映画 「２０世紀少年 第二章 －最後の希望－」、何もいいたくない最低の映画 [映画]
昨日、東京都内に雪が降りました。気温が低く身も心も冷えましたが、それ以上の「お寒い映画」のご紹介です！
「おくりびと」のアカデミー外国語映画賞の喜びを台無しにする、超駄作「２０世紀少年 第二章」であります。
20世紀少年 第二章 最後の希望
2009年日本、出演 豊川悦司、平愛梨、常盤貴子、香川照之、ユースケ・サンタマリア、小池栄子、小日向文世、藤木直人、森山未来、前田健、ほか豪華出演陣
昨年公開の「第一章」からメチャクチャでしたが、「第二章」も予想以上に最悪でした。ひどすぎて嬉しいです（完全に皮肉だけど）。
たとえば、スティーブン・セガール主演のB級アクション映画なら、内容がどんなに破綻しても、セガールだからさ、という理由で許されます。
「20世紀少年」には、残念ながら（？）セガールも、ヴァン・ダムも、チャック・ノリスも出演していません。ということは、言い訳なしの、ただの駄作ということですな。
そもそも、映画を作る前に、企画会議とか、セリフ読み合わせとか、関係者がディスカッションする機会はいくらもあったはず。席上、スタッフなりキャストから「あの~、いくらなんでも、これは変ではないでしょうか？」という意見はなかったのか？
原作コミックが売れたからといって、その世界観が、そのまま映画として成立するかは別問題でしょう？当たり前のことに、どうして気がつかないのでしょうか？
そういえば、本作関連のTV番組や雑誌記事、あるいはブログには「いかに原作コミックに忠実であるか」が最重要事のごとく、議論されているのには呆れるばかりです。
その結果、原作好きスタッフと、原作好き観客によるマスタべーションに過ぎない作品が出来上がった。
簡単にストーリーを説明しますと、世界滅亡計画を企てる「ともだち」と、ともだちの小学生時代の友人たちの数十年にわたる「戦い」を描いているのです。「ともだちは、いったい誰？」と、もったいぶってますが、ハッキリ言って、あまりにダルイので途中で、どうでも良くなりました。
この作品、要は、雑というか、「脇が甘い」のです。
映画に限らず、あらゆる創造物に関する名言に「神は細部に宿る」があります。
波乱万丈ストーリー、派手なアクション、俳優の名演技、があっても、細部に目が行き届いていない映画は、しょせんダメ、ということ。
「20世紀少年」の駄作たるゆえんは、まさに、細部がずさんだということ。それも、度が過ぎている、ということです。
ケンジの姪カンナ（平愛梨）が、警察による証人殺しを突き止め、さんざん大立ち回りを演じてたのに、その後、普通に学校に通う。あのねぇ、無理があるでしょう？命を狙われる状況ですぜ、、ありえねえよ！
「ともだちランド」に乗り込む（？）カンナと響子。敵の懐に飛び込む作戦で、間一髪の危険な目にあったけど、どうやって、そこから脱出したのよ？香川照之さんの手助けがあるとはいえ、ともだち、って、その程度の敵なの？
豊川悦司と、ともだち対決も輪をかけて最低です。散弾銃を構えるトヨエツに、ともだちが長々とお話しちゃう。あの~、警護の人もいるのでしょうから、トヨエツはさっさと殺されているはずでしょ？
話は前後しますが、カンナが教会で狙われるシーン。銃口を向けられているのに呆然（ボーッ？）とするカンナもどうかしているが、両手を広げて銃の前に立ちふさがるトヨエツも凄い。こんな無謀、セガールさえやっていないと思います。
以上は氷山の一角で、随所に「何考えているんだ、こいつ？」とツッコむ気も起きなくなるような、登場人物たちの支離滅裂な行動（と、それを支えるご都合主義なストーリー）に、頭が変になりそうです。
今回も俳優は頑張っています。カンナ役の平愛梨さんに加えて、ベテラン俳優陣も素晴らしい演技。たぶんプロとして割り切ったのでしょう。「作品が最悪・最低でも、自分は与えられた仕事にベストを尽くす」と！さすが！もっとまともな映画ならなあ、と同情の涙が出そうになりました。
ワタクシ、映画大好きなだけに、ネガティブな感想を書くのは断腸の思いですが、ひどいものはひどい。20年以上前に、最悪の角川映画やATG映画を、マスコミが必死に持ち上げていた事を思い出します。あの頃に、まともな映画ファンが、NOを突きつけていれば、日本映画はもっと早くに再生していました。
「20世紀少年」のような駄作を（出演者の頑張りは別として）、映画自体として高く評価する風潮があるなら、邦画はかつての暗黒時代に逆戻りしかねません。それは、あってはならないことだと思います。
