映画 「マチェーテ」 デ・ニーロさえも脇役に押しのけ、ダニー・トレホさんの堂々たる主演アクション! [映画]
前回ブログ更新が10月28日・・・おお、約1か月振りの更新!定期読者はいない(と思われる)本ブログですが、一応、ご無沙汰してすいません。
11月上旬に自宅を引越しバタバタしていたのが主因ですが、それとは別に、新居の界隈に映画館が無いのがイタイ・・・正確に言えば、あるけど少々遠い。なにせこれまでは徒歩でシネコンに行けましたからねえ、「映画ファン的には」不便な新居なんですよ。
そんなことも言ってもいられません。新たな映画館開拓に乗り出します。通勤路を迂回し「こち亀」で有名な、JR常磐線(千代田線?)の亀有(かめあり)駅で下車。徒歩3分のMOVIX亀有に行ってきました・・・って、映画館のハナシはどうでもいいですね。ははは。
さて本日ご紹介の作品は(上映終わってて恐縮ですが)、ロバート・ロドリゲス監督、主演ダニー・トレホ、知ってる人はメンツを見ただけで血が騒ぐであろう、B級テイストのアクション大作「マチェーテ」であります。
ダニー・トレホって誰だあ?なんて言ってる人、まさかいませんよね?困りますよ、そんな低アンテナっぷりでは!
見るからに武骨、兇暴なご容姿で、多くのB級(失礼)映画でステキな脇役(ほぼ悪役)を演じてきた66歳!出演数の膨大さから「アメリカの田口トモロヲ」と勝手に私が呼んでいる御仁です。ちなみに今年公開された「プレデターズ」でも、”彼らしい”雄姿をみることが出来ますぞ(当然、脇役です)。
2007年、ロドリゲス&タランティーノ監督の確信犯的チッキュでチープな2本立て映画「グラインドハウス」で流れた”偽の”映画予告編「マチェーテ」でブレイク(?)。予告編から、あれよあれよと本編が出来あがったというわけ。日本の諺では、これを「ひょうたんからコマ」という・・・ま、それは良いとして。
ロドリゲス監督といえば、なんでもありの無礼講な痛快作が大好きですが、”やり過ぎ”についていけないケースもあり(「デスぺラード レジェンド・オブ・メキシコ」など)、少々、不安な気持ちで映画館へ向かったのであります。
マチェーテ 2010年米
監督 ロバート・ロドリゲス&イーサン・マニキス 出演 ダニー・トレホ、ジェシカ・アルバ、ミシェル・ロドリゲス、ステーヴン・セガール、ロバート・デ・ニーロ、リンジー・ローハンほか
いやあ、驚きました!これほど面白いとは!本作を見逃した方、実に残念でした(合掌)。
メキシコとアメリカの国境を舞台に、元連邦捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)が巨悪に挑む!(おっと、一行で映画を総括してしまった!)
捜査官時代に、妻と子を麻薬王トーレス(ステーヴン・セガール)に殺され、怒りと恨みを持ち続けながらも、生きるために日雇い労働者にまで身を落としたマチェーテ。違法移民締め出しに野心まんまん(実は悪党)の上院議員(ロバート・デニーロ)の暗殺を引き受けたことから、陰謀渦巻く世界へいやおうなく巻き込まれます。
移民たちを守る地下組織の首領ルース(ミシェル・ロドリゲス)。実直な正義の捜査官サルタナ(ジェシカ・アルバ)らを加え、ワクワクドキドキの大活劇が展開します。撃ちまくり、爆発しまくり、収拾つかないドンパチ状態を締めるのは、善代表のダニー・トレホさんと、悪代表のステーブン・セガールさんの刀を使っての一騎打ちなのだ!
それまでさんざんマシンガンで撃ちまくっていたのに、「刀」ですかあ?・・・と、セガールちっくなテイストも嬉しいですよねえ。ちなみに題名であり主人公のニックネームでもある”マチェーテ”とは南米で使われる刃の大きな刀のことだそうです。
いずれにしても、オスカー俳優ロバート・デ・ニーロを尻目に、B級俳優(?)どうしがスクリーンを支配する様は、千葉ロッテマリーンズ日本一に匹敵する「下剋上」的痛快さ。
お約束とはいえ「どうしてそうなるの?」とツッコミせざるをえないエンドシーン。ジェシカ・アルバちゃんが、マチェーテにメロメロになってバイク上で「正対」して闇夜へ消えていく・・・おいおいっ!ねえさん!そのオッサン、66歳だぞっ・・・って俳優の実年齢を言ってどうする。ジェシカ・アルバちゃんの熱烈ファンのワタクシとしては、納得できかねる展開ではあった。
すでにかなり書いちゃいましたが、とにかく出演者がスゴイ!主演ダニー・トレホさんのことは後にして、まずは脇役。これが実に良いんです。「良い」という意味は、顔見せで終わらずに、それぞれが見事に役にはまっててイキイキと楽しそうだから。映画は俳優が楽しむものではなく、観客が楽しむものだろ!というご批判あろうかと思いますが、「俳優が輝いていないと」映画はダメですよ~~。
ジェシカ・アルバちゃんは準主演級の大活躍です。頑張っているけどイマイチな若手捜査官。予想不能なマチェーテに翻弄される「いいヤツ」がはまって、笑顔は当然GOOD。出産のハンデ(?)を感じさせない可愛らしさにマチェーテでなくてもヨロっときますわなあ。
目力抜群のミシェル・ロドリゲスさんはお約束どおりの強い姐御(あねご)を熱演。顔面を撃たれても復活するゾンビ!?なパワーがスゴイ。ラストの銃撃戦でのへそ出し=無意味なセクシールックスに監督のサービス精神をみた!いいんじゃないですかーーー。
小心でズルがしこい政治家役を、本来ありえない超ビックネーム=ロバート・デ・ニーロが決めてくれるのも嬉しい!処世術でコソクに銃撃戦を生き抜いたものの、もちろん・・・ですよね!デ・ニーロにとっては端役といっても良いわけですが「ジャッキー・ブラウン」と同様、”主役でない楽しさ”をご堪能されているようで。いいねえ。
で、いよいよ主役二人。
マチェーテ=ダニー・トレホさんと、宿敵トーレス=ステーブン・セガールさん!!
