SSブログ

映画 日本映画万歳!「パコと魔法の絵本」 [映画]

前回、超大作(?)の「20世紀少年」をケチョンケチョンにけなした償い(反動?)で、今日は素晴らしい邦画を紹介します。日本映画、万歳!!

パコと魔法の絵本 2008年日本

監督 中島哲也、 出演 役所広司、アヤカ・ウィルソン、妻夫木聡、土屋アンナ、阿部サダヲ、川上隆也、劇団ひとり、加瀬亮、小池栄子、國村準、山内圭哉

必見の邦画です!面白くて、そして、泣けます!

パコポスター.gif現時点における本年度暫定一位の邦画とさせていただきます(ちなみに二位は「百万円と苦虫女」)。

「下妻物語」「嫌われ松子の一生」の2本で、ワタクシを完全にノックアウトした鬼才、中島哲也監督の新作です。今回も、中島作品に駄作無し!の持論を裏付けてくれました。「おとぎ話」で「コメディ」な「感動ストーリー」--なんだかわからへん!などと考えず、劇場へGO!であります。

舞台はとある病院。入院患者、大貫(役所広司)は傲慢で意地悪な老人。病院中の嫌われ者です。そこに事故で、1日しか記憶が保てない女の子パコ(アヤカ・ウィルソン)が入院してきます。いくら意地悪をしても、翌日、何事もなかったように笑顔で大貫に話しかけてくるパコ。その純心さに、大貫のかたくなな心は溶かされ、パコの心に何かを残したい、と強く願うようになります。大貫は、他の曲者患者たち(妻夫木聡、阿部サダヲ、國村準、劇団ひとり)、医者(川上隆也)、看護婦(土屋アンナ、小池栄子)を集め、パコの宝物の「絵本」を題材に、皆で、劇を上演することを提案しますが。。。。

ストーリーはべったべったのお涙頂戴とも言えますが、それを、二流韓国映画みたいに「安っぽい」ものにしないところが、この映画(のスタッフ、キャスト)のすごいところでしょう

パコ3.jpg

映画全編は、極彩色に彩られ、サイケでアナクロな雰囲気が楽しいです。ここまでやってくれれば、観るほうも「ああ、そうゆう映画なのねっ」と、設定に納得して拝見できますもの。これ重要ですね!

次々繰り出される、出演者たちのぶっとび演技は、あまりにも見事。笑いあり、涙ありのエンタテイメントが展開します。後半の目玉、劇中劇「ガマ王子VSザリガニ魔人」では、各キャラがCGで大変身!実写とCGの切替え(&合成)の絶妙なバランスとテクニック。中島哲也監督、天才ですねっ!!

さらに、つぼを心得た「滑らないギャグ」の連発に拍手!笑えます。特に、阿部サダヲの強引すぎるお笑いパワーはなんなんだ!?「舞子Haaanーー!」も強烈でしたが、こやつ、モンスターですな!末恐ろしい役者だ。

比較は酷ですが、繰り出すギャグがことごとく滑り、劇場内を氷河期にした「20世紀少年」を先週観ただけに、本作の素晴らしさがいっそう際立ちました。---オイオイっ!また「20世紀少年」批判かよ!

パコ5.jpgパコ1.jpg

パコを演じるアヤカ・ウィルソンちゃん、可愛いいですねえ。笑顔が最高だ!大貫でなくても、彼女に何かをしてあげたい、と思わせる絶好のキャスティングですね。

脇役も大活躍です。落ちぶれた有名子役で自殺願望の青年(妻夫木聡)と、オラオラ系の暴力看護婦(土屋アンナ)。二人のからみが泣けるんだな!ドジな消防署員(劇団ひとり)のしみじみな優しさ。ジュディ・オング命のオカマ(國村準、熱演!)の一途さ。大貫の財産を狙う強欲な看護婦(小池栄子)と、気の弱い夫(加瀬亮)。で、圧巻は、画面狭しと突き抜けっぷりを披露する謎の患者、掘米(阿部サダヲ)。

そうした複数の「糸」が織りなされ、中島ワールドを完璧に支えています。

もちろん、主役の大貫(&ガマ王子)演じる役所広司は重厚(?)な演技で、傲慢老人の心の変化を見事に表現じます。阿部サダヲとのからみのシーンは必見ですね!

なにより、映画全体に「勢い」があるのが良い。作り手にぐいぐい引っ張ってもらえる快感、邦画では本当に久しぶりに感じました。

パコ4.jpgパコ2.jpg

恥ずかしながら映画の後半、ワタクシ、涙~涙~の感動状態でありました

観たのは、公開1週間前の、虎ノ門での試写会でしたが、終映後、そこかしこから「楽しかったあ」とか「泣いちゃったあ」なんて会話が聞こえてきて、ふむふむ、と妙に嬉しくなった次第(ワタクシが作った映画でもないのに)。

連休、何を観ようかな、と迷ってるアナタ、「パコと魔法の絵本」を是非!!