「20世紀少年 第二章」、本年観た映画の中で、現時点、暫定ワースト１であります。さて、これ以下の映画に今年出会えるか！？とほほ~~。
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アッシー様にしては（？）、手厳しいコメントですね。
「第一章」にも厳しかったですよね？
面白かったという感想の友人もいるにはいますが。。。
本作は、マンガを忠実に映画化したという点で評価できると思います（個人的には小泉響子役と、波春夫役がはまり過ぎで感動）。ただし、単純に映画として観るとザルみたいにスカスカでしたね。
どうせそんなもんだろうと思って観ている自分が怖い？
金をかけて、なりもの入りで始まった「20世紀少年」、第三章も、たぶんこんな調子だと考えると、気分が滅入ってきますね。
ところで、原作コミックも伏線張り過ぎで、後半、展開めちゃくちゃなんですが？困ったものです。
by ふくずみ (2009-03-01 08:31)
時間空いた時に観たで。平愛梨のカンナは良かったでぃ。木南晴夏の響子もマンガチックで良いね。藤木、最悪だわ。
んて、これストーリーとか観る映画とちゃうわね、芸能人水泳大会みたいなもん。あ、あの人でとる、この人でとる、って、そんなん見方が正しいかもな。ついでのストーリーが面白ければ尚、よろしいわけで（笑）。
アッシーさん、あんまりいじめんといて（笑）。
by ブロンコビリー (2009-03-01 08:41)
へ？ 傑作じゃなくて駄作なんですか´ﾟ,_>ﾟ｀)
これ宣伝すごいし話題になってるから
てっきり面白い映画なのかと思ってました。。。
つかこういう邦画がまず興味ないんですけどね。
（まーだ言ってる。。）
そこまでつまらないなら映画会社も見る目ナッシングって
ことっすかね？ 超豪華俳優？がそろってるだけに残念！
アッシーさんのような正直な映画ファンが今必要なんですよ！
内容まだ見てないけど、言いたいことをずばずば言う
アッシーさん、お見事★ 人の顔色ばかり伺ってる典型的な
日本人のイメージを払拭すべく、今後も毒舌批評を
心から大いに期待しちょります(´∀｀)
アッシーさん、ばんざーーーい☆
by まいまいこ (2009-03-01 14:44)
To ふくずみ様、コメントありがとうございます。
まあ、20世紀少年を好きな方もいるわけでしょうから、この映画にも存在意義はあると思いますので、全否定はしませんが、なにせ、あまりにも展開がマンガなので。
少なくとも、大人の鑑賞に堪えうるものではありませんね。
３０年前であれば、角川映画が「汚れた英雄」「復活の日」「ねらわれた学園」など馬鹿馬鹿しい作品を生み出していたので、多少の駄作には驚きませんでした。
ところが、最近は日本映画の質が著しく向上したので、相対的に、本作のひどさが目立ってしまうという－－うれしいような、悲しいような現実です。とほほ。。。
by アッシー映画男 (2009-03-01 20:23)
Ｔｏ ブロンコビリー様、コメントどうもです！ははは、芸能人水泳大会、というたとえはナイスですね！そうそう、出ている俳優さんたちは豪華ですからねえ。
せめて第三章は、もっと良い映画になっていることを祈るばかりです。
by アッシー映画男 (2009-03-01 20:33)
Ｔｏ まいまいこ様、応援ありがとうございます！！
いやあ、うれしいお言葉。本作を、つまらないと思うのはあくまでもワタクシの主観ですので、むやみにほかの方に押し付けるつもりはないのですが、なにせ、絶望的にひどいのです。
ここまで不満を感じる作品は、たぶん、今年はもう現れないと思います。
まいまいこ様からも、ぜひとも良い映画を紹介してくださいませ！
by アッシー映画男 (2009-03-01 20:39)
まぁ正直マンガがその通りの展開なんでね。映画に文句いっても仕方ないんじゃないかな。
映画はマンガより、端折ってるのが結構あったけど、2時間ちょっとに映画を収めなくちゃいけないから仕方なかったのかなぁ。
by ﾀｸ (2009-03-22 11:31)
To ﾀｸ様、コメントありがとうございます。あはは、マンガのとおり、ってとこが実に切ないですよね~~。あれだけ長い話（で、途中、ちょっと支離滅裂）な原作だけに、出来た映画もまんまそのとおり・・・ってところでした。第3章が楽しみです。最後の大逆転はあるか！？ですね！
by アッシー映画男 (2009-03-24 06:44)