SSブログ

映画 「TSUMANI -ツナミ- 」 韓国の本格的ディザスター・ムービー、いいんじゃないですか~~。 [映画]

ワーナー・マイカルシネマ妙典に行きました。映画を「5回見たら1回タダ」のポイントカードを使って、金を出してまで観たくはないタクランケ映画「バイオハザードⅣ」を拝見しようと・・・・しかし劇場窓口のおねえさん、「このポイントカードは、3D映画に使えません」という・・・。

おいおいっ!別にワタクシは3Dを観たいわけじゃない。2Dで上映しないのはソッチ(劇場)の都合ですぜ。それに最近公開されるファンタジーやアクションは3Dばっかじゃん。。。

2秒ほどムカっとしましたが、事を荒立てずに「じゃ、バイオハザードではなく、TSUNAMIでお願いね♪」と軽~く方向転換のワタクシ with ニコッと笑顔。窓口のおねえさんは、思いっきり無視。こらーあ!

てなわけで、韓国のディザスター(災害)ムービー、TSUNAMIを拝見した次第であります。

TSUNAMI -ツナミ- 2009年韓国

監督 ユン・ジェギュン、出演 ソル・ギョング、ハ・ジウォン、パク・ジュンフンほか

津波P.jpg韓国のTVドラマには食いつけないワタクシですが、映画は別。とりわけ狂気の人間愛憎劇に強く心惹かれます。たとえば「オールド・ボーイ」「スカーレット・レター」「親切なクムジャさん」「シルミド」・・・憑依したかのような俳優さんのやり過ぎ演技(素?)に、うーん、このジャンルでは日本は絶対に韓国に勝てんな・・・と、毎回痛感です。

一方、韓国の恋愛ドラマは、私のメンタリティと相いれないようで、ベタさと、お決まり設定にゲンナリが多い(もちろん例外はあります)。

今回の「TSUNAMI(津波)」。題名まんま、よーするに韓国の大都市、釜山(プサン)に高さ100m、時速800km(!)の”メガ津波”が押し寄せ、ビルも家も人も流しちゃう、という自然大災害のオハナシです。韓国のパニック映画って、これまで観た記憶がないのでワクワク・・・。

さっそく感想を。

類似の米映画「デイ・アフター・ツゥモロウ」とつい比べちゃうんですが、どうしてどうして「TSUNAMI」は凄かった。負けちゃいけませんでしたね。ドラマ部分は後述しますが、CG津波の迫力、半端ではありません。圧倒的水量が街を襲うシーンは、かなり金を使ったな~という感じ。

津波災害を研究した成果でしょう、やみくもに大波が襲ってくるのではなく、リゾートビーチの水際がいったん沖にぐぐーっと下がり、「およ?」と間をつくってから、やおら真打(大津波)が登場する!演出が上手いですなあ。

役者がビシャビシャになる実写場面を比較します。ハリウッド映画だと、プールの水をひっくり返したような映像が、いかにもスタジオ撮影ですが、「TSUNAMI」は街に流れ込む水がちゃんと「濁流」です。つまり泥水。濁った水流に木の箱とか、看板とか、人の死骸なんかが、どぉーと流れている。

こうした「こわだり」が個人的にツボにはまりましたねーー。丁寧につくっている感じがするじゃありませんか。

ビルにいた人たちは、高いところを目指して必然、屋上に避難しちゃうのですが、なにせメガ津波はビルをまるごと飲み込むほどの高さです。そのうえ繰り返し襲ってくる。この場面では、1回目の津波が通過したビルの屋上に「泥」が広く溜まっているんですよ。アメリカ映画なら、そんなディテールは演出しないですよ。そこかあ?と言われそうですが、細部への気配り、良いじゃないですかあ!

津波3.jpg

ところでこの映画、津波がくるまでの「前段」が1時間以上あります。そこではフツーのホームドラマが展開されているのですよ。この箇所は、少々、コメントがやっかいです。

「日本沈没」と同じく、異端の地質学者がメガ津波を予測し、政府に働きかけるが全く相手にされない・・・という定番ヤリトリはあるものの、彼(学者)は主役ではないのです。

主役は市井の人々です。元漁師マンシク(名優ソル・ギョングさん)と海難事故で親を亡くしたヨニ(美人のハ・ジウォンさん)のブキヨーな恋愛模様が軸です。そこに魚市場をつぶし、リゾート開発という社会派テーマが絡みます。さらに、マンシクの弟は海難救助隊員、つまり「海猿」しており、さらにさらに、海猿君は加藤あいよりブサイクでナマイキな予備校女と出会い、金持ちの嫌味なボンボンとの三角恋愛模様の青春劇を展開・・・・。

ちょっとお~、ネタをテンコ盛りにしすぎじゃん?

