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音楽 究極のチェロ・メタル軍団の最高傑作を!! [音楽]

前回紹介した「FRAT 戦慄の武装警察」。奇特にもTVで観た方々から、「B級じゃん!」と苦情が来ちゃいましたあ。どうする---スイマセン、これに懲り、自分が観てない映画は記事に書かないようにします。とほほほ。。。のっけからお詫びかよ!(個人的には、そんなに悪い映画とは思えませんがね)

今日は、気分一新で音楽ネタです。一筋縄ではいかないワタクシのお薦めハード・ロックCDを、ご紹介しましょう。

ワールド・コライド

 by APOCALYPTICA(アポカリプティカ)

2007年発売/ジャンル: チェロ・メタル

ご存じない方には、このサウンドは到底、想像つかないと思います。

APOCALYPTICA(アポカリプティカ)「チェロ3人+ドラマー1人」の四重奏バンドです。その構成で、なんと、バリバリのハード・ロック/へヴィ・メタルを演奏するんです。彼らのためにチェロ・メタル、という言葉ができたくらいです

インスト中心ですが、ゲストシンガーを加えたヴォーカル曲もあります。

クラシック教育を受けたフィンランドのチェリストで結成、93年のデビュー当時は、チェロだけ4名構成でキャリアが始まりました。すさまじい超絶技巧には驚きましたがチェロだけではパンチ不足が否めず、「何かが足りないなあ」という感じで感動までは至りませんでした。

彼らもそう思ったのか、02年のメンバー1人の脱退をきっかけに(?)、ドラムが加わり、現在の「チェロ3+ドラムス」構成に変身これで一気にハードロック感がアップし、一流バンドにも比肩しうる「本物」のメタル・バンドに生まれ変わりました

イメージは、チェロ3名がベース、バック・ギター、リード・ギターを分担し、弓を使ったクラシック的流麗な音色もあれば、ザクザクと荒々しくリフを刻むギターっぽいプレーもあり。果てはイングウェイ・マルムスティーンやリッチー・ブラックモアばりのソロも披露します(ほんとに、この音はチェロなの?とビックリ)。

世の中の凡百メタル・バンドなど吹き飛んでしまうほどの、ハードかつパワフルなサウンドには感服します。

で、07年発売のアルバム「ワールド・コライド」です。

全編、アポカリプティカのチェロプレーが素晴らしいのは言うまでもなし!寸分の乱れのない地に足がついたプレーの安定感に支えられ、ロックの激情を満喫できます。聴きとおすにはエネルギーがいりますが、この作品を聴いた後に「普通のロック」を聴くと、いかに軽く感じられることか。。。。

今回のアルバムは、ゲストプレーヤーが素晴らしいので以下に紹介しておきます。

2曲目「グレイス」はアポカリプティカが初めて「本物のギターサウンド」を加えた作品。弾くは日本が誇る(?)元BOOWYの布袋寅泰!町田町蔵を殴ってから見かけませんでしたが、こんなところで、こっそりと。。。悪い奴ですが、ギターの腕は一流。ロマンティック・テイストにしびれます(布袋ファンには物足りないか?)

3曲目は、仮面集団スリップ・ノットのボーカリスト、コリィ・テイラーが抜群の歌唱を聴かせます。凄い凄い!

5曲目「HELDEN」は、デヴィット・ボウイの「HEROES」を、ラムシュタインのディル・リンデマンがドイツ語で歌いますチェロの音色がブルータルな雰囲気を醸し出すなか、ディルの低音(低温?)歌唱が加わって、ラム好きも必聴の仕上がり。ちなみに、ラムシュタインは超過激ステージで有名なドイツ出身のダーク&重厚メタル・バンド。英語以外の言語(ドイツ語)で歌って世界的評価を勝ち得た稀有なバンドです。それだけ凄いってことですが。。

10曲目「S.O.S」は、成長著しい女性メタル・シンガー、クリスティーナ・スカビア(Lacuna Coil)をフュチャーしたバラード曲。良い!!彼女の声の透明感がチェロ・バックで引き立ち、雰囲気満点。ただし、サウンド的にはアポカリプティカらしい目立った面白さはないです(ボーカルに遠慮したかな?)。

まあ、そこらはインスト曲の方で堪能しろ、ということなのでしょうね、と納得です。

とにもかくにも、アルバム「ワールド・コライド」、素晴らしいバンドによる、素晴らしい企画、素晴らしい演奏、で、ここ数年に聴いたメタル・アルバム中でも最高評価を与えたい傑作でした。万歳!!!


