすがに愛情というか独特の感情が湧いてきて、(どなたも同じでしょうけど)ラドクリフ君は大人になったなあ、とか、ハーマイオニー役のエマ・ワトソンちゃんは美人になって良かったなあ・・・などと、もはや父親気分になっているのであります。

しかしこれにはマイナス効果もあるわけです。

登場人物への思い入れが強くなるほど、観客はそこばかりに注目して、映画の出来が甘くてもOKしちゃうわけです。それじゃダメじゃん、って。

森繁久弥と小林桂樹さえが出てれば「社長シリーズ」はOKってこと・・・たとえがあまりにも古いわいっ!

まあ、製作側の苦労も分からないではありません。最初の4作目くらいまでは、一話完結的な雰囲気でまとまりがあったのが、後半は「連続もの」です。公開間隔が数カ月もあると観客の緊張感が維持できなくなる(というか前回のストーリーを忘れてしまう?)。そのうえ、演じているのが子供たちなので、1年も経てば成長し、声や容姿が変わっちゃうし。テンションとテイストを維持しつつ、シリーズを作り続けるのが難しいですよね。

ハリー2.jpg

しかし、そんなご苦労を割り引いても、この映画はトホホ~な出来に思えます。最大の問題は、

悪役が弱い!ということ。

「名前を口に出すのもはばかられる」ほど恐れられている闇の魔法使いヴォルデモート。こやつがハリー・ポッターの宿敵ですが、終わってみれば、このオッサン、腰砕けにもほどがあるわけです。

ヴォルデモートおじさんときたら「ハリー~~、お前は死ぬのだあ~~、生き残るのは俺様だあ~~、うひひひ」と余裕の発言をかますわけですよ。どうでもよいですがヤツの衣類は「たまには洗濯しようよ」くらい煤けてて、違った意味でも怖いですが、まあ、とにかく強気強気のおっさんなのである。

ところが、映画の顛末をみるに、まったく脇が甘い、のであります。

ハリー1.jpg

ハリー・ポッターごときコワッパ相手に、やることなすこと後手後手にまわり、魂の入った分霊箱を次々に破壊されるわけです。相手(ポッター)のほうが一枚上手で、余裕をかましてるうちに「ん?まじ?やばくね?」みたいに追いつめられちゃう。ヴォルデモートさん、そこまで尻に火がついているのに、まだ「ハリー~、お前は死ぬのだぁ~~、ふふふ~」・・・って、もうそれはいいから!さっさと目先の状況を把握&分析して、適切に対処しなさいってば!

部下のしつけといい、蛇のしつけといい、リスク管理能力を疑わざるを得ないのであります。

一番のボケは(ネタバレになりますが)、本作のラストでしょう。ヴォルデモート率いる「悪の軍団」がホグワーツ魔法学校に乗り込みます。ハリー・ポッターは、すでに殺されている・・・高らかに勝利を宣言するヴォルデモートですが、な、なんと!実はハリーは生きていた!(そりゃそうだ)

おいおい・・・どんなん甘いんだよ、って。

「ゾンビランド」というコメディホラーでさえ、「ゾンビに対しては、必ず銃弾を2発撃ちこんでトドメを刺す」と主人公は言いきっております。ヴォルデモートほどのお方(?)が、そんな重要な手順を抜かしてどうするのよ?

甘い、甘い、甘すぎるぞ!

挙句の果て、最後の分霊箱までコワッパどもに破壊され・・・うーん、だからさあ、蛇のしつけがなってないのよね!ヴォルデモートさんには「アナコンダ」「アナコンダ2」のDVDを観ていただき、蛇の生態に精通してほしいものです。

ハリー3.jpg

ヴォルデモートの右腕の女魔法使い(ヘレナ・ボナム・カーター)も口ほどにもなく、あっけなくヤラレてオダブツし・・・スネイブ(アラン・リックマン)も分かったような分からんようなオチで、はい、さようならだしなあ。

ああ、なんてことでしょう。最後の最後にこの腰砕けは・・・。

「ガンツ PERFECT ANSWER」の星人のほうが、まだ粘りがありましたよね。松山ケンイチさん、ほんとにお疲れ様でした・・・って、ここで言ってどうする。

「変な自信とプライドを持った敵(悪)が、なんだかんだ言いながら、結局は正義の前に敗れ去る」というワンパターン、イイカゲン、見なおしたほうが良いのでは?

「ドカベン」という懐かしい野球マンガがあります。主人公の所属する明訓高校野球部は、甲子園で常勝を誇る強豪なんですよ。ところが、試合前に余裕あるのは敵校のほうで、「ふふふ、明訓、破れたり!」なんて意味不明の強気をかましているんです。色めき立って動揺する明訓ナイン(なぜだ?)。でも結局は、勝つのは明訓であって。。。おいおい、敵校の「明訓、破れたり!」はブラフだったのかい!

「ドカベン」当時は良いとして、今でも、同じようなベタ流れでしか、ドラマを盛り上がげるすべはないんでしょうか?

ハリー4.jpg

ハリー・ポッターシリーズ、10年近くもネタを引っ張ったわりに最後に、あ~あ、てなもんです。

ということで、本作から得た教訓を現場KY風にまとめました(専門ネタでスイマセン)。

蛇のしつけはしっかりしよう!ヨシ!

敵を倒したあとはトドメを刺そう!ヨシ!

無意味な余裕をかますヒマがあったら仕事をしよう、ヨシ!

ご安全に!


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azm

ども!うん、KYはやはり大事ですね。ヴォルデモートさんにはもっと早く気づいて欲しかっ、という教訓ですね。
by azm (2011-07-31 14:21) 

アッシー映画男

To YaCoHa様、niceありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-08-07 10:34) 

アッシー映画男

To azm様、コメントありがとうございます。
まさしくご指摘のとおり、現場でのKYは重要ですよね。
KY=危険予知、円陣を組んでしっかり指さし呼称をして作業徹底していただかないと・・・もちろん、蛇君の参加もお願いしたいです。
by アッシー映画男 (2011-08-07 10:36) 

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