SSブログ

映画 「グリーン・ホーネット」 期待とは大きく違った下品でナンセンス・コメディ調の仕上がりに個人的にはガッカリ・・・ [映画]

グリーン・ホーネット、公開待ってました~~。マスクで顔を隠した正義のヒーローコンビが、街の悪に鉄拳を食らわせる!30年以上も前のハナシですが、毎週「グリーン・ホーネット」のTVシリーズ放映が楽しみでした。なにせ、主人公ホーネットの相棒カトーを演じていたのはブルース・リーでしたから~。ストーリーはしょぼしょぼでも、ブルース・リーがカッコよい、それでOK!ってことでね。

まあ、昔話は良いとして、リメイクされスクリーンによみがえった「グリーン・ホーネット」。大好きなミシェル・ゴンドリー監督、ヒロイン?にキャメロン・ディアズ、悪役に「イングロリアス・バスターズ」の驚異的名演でオスカーまでゲットしたクリストフ・ヴァルツ・・・とくれば、期待しないヤツぁ、どうかしております。ワクワクしながら出張先の近く、さいたま新都心のMOVIXへ向かったワタクシでありましたが・・・・。

グリーン・ホーネット 2010年米

監督 ミシェル・ゴンドリー 出演 セス・ローゲン、ジェイ・チョウ、クリストフ・ヴァルツ、キャメロン・ディアズほか

グリーンホーネットP.jpg分析調で恐縮ですが、本作を観て感じたこと。アメコミ・ヒーロー映画が大氾濫したため、新たに類似の作品を撮るときには「どのようなテイストにするか」という点がひじょうに重要ですよね。

グリーン・ホーネットの骨子はアメリカンヒーローのモロ典型なんです。昼は大新聞社の社長であるブリットが、夜はマスクのヒーロー=グリーン・ホーネットに「変身」し、相棒のカトーとともに、007も顔負けのウエポンカーで夜の街に繰り出し悪を滅ぼす・・・あれ、それってまるで「バットマン」じゃん。主人公が大富豪、という点では「アイアン・マン」もソックリだね。要するに、この手の映画に”ありがちな設定”ってことなんです。

こうなると、製作側は「他のヒーローとの差別化ポイント」という難問に挑まねばならないわけです。いや、それ以前に、「どのようなテイストに仕上げるのか?」という方向性を決めねばなりませんよね。

「バットマン」シリーズのように、シリアス&ダーク路線でいくか?

「デアデビル」のようにウエットテイストでいくのか?

「スパイダーマン」のように、主人公の迷いや弱さをからめた人間ドラマを展開するのか?

「アイアン・マン」のように、有無を言わせぬパワーで押しまくるか?

あるいは「ウオッチメン」のように、思いっきりエキセントリックに攻めるか?

選択肢は様々ですが、何をどう勘違いしたのでしょうか、本作のスタッフはとんでもないことをしてくれました。下品系コメディアンを主役に据え、愚にもつかないナンセンス・ドタバタ・コメディに染め上げたのです。ああ~~、個人的には、それだけはやって欲しくなかったんすよ。

グリーンホーネット2.jpg

主演のセス・ローゲンってアメリカでは人気者(らしい)ですが、だからといって、グリーン・ホーネットにするのはどうかと思います。

彼の演じる主人公ブリットは完全無敵の「ダメ男」です。傲慢で、小心者で、バカで、下品で、見栄っ張り。父の死により、新聞社の社長の座が転がりこんできますが、キャメロン・ディアズ演じる秘書にはセクハラまがいの暴言連発。さらにホーネット(正義のヒーロー)になってからも、相棒カトーに対し嫉妬したり差別的発言まで・・・ヒーローとはいっても武術も運転もからきしダメでして、毎度毎度、拳法の達人である相棒カトーに助けてもらっている体たらく。

精神的に大人になれないボンクラ中年男の成長ドラマ(?)という切り口に、こりゃ、ヒーロー映画というより、ある意味、映画「普通の人々」を凌駕する深遠な人間ドラマ??

それにしても苦い・・・三流喜劇に味付けされたグリーン・ホーネットは。だって主人公がカッコわるいんだもの。よーするに「おれたちひょうきん族」のタケチャンマンなんですもん。

セス・ローゲンのぼやけた風貌&中年太りを一目観たときから「ウィル・フェレルに似とるな・・・」と感じたのですが、そう、本作はウィル・フェレル主演「俺たちフィギュア・スケーター」とおなじ匂い(加齢臭?)がしましたね。ちなみに「俺たちフィギュア・スケーター」はホーネットとは違って、バッチリとツボにはまった名作です、念のため。

すっとぼけた方向性と、セス・ローゲンのイタイ芝居の相乗効果で、大健闘のジェイ・チョウ(カトー役)にまで残念感が漂う始末です。さらに「どうしてそうなるのよ?」とツッコミたくなったのは、名優クリストフ・ヴァルツの良さが全然出ていないこと。ヒーロー側がボケならば、悪役は徹底的にシリアスに”怖く”描くというメリハリは思いつかなかったのでしょうか?

そういえばこの映画、脚本もセス・ローゲン。まったく、このオッサン、バカバカしいことをしてくれたものです。

グリーンホーネット1.jpg

想像するにアメリカ人ならセス・ローゲンの「(下品な)芸風」という予備知識があるから、本作を楽しめるのでしょう。でも、こちとら日本人ですぜい。アメリカの内輪ネタに付き合わされて1800円かよ?こうなったら日本も対抗して、ルー大柴さんを主役にした「ルー語」連発ヒーローでも作ります?アメリカ人は、ぽか~ん、でしょうね。あ、それだと日本人も、ぽか~ん、かな?

ということで今日の締めの一言はコレ!

モノには「限度」というものがあるでしょう?プンプン!


nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 3

azm

ども!グリーンホーネット、懐かしいですね。
30年というか40年以上前のような気が。小学生の頃TVで見た記憶があります。地面がどんでん返しのようにひっくり返り愛用のウェポンカー?が登場するのが印象的でした。
無口な?(そんな記憶)のカトー・リーさんもいて、どちらかというとダークな感じだったかと。
今回のはテイストは全然違うんですね。残念!
by azm (2011-01-29 10:14) 

アッシー映画男

To azm様、コメントありがとうございます。
そうですね~、TVシリーズ、40年前くらいかも・・・TVシリーズのほうはシリアスとまでいかずとも、すくなくともオチャラケではありませんでしたね。
正直、映画「グリーン・ホーネット」は絶望的に脱力しましたね。
子供だましにしては品が無さ過ぎるし、展開もベタベタでげんなりしてしまいました。
2011年は少々、映画ではずし気味ですので、ここで一発逆転となるよう、少し観賞本数を増やそうと思っています。
なにごとも、数をこなさないと当たりも得られない、ということですね~。
by アッシー映画男 (2011-01-30 21:12) 

アッシー映画男

To YaCoHa様、nice、ありがとうございました!
by アッシー映画男 (2011-02-11 18:27) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。