<APOCALYPTICA/WORLDS COLLIDE 曲目>
01. Worlds Collide
02. Grace : feat. 布袋寅泰
03. I'm Not Jesus : feat. Corey Taylor (Slipknot/Stone Sour)
04. Ion
05. Helden : feat. Till Lindemann (Rammstein)
06. Stroke
07. Last Hope : feat. Dave Lombardo (Slayer)
08. I Don't Care : feat. Adam Gontier (Three Days Grace)
09. Burn
10. S.O.S. (Anything but Love) : feat. Cristina Scabbia (Lacuna Coil)
11. Peace
12. Ural (bonus track)
13. Dreamer (bonus track)

 


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音楽 ベースギターの天才娘、タルちゃんがすごい!! [音楽]

年始のクイーン以来の音楽ネタです。またまたマニアックでスイマセン。

今回は、昨年(07年)購入したCDから、秀逸なベーシストのリーダーアルバム、3枚を、どーーんと紹介しちゃいますよ。それぞれに良いんですなあ!昨年は「ベース当たり年」かも!

(1) TRANSFORMATION 

         by Tal Wilkenfeld

タル・ウィルケンフェルドは、オーストラリアの21歳の女性ベーシスト。CDジャケ写真で分かるように、とってもかわいくて、女子高生と言われても納得です(ユーチューブの動画でも、高校生っぽくてキュートです)。というわけで、親しみをこめ「タルちゃん」と呼ばせていただきます。

タルちゃん、ベースギター歴、たったの4年(!)で、ジェフ・ベックのコンサートツアーに抜擢されたり、チック・コリアと同じステージに立つなど、堂々たる経歴の持ち主です。実力は推して知るべしでしょう。

彼女の初リーダー・アルバムが「トランスフォーメーション」であります。ジャンルはフユージョンです。CDを聴いて驚きました、タルちゃん、小娘(失礼!)の容貌と裏腹にベースプレーはすごいんですよ!すごい、と言っても「むちゃ弾き」「ひけらかし」タイプでは決してありません。バンドをひきたてつつ、主張するところはする。バランス感覚抜群なんです。あえて、チョッピングを抑えぎみにして、ベースラインのセンスの良さで勝負する姿勢にも好感が持てます。

しかし、上手いねえ。私もベースやってましたが、4年でここまでになるとは、ほんと天才ですよね。

0.1tonの男さんの書き込みのとおりプレー・スタイルは、ジャコ・パストリアスに似たところがあるかも。ただし、ジャコは唯我独尊・強引に弾きまくる悪癖(?)がありますが、タルちゃんにはそんな出しゃばり感が無い。ますますタルちゃんへの好感度が高まりますね!

曲がいいのもうれしいっす。インスツルメンタル・アルバムは曲がつまらないと、どんなに良いプレイされても、聴く気がおきませんからねえ。

サポートプレーヤーの協力のもと、タルちゃんの良さがしっかり出たアルバムです個人的には、もうちょいプレーに冒険があっても良かったかなあ--と思いつつ今後のタルちゃんの成長に期待し評価は二重丸!といたしましょう!

補足: 本CDは輸入盤で、かなり大きなCD店じゃないと店頭購入は難しいです。ちなみに私は銀座の山野楽器のジャズコーナーで購入しました。

(2) イッツ・ザ・タイム by ロン・カーター 07年8月8日発売

ジャズ・ベースの大御所、70歳のロン・カーターさんのニュー・アルバムです。ロンといえば1963年に、20代の若さでマイルス・デイビスに抜擢された早熟の天才。タルちゃんとの共通点ですね。

まず、ジャケ写真。気負いなく椅子に座るロンのカッコいいこと!俺は俺だぜ、自然体で行くぜ!とばかりの自信に満ちているように見えます。ジャケだけで良いCDと確信できちゃうほどですよね。

演奏は、ワタクシごとき若輩者が、どうこういえるものではないです。安心して音楽に身を任せられるアルバム、と言っておきましょう。それでいて「枯れた感じ」とは無縁、ロンが今も現役バリバリであることを印象づけてくれます。

これぞ、ジャズの王道!お手本のような作品。

評価は文句なしの二重丸だあ!!

