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映画 「花と蛇3」 見どころは主演の小向美奈子さん以上に、火野正平さんなのだ! [映画]

ブログ更新をさぼりっぱなしです。2週間に1回の更新でブログといえるのか!反省しきり・・・って、誰に対しての反省だよ?さて、本日はマイナー&マニアックながら巷の注目(というか下世話な興味)を集めるあの作品。そう

小向美奈子主演「花と蛇3」

であります。団鬼六のメガヒット(?)原作。料理上手で知られた杉本アヤヤこと、杉本彩さん主演の前2作につづき、主演女優を変え「3」が登場であります。前作は杉本さんの体当たり演技が潔く、なかなか充実の内容でした(宍戸錠さん、遠藤憲一さんのサポートも見事だった)。

しかしワタクシは申し上げたい、これからご紹介する小向美奈子さん主演の最新作こそ必見であると!

花と蛇3 2010年日本

監督 成田裕介 出演 小向美奈子、本宮泰風、火野正平、水谷ケイほか

花とP.jpgクラシックチェロ奏者で、老富豪の妻である美女、静子(小向美奈子)。彼女の美貌と、貞淑の陰に隠された「才能」に惹かれた財閥の若き頭首、近藤(本宮泰風)は、卑怯な手を使い静子の夫を死に追いやったうえ、彼女を拉致します。

人里離れた山奥の別荘に軟禁された彼女は、そこで「調教」されるのでありました。静子を「真の女にする」役を担うのは、天才緊縛師の鬼源(火野正平)。必死に抵抗する静子も、鬼源の芸術的な縄芸と、アブノーマルな責め苦に、いつしか、禁断の世界へと呑みこまれてゆくのでした・・・チャンチャン。

内容は「花と蛇」シリーズの定番どおり、縛り、責め、変態技、悶絶→才能開花!という流れですから、観客の期待のツボは、まず満たしてくれます。

主演、小向美奈子さんのハッキリ申し上げて、ヘタッピな芝居さえ、ある意味、新鮮で(ちょっとAVビデオっぽい?)、これはこれでアリなのでしょう。

しかし、ワタクシが食いついた点はそこではない。

この手の映画に芸術ぶった分析のつもりはありませんが、映画作りのスタンスに好感を持ちましたね。成田監督の「主演女優(小向美奈子)の話題性だけの駄作にはしないぞ!」という強い決意を感じました。

映画の前段はもったいぶらずにサクサクと素早く流して、拉致された静子の心理描写に重きを置く演出。題名にある「蛇」とのからみも上手い。さらに山奥の森閑とした風景が丁寧に美しく描かれ、映画に「品」を与えています(褒めすぎ?)。

花と3.jpg

「調教」の舞台も凝っていますね。歴史の重みを感じる和室、明治風の洋室、一転して湿った地下室などリアルでありながら幻惑的、こだわりがにじみ出てますね。いいんじゃないですか~~。

煽情的だった2作目にはなかった落ち着いた演出に、「おらあ、そんなこたぁ、どうでもいいんだ!裸見せろや!」と思う観客もいるでしょうが、ワタクシはプラス評価したい。ラストの「オチ」は、もうちょっとなんとかならんか・・・という恨みはありますが。

花と2.jpg

さて本作の最大の見どころであり、最大限の賛辞を贈りたいのは、第二の主役である縛り師、鬼源を演じる

火野正平さんであります!

実にもう、ホントに素晴らしいのだ!(うーん、語彙貧困)

この圧倒的な存在感はなんだ!自然体というより、体の中から湧き上がっているような本物の雰囲気・・・たまりません。声の抑揚、動きの「間」、微妙な表情、どれもが意味にあふれている。はっきり申し上げて日本アカデミー助演男優賞は火野正平さんで決定でしょう!

比較は酷だけど、小向美奈子さんのチェロ演奏シーンが、いかにも付け焼刃なのに対し(ほほえましいとは言えるが)、火野正平さんが静子を縄で縛りあげるシーンは、本職か!?とみまごうばかりの見事な手さばきと手際の良さです

彼の縛り作業にエロテイストは皆無、職人による高度な「実務」いや「芸術」であり、ここまでを体現できる俳優は彼しかいないですよ。過去、多くの女優と浮名を流した火野正平御大だからこそ、到達し得たストイック職人ワールド!

もともと大好きな俳優ですが、改めて火野さんの偉大さを痛感した次第。

というわけで「花と蛇3」。

火野正平さんを見るだけで、映画館に行く価値がある!!

感動しつつ銀座シネパトス前で記念写真をパチリ・・・。 

花と蛇シネパトス.jpg

ちなみに、9月11日PMに、銀座シネパトスで本物の縛り師さんを交えたトークイベントがあるそうです。見逃したくない企画ですねえ!

花と蛇シネパトス2.jpg

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Yakoha

こんにちは。
私はこの種の作品には縁が無い(嫌いじゃないんですけど恥ずかしくて・・・)んですが、男性出演者の方に注目されるとは・・・ともすれば女優の方に話題が行きがちですが、いいところ突いてますね!(と言っても私は観ないので;笑)
by Yakoha (2010-09-06 22:46) 

アッシー映画男

To Yakoha様、nice&コメントありがとうございます。
ぜひ観て頂きたい映画です!
今は違いますが、20年前の日本映画で、まともなジャンルといえば、むしろ日活のそっち方面の作品でしたから・・・逆にいえば、普通の封切り邦画があまりにもダメダメだったというか。

「花と蛇」シリーズは、良き伝統を受け継ぐシリーズだと思います。
1、2作目は、杉本彩さんが頑張りすぎて、ちょっとついていけませんでしたが、本作は演技のつたない小向美奈子さんが主演したことで、ひょうたんからこまの、良い味わいが生まれてます。

とにかく、火野さんの、なりきりっぷりは絶品であります!