この記事にコメントを書く/コメントを読む→ここをクリック


nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 6

博多ちわわ

「パコと魔法の絵本」、本日、みましたよ。
阿部サダヲさんの突き抜けた芝居には、大爆笑でした。これでもか、というくらいのネタ攻撃でした。
テンコ盛りの内容なのに、中だるみもなくスピーディで分かりやすい話で、びっくりでした。

細かいことですが、アッシー様の記事のなかの俳優「國村準」さんのお名前ですが、漢字は、”準”ではなく”隼”です。念のため。

アヤカ・ウィルソンはその名前から、ハーフの子と思いますが、本当にかわいらしいですね。それと、土屋アンナが良いですね!あのかすれた声と、「アネゴ」のノリは彼女でなければ成立しませんね!
by 博多ちわわ (2008-09-14 21:55) 

みその

アッシー映画男様、
この映画、ポスターの雰囲気から、お子様向けなんだろうなぁ、と思い込んでました。
ノーマークでしたが、アッシー様絶賛とは、急に観たくなりました。
改めて出演者の名前を見ると、凄いですね。面白そうです。
観たら感想を書きますね。

奥菜恵のホラー「シャッター」観ましたかあ?
ホラーは好きなので、ゼヒトモ、記事をお願いしますよっ!
by みその (2008-09-15 00:08) 

アッシー映画男

To 博多ちわわ様、
さっすがぁーー、早いですねぇ。公開2日目に、早くもこの映画を観るとは、博多ちわわ様のストライクゾーンの広さを感じます。
(ストライクゾーンが広いということは「悪球打ち」とも言えますね?ドカベンの岩城ですかあ??)

國村隼さんの漢字の間違いをご指摘いただきありがとうございます。博多様のコメントの意味が分かるように、あえて本文は直しておりませんが、今後気をつけたいです。サンクスです!

土屋アンナは「下妻物語」や「さくらん」でも、良かったですよね!モデル出身なのに、芝居がしっかりしています。「素」だけで勝負せず、感情の綾まで、しっかり演じられる才能のある女性ですよね。
ロッカーでの妻夫木との対決(?)シーンは、本来の俳優である妻夫木を食っていました。まあ、あの勢いで「オラァ!」って怒鳴られたら誰でもビビるけど。。。
アンナさん、モデルだけあって、スタイルが抜群ですよねえ。美脚とはまさにこのことか。ごくっ(←生唾を飲む音)

そして絶賛したいのが阿部サダヲでしょうね~。彼が登場すると、画面がパッと明るくなりますものね。何をしでかすか分からない期待感と、それを裏切らない「芸人魂(?)」に感服します。一歩間違えたら映画の雰囲気をぶち壊すほどのパワーゆえ、中島監督も、阿部サダヲさんの起用は、一種の賭けだったのでは?と推察するのですが。
賭けは大成功!でしたね。パチパチ。

ガマ王子のCGキャラが可愛くない、のもナイス見識です。とはいえ、ワタクシ、「ガマ王子VSザリガニ魔人」にさえ泣きましたから、もう完璧にこの映画にしてやられた、ということでしょう。とほほほほ~。
by アッシー映画男 (2008-09-15 08:42) 

アッシー映画男

To みその小姐、

こんにちは!コメントありがとうです。
「パコの海岸物語」、じゃなく(それって「チャコ」だろ!と自分でツッコミ。)、「パコと魔法の絵本」、ぜひ観てください。楽しいですよ!

ありゃー、出ましたかあ、ホラー映画「シャッター」。
観てしまいましたよ、レイトショーで。観客5名だけで(やっぱりね)。
アメリカ映画ですが、舞台のほとんどは日本。映画的には、アメリカ人新婚夫婦が主役なんでしょうけど、ワタクシとしては、彼らにとり憑く悪霊女=奥菜恵が堂々の主役です。

そこはかとないB級感もあいまって、なかなかに良かった!
次回ブログは「シャッター」でいかせてもらいます。
とにかく、ラストシーンの「嫌さ加減」は絶品です。恵!アンタ、まじに怖いぜっ!

--って、どうして「パコ」から、ホラー映画に展開するのか、、、もう、いやっ!!
by アッシー映画男 (2008-09-15 09:11) 

あぶ

こんにちは。
アヤカ・ウィルソンちゃん、ホント、かわいくて楽しみな子役さんですよね。大事に育てていってほしいな。
http://birthday-energy.co.jpにも彼女のこと詳しく載っていましたよ


by あぶ (2008-09-17 12:34) 

アッシー映画男

To あぶ様、
アヤカ・ウィルソンは、おとぎ話から出てきたかと思うような可愛さでしたね。彼女無しにはこの映画は成り立たなかったかも。。。
いや、阿部サダヲがいれば、なんでもOKでしょう!!
by アッシー映画男 (2008-09-20 21:29) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。