(3) ムーン・リバー by ニッキ・パロット07年12月19日発売

良いです。このアルバムは絶品です。

ニッキ・パロットはオーストラリア出身の女性ジャズ・ベーシスト&シンガー。なんとウッド・ベースを弾きながら歌う(弾き語り)、という珍しいスタイルです(ジャズの女性ベーシスト自体が珍しいけどね)。ジャケ写真を見るとなかなかの美人で、そこもいいねえ。

演奏ですが、ニッキのベースとボーカルの素晴らしさに正直、くらっときました。適度に甘く、うっとりさせる歌声。ベースは芯がしっかりしながらも温かな音色。一曲目のアルバム・タイトル「ムーン・リバー」が素敵。オードリー・ヘップバーン主演「ティファニーで朝食を」の主題歌であまりに有名ゆえ、どう料理するのか興味深々でしたが、彼女のアプローチは、至極まっとうなもの。メロディを崩し過ぎず、ポップともいえるさらりとした感じでまとめて小気味良い。それでいて、ばっちりニッキ色を打ち出していますからね、恐るべきこの才能と個性!

ニッキのベースとボーカルにからむのは、ハリー・アレンのテナー・サックス(これもシビレル!)。ピアノとドラムも絶妙。そしてギターを加えたのは慧眼といえましょう。ずっとこのまま聴いていたいなあ、と思わせる、癒しの世界です。

本作が初リーダー・アルバムのニッキ。あふれる才能と、筋金入りの実力は、この1枚で十分分かりました。評価は、もちろん二重丸!!とにかく早く次回作を聴きたい!!

 


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音楽 「クイーン」のTV番組で年始に盛り上がった顛末(その2) [音楽]

1月4日記事で、伝説のロック全米ベストヒットというTV番組ネタを書きましたが、引き続き感動した年始のTV音楽番組の第2弾いきたいと思います。

ロックに興味のない方、すいませんです。。。。知らない人名が出ても軽く流してくださいね(あるいは、WEBでチェックするのも楽しいですけどねー)。

「ロック・レジェンド/クイーン」

元旦11:00~14:00、TVK(TV神奈川)にて放映

年始はクイーンにドップリ!でした。クイーンといえばフレディ・マーキュリーの圧倒的な歌唱キャッチーでメロディアスな楽曲、独自のサウンド(ブライアン・メイのギター)、マンガチックなステージワークや奇抜な衣装フレディのタイツ姿が有名)で、70年~80年代を席巻したUKロックの金字塔です。

ワタクシ、小・中学生の頃「ボヘミアン・ラプソディ」「キラー・クイーン」に陶酔しきったクチですので、この番組は完全にツボにはまりましたぜぇ。

「ロック・レジェンド/クイーン」はトータル3時間を超す骨太な番組でした。

前半はメンバーの生い立ち、バンドの誕生から、世界的ロック・バンドへと登りつめるサクセスストーリー。熱狂的に盛り上がるコンサート映像をガッツリ紹介、インタビューやコメントも織り交ぜる豊富な内容で実に嬉しい!!

後半(第二部)は、80年代のロック多様化の中で、クイーンの葛藤、マスコミからの誹謗中傷、そしてフレディのエイズによる死が描かれます。もう、涙ですね。当時のクイーンが、どれだけ方向性に悩み苦しんでいたかを知りました。勝手な文句ばかりで、フレディさんに申し訳ないです。フレディさん、「ザ・ワークス」いいアルバムだね---と、フォローしてどうする!

 

それにしても、フレディ・マーキュリーという男の生きざま、クイーンの凄さに目を見張りました。ストイックな音楽への姿勢から生まれる過剰ともいえるファン・サービス。様式美にこだわるアートワーク、楽曲、サウンド。ローリング・ストーンズなどを信奉する自称「本格」ロックファンからは「クイーンは見た目だけのゲテモノ」とバッシングされます。

フレディ存命中にも「いまどきクイーンかよ!」と時代遅れと決めつけ敵視する空気があり、クイーンのファンは、しばしば「ケッ」と白眼視されました。たしかに80年代はパンク、オルタナ、グランジ台頭など「過去のロックが否定される」激動時代。徹底的にサウンドを作りこみ、流麗なメロディを奏でるクイーンに、風当りが強かったのも無理はありません。CMや映画音楽に彼らの楽曲がフツウに使われる現在でも評価(好み)が分かれている有様。毀誉褒貶がこれほど激しいアーチストもないでしょう。しかし、音楽のクオリティ、バンドの力量は、疑うべくもなく超一級です。

そして逆風のなか「クイーンであり続けた」メンバーはめちゃカッコ良くこれこそロック魂と言わずして、なんというのか!どうなんだ、エッ!?(つい興奮)

さて、番組に話を戻すと、91年のフレディの死の「あとの」映像もたっぷりでした

圧巻は、92年のフレディ追悼コンサート。DVDが出ていると思いますが、ワタクシははじめて観ました。ロックのみならず異ジャンルのアーチストも一夜限り、故フレディをしのんでクイーンの曲を歌いまくります(バックは、もちろんクイーンのメンバー)。参加アーチストの面々に驚きです。