ちなみに本宮泰風さんの、「いかにも」という雰囲気も捨てがたいですね。
そんなまどろっこしいことをしなくたって・・・とコメントしたくなる、なんとも複雑な美世界(?)でありますが。
by アッシー映画男 (2010-09-07 06:27) 

亮

火野さんに注目ですか!
目の付け所が、素晴らしい。
それにしても、イベント、面白そうですね。
自分は、全く、そういった感じのものには、疎いので、興味があります。
田舎ものには、刺激が強すぎるかもしれませんが・・・
by (2010-09-08 06:06) 

アッシー映画男

To 亮様、コメントありがとうございます。
そーなんですよ。イベント、面白そうなんですが、別の用事があっていけないのです。残念!
きっと想像できないような「あっち方面」のネタがいっぱい登場するのでしょう。

映画のほうは、上映館限定ながらも、全国展開するようですのでお近くで公開の際には、是非、火野正平さんの名演を観に劇場へどうぞ!
劇場内の変な雰囲気を楽しむのも一興でしょうし。
ちなみに、銀座シネパトスでは、若い女性客が数名おられたのは意外でした。小向美奈子さん効果でしょうか。(火野正平さん目当てとは思えない・・・)
by アッシー映画男 (2010-09-10 05:41) 

*rina*

はじめてコメントします。
今日午後からこの映画を見に行こうか迷っておりネットで評判を見ていましたが、「火野さんの演技に注目という事であれば行こう!」と決心したとことです(笑)
鑑賞は一人でですが、ちょっと恥ずかしいですが、SM未体験ですが、・・・・・・楽しんできます^^


by *rina* (2010-09-12 10:53) 

アッシー映画男

To *rina*様、コメントありがとうございます。
いかがでしたか?鬼源・・・じゃなく、火野正平さんの自然体の活躍は?
下駄と、数珠がいい味わいでしたよね~~。
ラストシーン、火野さんの一言が、ぐぐっと映画を締めていましたね~~。

2010年後半は、火野正平さん、ショーケン、玉置浩二の復活ブームに湧く日本芸能界、といったところでしょうか・・・ちょっと無理がありますかね?
by アッシー映画男 (2010-09-12 22:17) 

*rina*

アッシーさん、ありがとうございました!
こちらのブログのお陰で、なんとか勇気を振り絞り映画を見に行くことができました。

「ある意味AVっぽい」。
 主演女優はまさにその通りで救いようの無い(?)演技でしたが、ピンク映画館での上映じゃなかったことがrinaの救いです(笑)
でも、女性一人であんな映画を見に行くと好奇の目に晒されますね。
火野さんははまり役すぎて、夢に出そうです。
そしてあの緊縛師の技、美しすぎました。
観にいってよかった。誰にもいえないけど・・・・(笑)

ありがとうございました。

by *rina* (2010-09-13 21:44) 

ぐっち~

はじめまして、記事を拝見しました。
確かに火野正平さん凄かったですね!
本物の縄師かと思いましたよ。
必殺仕事人にいそうですね。

トラックバック承認お願いします。
by ぐっち~ (2010-09-16 00:23) 

アッシー映画男

To ぐっち~様、コメントありがとうございます。
まさに必殺仕事人の世界でしたよね~~(たぶん、そのイメージ?)。
火野さんの「奥さん・・・」というセリフが、それだけでインパクトがある!
いやはや、本物以上に本物、ですよね~~。

ちなみに板尾さんの「脱獄王」、私も気に入っておりすよ~~。いい雰囲気でしたよね。
by アッシー映画男 (2010-09-16 05:21) 

アッシー映画男

To *rina*様、コメントありがとうございます。
そう、あの映画が、新橋ガード近くとか、神田アカデミーで上映されると、おいおい・・・という隠微な空気ですが、なにせ、銀座シネパトスですから。
つーか、銀座シネパトスのほうがよっぽど怪しい雰囲気だろう・・と自分にツッコミです。。。
ラストの緊縛師の技、ほんと芸術的ですよね~~、残念ながら火野さんではなく、有末剛さんの「作品」でしょうけど見事ですね。

by アッシー映画男 (2010-09-16 06:08) 

アッシー映画男

To タケル様、nice、ありがとうございました~~。
by アッシー映画男 (2010-11-28 07:28) 

アッシー映画男

To eternity様、niceありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-01-29 13:11) 

アッシー映画男

To ゲキブト様、niceありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-01-29 13:12) 

アッシー映画男

To 佐々木様、niceありがとうございました~。
by アッシー映画男 (2011-01-29 13:12) 

アッシー映画男

To プラチナ様、nice、ありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-02-11 18:30) 

アッシー映画男

To ヤッさんパパ、niceありがとうございます。
by アッシー映画男 (2011-02-11 18:31) 

アッシー映画男

To シルバー様、niceありがとうございました。
by アッシー映画男 (2011-02-11 18:31) 

アッシー映画男

To bunチャンTanaka-Fumio様、niceありがとうございます。
by アッシー映画男 (2011-02-11 18:32) 

アッシー映画男

To Booちゃん様、niceありがとうございます。
by アッシー映画男 (2011-02-12 09:29) 

アッシー映画男

To パール様、niceありがとうございました。
by アッシー映画男 (2011-02-27 10:14) 

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