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映画 「少年メリケンサック」、パンクを好きでも嫌いでも、これはサイコーです! [映画]

宮﨑あおい主演「少年メリケンサック」を拝見!いやあーーー、面白いなあ!良かったなあ!

ノーテンキな痛快・スッキリ!ではなく、ちょっとほろ苦いのに、観終わって「人間っていいなあ」と心底、思ちゃいました。ワタクシも、この年齢になったからでしょうか?

個人的には、予想外(?)の感動でした。 

本作で重要な柱はパンク音楽です!パンクって、知ってますか?へヴィ・メタルと並んで、一般人(?)に馴染みがない、というより、「雑音」としかみなされないジャンルでしょう。

そんなマニアックな題材で、音楽愛、いや、人間愛にあふれたハートフル・コメディ(?)をつむいだ宮藤官九郎さんに脱帽です!

少年メリケンサック 2009年日本

脚本・監督 宮藤官九郎、 出演 宮﨑あおい、佐藤浩市、木村祐一、田口トモロヲ、ユースケ・サンタマリア、ほか

少年メリケンサック.jpgポップス音楽を売りにする某音楽プロダクション。新人発掘課の契約社員カンナ(宮﨑あおい)は、2年間、一人のタレントも「発掘」できず、首切り寸前状態。

退職のまさにその日、カンナは、インタネットで怪しげなインディーズ・パンクバンド”少年メリケンサック”を発見します。半分やけくそで社長(ユースケ・サンタマリア)に見せたところ、社長、意外な大乗り気に!実はこの社長、ホモで隠れパンク好きだった!

退職を暫定延期されたカンナに、社長が与えたミッションは「少年メリケンサックをスカウトしてこい!」。

さて、この後、カンナを待ち受ける過酷でパンクな運命とはいかに!?

なんとカンナがネットで発見した画像は25年も前のものだった!当り前ですがバンドは解散、メンバーは、ただの汚いオヤジに変貌していた!

無職の酔っ払い(佐藤浩市)、酪農(木村祐一)、車椅子生活(田口トモロヲ)----メンバーの姿を見て愕然とするカンナ。一方、事情を知らないノリノリ社長は、すでに全国ライブをぶち上げてしまい、引くに引けなくなったカンナ!さあ、どうする!?

少年メリケンサック01A.jpg

 

いやあぁ~、全編を通じパンクオヤジたちと、宮﨑あおいのカラミが最高です

サブ・キャラの、カンナの彼氏(安っぽいフォーク野郎)でさえいい味を出しまくり!

少年メリケンサック04A.jpg

”少年メリケンサック”の過去(25年前)シーンを、若手俳優が演じてますが、そのくだりにロック好きの方は、ビビッと反応することでしょう!

仲良しの「友達」で作ったバンド。同じ目標に向かい、心をひとつにしたはずなのに、人気が出てくると嫉妬やら意見の食い違いが湧きだし、いつしか憎しみ合いになっていく。そして、バンドの終焉は悲惨なステージでの大喧嘩。。。

本作はコメディゆえ、多少の誇張はありますがバンド崩壊ストーリーのリアル感が心に沁みます。

ああ、ディープ・パープルも、ブラック・サバスも、ヴァン・ヘイレンも、こうして解散したのねえ(たぶん)。某ロッカーが語ったように、「バンドは人生の縮図である」。

少年メリケンサック02A.jpg

映画では、キレキャラのベーシスト(佐藤浩市)と、その弟のギタリスト(木村祐一)の確執が中心になります。憎しみを抱えながらも、瀬戸際社員のカンナに引っ張られ、いつの間にか彼らは25年ぶりに”バンド”に成長(復活)していく。宮藤監督、けっして押し付けがましくなく、変に感動的にもせず、小ネタを交えながら飄々と進めるのです。これぞ素晴らしいセンス。まさにパンク的かも!

で、ワタクシが一番喰いついたのは、ヴォーカル役の田口トモロヲさん「プロジェクトX」のナレーターなどで、まじめイメージっぽい方ですが、ワタクシなんぞ、トモロヲさんと聞いて、真っ先に思い出すのはパンクバンド「ばちかぶり」のボーカリスト時代です。つまり、パンクは彼のかつての本職であり、ステージ・シーンなど独壇場でしょうけど、そこは「分をわきまえた」ベテラン俳優のトモロヲさん。あくまで映画の引立て役に徹するところが男気ですねえ!

少年メリケンサック03.jpg

とにかく、この映画のいいのは、どのキャラも無駄がなく、生きていることです。

宮藤官九郎の面目躍如!2時間以上の上映時間ですが、全然、長くは感じませんでした!!