デヴィット・ボウイは当然「アンダー・プレッシャー」を(ただ、そのファルセットヴォイスはやり過ぎだろ!)。ガンズのアクセル・ローズが暑苦しく歌う「ウィ・ウィル・ロック・ユー」もご愛敬(体育授業の学童白短パンはやめろよ!バカッ!)。そして、UKソウルの女王、リサ・スタンスフィールドの歌唱のクールなこと。トリを務めるライザ・ミネリ「ウィ・アー・ザ・チャンピオンズ」には、思わず「おおっ」と声が出ました。ライザは女優としても有名ですので映画ファンのワタクシ、しびれましたよ!

 

 しかしですよ(さらに興奮)、一番ツボにはまったのは、誰が何と言おうとワムのジョージ・マイケルの歌う「愛にすべてを(Sombody to Love)」。クイーンの熱狂的ファンだけあって、フレディが生き返ったか!と見まごうばかりの、なり切り熱唱です(外見ではなく、歌唱がね)。やるね、やるね!クイーンのメンバーも感動したご様子。ジョージ・マイケルをあまり好きでないワタクシでさえ、このパフォーマンスには鳥肌が立ちましたよ。これだけで番組の価値ありかも?

 

クイーンの偉業をなぞるだけでなく、ビックネームゆえの苦悩・葛藤まであぶりだした充実の内容。月並みな言葉ですが本当に素晴らしい番組でした。

「元旦からフレディ」の豪気な企画でワタクシのロック魂をゆさぶってくれたTVK(テレビ神奈川)には深く感謝です! 

蛇 足 :

クイーンの名曲はごまんとありますが、ワタクシのファイバリットは「懐かしのラヴァー・ボーイ(Good Old-Fashioned Lover Boy、1976年)「ラブ・オブ・マイ・ライフ(Love of My Life、1975年)」であります。渋めですが、前者はコーラスの妙、後者はフレディの歌唱、というクイーンらしさを堪能できると思います。またクイーンのメンバーでは、フレディ・マーキュリーも好きですが、職人肌のベース弾き、ジョン・ディーコンがワタクシは大好きです。

お薦めアルバムは、古典的ベスト「Greatest Hits」(下左写真)。それと、定番ですが、ヤッパリ名盤「オペラ座の夜」(1975年)でしょう!

その他、番外で紹介したいCDがあります。オランダのヴィジュアル系アーチストでクイーン信奉者でもあるヴァレンシア「クイーン/トリビュート・アルバム」。その名のとおり全曲がクイーンのカバーですが「ボヘミアン・ラプソディ」の完全コピー(打ち込み、サンプリング無し!)がスゴイ。だまされたと思って一度聞いてみてはいかがでしょう?(下写真)

蛇足の蛇足、で申し訳ありませんが、05年に、BAD COMPANYのポール・ロジャースをヴォーカルに迎え、「クイーン+ポール・ロジャース」という期間限定の再結成があり、ライブアルバムも出ました。まあ、何をしてもいいんですが、うすらひげのTシャツおやじのポール・ロジャースは、声質もさることながら、アーチストとしての美学がフレディと全く異なり、ワタクシは許容しかねます。自分の心の狭さは悲しいですが、ワタクシには、フレディがいないクイーンは、やっぱり考えられませんね。

 


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音楽 正月は、TVの音楽番組で盛り上がりました(その1) [音楽]

年末年始は、自宅(千葉県)に引きこもり、TVを観て、そばを食い、酒を飲み、たまに映画に出かけるという無為で幸せな生活を送りました。

本日は、年始にTVで観て感動した番組について書きます。(観てない方から「今更、紹介されても手遅れだ!」と怒られそうですが。。。)

紹介するのはロック、クラシックのマニア心をくすぐる番組です。年末年始のTVの音楽番組がこれほど充実しているとは全く知りませんでした。暇にまかせ番組表サーチして仰天した次第です。では、さっそくロックネタ、その1、をいってみましょう!