はいっ。ワタクシの文章力では、本作の彼らの魅力を伝えきれません。
脇役街道をまっしぐら、主演などありないとご本人も思っていたであろうトレホさん。
一方、ここ何年、米国で劇場公開作のない(ビデオ・ストレート作品のみ)「過去のスター」セガールさん。
お二人の豪華(?)対決は、「椿三十郎」の三船敏郎と仲代達矢に匹敵する、映画史に残る名シーンとなりましょう・・・・ならないか。
てなわけで、どこを切ってもロドリゲス。なんだかわからんけど溜飲下がった「マチェーテ」。無茶苦茶なストーリーにもなんのその、個人的に120点を差し上げましょう!パチパチ。予告編は以下であります。
「ガンガンいくぞーー!」という雄たけびが聞こえそうなトレホさん。いいねいいね!
正義役ばかりのセガールが悪役で、ほとんど悪人役のトレホが善人というところが興味津々です。といっても私もこの映画、見のがしていますが。そんなに面白かったとは!
by ふくずみ (2010-11-30 19:37)
To ふくずみ様、コメントありがとうございます。
おお、言われてみればそうですね。悪役俳優と、善人俳優の役が入れ替わっていますねえ。
セガールの悪党ヅラがあまりにもピッタリだったので意識していませんでした。
ちなみにダニー・トレホさんは基本、表情に変化なし。
セガールをしのぐブッチョーヅラが爽快でしたよーーー。
映画の最後に、スクリーンに続編ご案内(文字だけの静止画像)が出ましたが、これがまた「偽」なんでしょう。なーんて言っていると、寅さんなみに続編が続いたりして。。。
by アッシー映画男 (2010-12-02 05:40)
To Yakoha様、niceありがとうございました!
by アッシー映画男 (2010-12-02 05:41)
To Chronus様、nice、ありがとうございました~~。
by アッシー映画男 (2010-12-02 05:42)
おひさしぶりです。cozyです。
ダニー・トレホとはしぶいですね!
先週末、川崎をふらふらしているときにこのブログを思い出して
チネチッタをのぞいたところ、おっさんヒゲつながり?で
「極悪レミー」
を観てしまいました。観客10人程度だったでしょうか!
ファン以外にはつまらない、ありきたりのドキュメンタリーでしたが、
レミー(モーターヘッド)の魅力はブレないところと再確認です。
by cozy (2010-12-10 20:28)
To cozy様、コメントありがとうございます。
「極悪レミー」、やはり行きましたか!
ワタクシは渋谷のシアターNで観ようとしたのですが、時間が合わずに保留という状態です。そうかあ、川崎のチネチッタで上映していたのですね!
観客10人とは悲しいですが、レミーなら「観たいヤツがみればいいさ」というスタンスでしょう。
そうえいば、モータヘッドのアルバムも全然聴いてないな~~、
でも今年発売されたSLASHのソロアルバムで、レミーが1曲歌っていましたね。彼のご健在っぷりには嬉しくなります。(ついでにイギー・ポップさんも・・・ま、それはどうでもいいですが)。
ダニー・トレホと、レミーの「ひげつながり」は鋭いですねえ。似ているようで、似ていないようで・・・微妙だあ。
by アッシー映画男 (2010-12-13 05:00)
見ました。
マチェーテ凄腕なのはわかりますが 捜査官としての正義感ゆえと名うってますが オープニングでのあのグロい殺戮シーンも 正義感なの?って疑問に思いました。
リンジー 裸になりましたねぇ~~
バックで流れていた 音楽で 早口で
「マチェテマチェテマチェテマチェ~テ」 と歌流れていて マチェーテの本領発揮を表現してます。
最後に 移民取締りの議員役のデニーロ。
アプローチ役づくり俳優に こんなクソ議員役はもったいないって・・・・
そんなのは ハリウッドでも落ち目になってる俳優か、宣伝範囲のせまいテレビ映画に出てる ミニ俳優にやらしておけって いいたいです。
by zebra (2012-09-03 00:26)
To zebra様、コメントありがとうございます。
ロバート・デ・ニーロさんは、もう十分にグレートな俳優と自他ともに認めているので、「ちょっと違う役(ちょい役で小悪党)」なんかもやってみました、みたいなノリなのでしょうね。
ただ、最近のデ・ニーロさんは、そんなギミックに走らなくても、そのままで十分に「なんとなくイマイチ」「昔の名前で出ています」みたいなお寒い感じがあるので、これ、かなり微妙ですよね~。
別の映画のハナシで恐縮ですが、80年代に大活躍していたリチャード・ドレイファスが、アクション映画の小物悪党(当然脇役)で出ているのを観たときの悲しいレベルに近づいているのかもしれません。
それに比べて、トレホさんの右肩上がり(?)の俳優人生!
なんと見事な。
by アッシー映画男 (2012-09-05 22:28)