さあ、パンク好きもそうでない方も、しっかり楽しもうではありませんか!

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コメント 6

博多ちわわ

来ましたねえ!アッシー様は必ず観ると思ってましたゼィ~。
もちろん、私も観ました。宮崎あおいがいいし、アッシー様の記事の繰り返しになりますが、演出や小ネタギャグが冴えてて面白かった。
少年メリケンサックの面々の、臭いがしそうなオジサンっぷりも嬉しかった。
ザ・スターリンの遠藤ミチロウのノリで、ハンディ・スピーカーでがなるトモロヲさん、とか、ユースケ・サンタマリアが名古屋のライブ会場で「原爆オナニーズ」の話をするなど、細かいところが良くできていてうれしくなりましたよね。
ラスト近くの、パンク・バンドの再結成のネタもいけてます。さんざん喧嘩しても、共通の話題には反射的に食いつくとこ、いいっす。

でもパンク無関心の人だと、この映画のどこ見るのかな?
私やアッシー様ほど食いつけない?
by 博多ちわわ (2009-02-20 00:11) 

アッシー映画男

To 博多ちわわ様、コメントありがとうございます!わははは、原爆オナニーズは懐かしいネタでしたね!ユースケ・サンタマリアが、名古屋のパンクの話をするとこは、ナイス!と言いたいです。個人的にはパンクじゃないけど、名古屋といえば小島(コジマ?)かなあ。
セックス・ピストルズの小ねたとかねえ~、もう好きな人にはわかる、ってネタを、ふつーの映画に入れてくれるとうれしいですよねえ~。
遠藤ミチロウさん、名前がクレジットされてませんでした?
そういえば、「スターリン」ではなく、「ザ・スターリン」と書かれるあたりに、博多ちわわ様のマニア~を感じますね!映画も楽しいけど、パンクの話も楽しいですよね。
そのうちに、ブログ記事で「ラモーンズ」のネタを取り上げたいと思いますのでご期待くださいませ!

---って、映画とぜんぜん違う話になっちゃったよ!!
by アッシー映画男 (2009-02-22 16:26) 

AC/DC命

うーん、見に行っちゃおうかな。。。。。
ストーリーは別として、あおいファンとして。。。
パンクにものっちゃうかもしれないし。。。。
ビデオで見るラモーンズは大好きだったんですよね。。。。。
(曲だけはいけません。ステージがいいんですよ。)
by AC/DC命 (2009-02-23 10:24) 

みその

まじ宮崎あおいが可愛いいッ!
むさいオヤヂたちに翻弄されるかんながサイコーォ
でも、かんなじゃないけど「パンクは大嫌い」ですぅ、アッシー様、ごめんね!

オヤヂなアッシー様は、オヤヂになったジミー役=田口トモロヲに喰いついちゃったようだけど、あたしゃあ、若い頃のジミー役=峯田和伸クンに食いつきましたぜぃ
良い味出してた賞は、ピエール瀧さんと、田辺誠一さんに決まり!
分かりヤス(笑)
by みその (2009-02-23 12:18) 

アッシー映画男

To AC/DC命様、いやもう、あおいファンであれば必見でしょう!
汚いオヤジたちに卑猥な言葉でいたぶられるあおいちゃんは、なかなか見られません!
おお、ラモーンズ。。。たしかに曲はイマイチ---というより、歌がめちゃくちゃ下手だよって!でもなぜか、たまに聴きたくなる、不思議ですねえ。。。

by アッシー映画男 (2009-02-25 10:36) 

アッシー映画男

To みその小姐、おおお、やはり観ていたようですね。で、「パンクは大嫌い」だとぉぉぉぉぉ~。いけませんな~、そんなことでは!
芥川賞作家の町田康だって、もとを正せばパンクバンド、INUのボーカル、町田町蔵ですぞ!聴くほどに、噛めば噛むほどに味が出るのがパンクなのである!

って、それは良いとして。
若い頃のジミー役の方、峯田さんという俳優なのですか、すんません、知りませんでした。パンキッシュな感じがすごくよく出ていて、良い感じでしたねえ。25年後に、田口トモロヲさんに化けるかは微妙ですね?

ピエール瀧さんもこのところ絶好調ですねえ。「百万円と苦虫女」も良かったけど、今回は出番も多いし満足!
田辺誠一さんのガクトばりのヴィジュアル系アーチストは、笑えましたね。中村敦夫とのからみにはニンマリ。セリフがほとんどなくても、この存在感(?)は見事でした!パチパチ!
by アッシー映画男 (2009-02-25 10:43) 

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