良く言えば一粒で二度美味しいグリコ、だけど、悪く言えば余計なオカズ。なにせ長いホームドラマ部分は津波自体と直接関係なく、随所に漂う70年代の日本のホームドラマ的コミカルテイスト。主人公は石立鉄男かあ?しかしそんなカラミも空しく、結局のところは、これ。

ま、いろいろあったけど、最後は津波が押し流しちゃいました。チャンチャン

生き残る人は生き残り、死ぬ人は死ぬ・・・ハリウッド映画にはない、東洋的諸行無常テイストです。ペキンパー監督作品の題名「わらの犬」を連想しました。中国の哲学者、老子いわく、「天地は非情であり、万物をわらの犬のようにあつかう」。ああ、わらの犬。ストロー・ドッグ。

主人公(?)マンシク、恋人ヨニを絶対絶命のピンチから救うのかと思いきや、そんな「映画のヒーローみたいな活躍」はありません。逆に親戚のおじさんに助けられ、セミのように電柱にしがみついた状態で、濁流に流された親戚に向かって「おじさん~、おじさん~」・・・うーん、リアル、ここに極まれり、ってかあ。ちょっと違うような気もするけど・・・。

津波2.jpg

いろいろ書きましたが、マンシク役のソル・ギョングさんは「シルミド」のシリアスな雰囲気から一転、人の良いビンボー人を見事に演じ、でも要所で目の光は凄いっ。さすが名優!(以下の写真は「シルミド」から)

ハ・ジウォンさんは、TVドラマ、ファンジニの主演女優ですね。こちらさんもビンボー人役ゆえ、ほぼスッピンの熱演ですが、それでも美しいですねえ。

津波4.jpgハジウォン.jpg

つかみどころのない面もありますが、メガ津波の映像迫力に「おおっ」と驚き、ホームドラマにジーンとなる(?)、ハリウッド映画とは違った切り口のヒューマン・パニック映画でありました。

ポイントカードで「ただ」で観たし、良いんじゃないですか~と申し上げておきましょう。


nice!(1)  コメント(7)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 7

azm

ども!ハ・ジウォン(河智苑って書くそうです)さんが出ているんですね。井森美幸さんではないですよねっ。
津波のディティールを描写しているとのこと、これは一見の価値ありですね。津波は壁でおそってくると言うよりも、ぐわわーと海面が山のようにせり上がってくるのが本当ですね。って見たことはありませんが。そして濁流です。スマトラやインドネシアの津波を見れば分かりますね。濁流がバスや家の残骸と一緒に流れてくるんですね。あーこわ。
ちょっと見てみたくなりました。
by azm (2010-10-03 01:40) 

ふくずみ

こんにちは。
本題とは無関係ですいません。
バイオハザード4について、「金を出してまで観たくはないタクランケ映画」と断じておられることに思わず拍手です。3Dだからって、あれで2100円はないですよねえ。
TSUNAMIは観てないので、こんなコメントで失礼します。
by ふくずみ (2010-10-03 10:03) 

アッシー映画男

To azm様、コメントありがとうございます。
ハ・ジウォンさん、井森美幸さんではなかったですが、ちょっと松嶋菜々子さんが入っていました。場面によっては松たか子さんも入っていたようです。
津波のCG映像はなかなか凄いのですが、なにせ「前段」のホームドラマ時間が長いので、津波シーンはけっこう短いのです。

つまり、津波に襲われた人々の必死の脱出劇、なのではなく、いろんな人たちの普通の人生が、最後に津波に飲み込まれる・・・という展開ですね。
でも、津波がメインか、ドラマ部分がメインか、ちょっと中途半端な気分でした。

やっぱり、「グエムル」のように映画の冒頭から脅威の主が、ガンガン前面に出てきて突っ走るのがいいなあ~~。
by アッシー映画男 (2010-10-03 14:37) 

アッシー映画男

To ふくずみ様、コメントありがとうございます。
あはは、「バイオハザードⅣ アフターライフ」もしっかり拝見しましたよ。
結果は、やっぱり2100円出して観るものじゃないなあ・・・と。

そちらの記事も、今週中にはアップしたいと思います。
お楽しみに・・・(って、楽しみにはしないですね)。
by アッシー映画男 (2010-10-03 14:40) 

亮

こんにちは。

最近、忙しくて、なかなか、こちらにもうかがうことができません。
出張がおおいんですよ。

で、自分もポイントが溜まってるんです。
時間があれば、この映画みますかね。
いや、宇宙戦艦やまと もありますよ。

この映画もやまともバイオハザードも同じと思っているのですが、いかがでしょうか。
by (2010-10-03 16:50) 

アッシー映画男

To 亮様、コメントありがとうございます。
出張が多いのは大変です!無理せずリラックスして、ごゆるりと・・・無理か。
ポイントが溜まったときには、期待薄の映画を観たほうがよいと思います!
ヤマトはなかなか良いのでは?と思っているのですが・・・・。
by アッシー映画男 (2010-10-04 22:35) 

アッシー映画男

To ベン獣様、nice、ありがとうございました。
by アッシー映画男 (2011-02-11 18:34) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。