(1)伝説のロック全米ベストヒット スペシャルセレクション

NHK BS2で12月31日23:45~翌日1:15(前半)、後半は翌日放映。

米国ローリング・ストーン誌の「ロック名曲ランキング」結果に基づき、過去50年にわたるロック・ベスト100を紹介する、という意欲的な番組です。企画だけでワクワクしますねえ。

目玉は、とにかくライブ映像。MTVのプロモ映像でなく、ライブというのが嬉しい。3時間で100曲かけるのは無理ゆえ厳選した曲だけですが充実の内容に目をみはりました

50年代のジェリー・リー・ルイスや、プレスリーのクールなこと(監獄ロックの皮ジャン姿がいいねえ)。60年代のローリング・ストーンズビートルズは、古典といってもよいでしょう、曲もパフォーマンスも最高です(ポールやジョンが若いなー)。テンプテーションズキンクスレイ・チャールズは白黒かつ画質は悪いですが曲のノリがビシビシ伝わってきます。若きジェイムス・ブラウンのくねくねJBウオークに驚き、マイケル・ジャクソンの「ビリー・ジーン」でのムーンウオークの懐かしいこと!マービン・ゲイの汗臭いステージも感激です(タミアとのデュエットが聞きたかったけど、まあいいか)。

 

セックス・ピストルズのライブハウス映像を観て、故シド・ビシャスのパンク創始の功績は認めつつ、やっぱり自分にはついていけんなあ、と再認識。グランジ開祖のニルヴァーナの映像もいい。髪を赤く染めるのはどうかと思いますがやっぱりカート・コバーンはかっこいいっす!(若くしてお亡くなりになったのは本当に残念)

正統派サイモン&カーファンクルは名曲「明日に架ける橋」で登場。大会場(スタジアム?)の映像で、アート・ガーファンクルの美声の高音に改めてほれぼれ(ポール・サイモンが最初だけちらっと出て、その後映らないのが切ない)

で、この番組で発表されたロックベスト3は何か、といいますと、

1位:  ライク・ア・ローリング・ストーン by ボブ・ディラン

2位:  サティスファクション by ローリング・ストーン

3位:  イマジン by ジョン・レノン

でありました。うーん、順当といえば順当だけど、個人的にはちょっと微妙かなあ。(ボブ・ディランなら「風に吹かれて」、ローリング・ストーンズなら「黒く塗れ!」、ジョン・レノンだったら「マインド・ゲイムス」のほうが好みなんで。。。。)

 

というわけで、以下に放映映像のなかで、ワタクシが感動した3本を紹介しちゃいます!

まず1972年のスティービー・ワンダーの名作「迷信」。スタジオ・ライブ映像で、若々しいスティービーが、ノリノリにヘッド・バンキング(頭を振ること)しながらキーボードをひきながら歌い、トランペットとの掛け合いを展開します。ソウルフルでファンキーな演奏が盛り上がります。このグルーヴ感、ただ事ではありませんよ。(以下の写真は「迷信」が収録されたアルバム「トーキング・ブック」)

次の感動映像はザ・バンドの歌う「ザ・ウエイト」。ボブ・ディランのバックバンドを経て、代表的なアメリカン・ロック・バンドとなった彼ら。映画好きの方は解散コンサートをおさめた映画「ラスト・ワルツ」(名匠マーチン・スコセッシ監督)を覚えておられるでしょう。「ザ・ウエイト」は映画「イージー・ライダー」でも使われた68年の名曲でカントリー、フォークの要素に、ロックテイストも加え、単純ながら絶妙な味わいのザ・バンドの代表曲。映像ではメンバーの息のあったプレイに加え、会場のあたたかい拍手にジーンときます。レコードよりもこっちがいいなあ。

蛇足ですがザ・バンドのボーカル兼ドラムのレヴォン・ヘルムがスティーブン・セガール主演「沈黙の断崖」(97年)に出演していた事、知ってます?(そんなん知らん!と言われそう)

 最後の感動映像は、ザ・フーの70年代のスタジオ・ライブ。コアなロック・ファンなら、ザ・フーとくれば期待はひとつ!ですね!ワタクシは映像が始まったとたん、TV画面に向かって「ギター、壊せーーー」と叫んでました。そう、ザ・フーのステージといえば、ピート・タウンゼントが、最後にギターを床にたたきつけ、滅茶苦茶にぶっ壊すパフォーマンスが有名なんです。ワタクシ、見たことがなくおおいに期待しました、その期待は裏切られず、なんと、やってくれましたよ、ピート!ギターどころか、アンプ、ドラムまでひっくり返す大暴れ。演技ではなくホントに破壊してるもんね、あんた、それはやりすぎだってば!他のメンバーの、打つ手なしといった呆然状態が笑えます

ちなみに、ピート・タウンゼントは、悪いWEBサイトにアクセスし有罪になるなど人生苦労いろいろあったためか、数年前に「僕は、もうギターを壊しません宣言」というマジなのかギャグなのかわからない決意表明をして、ロックファンを困らせたものです。 

ロックベスト100企画は楽しめました!思い入れが強すぎ記事がかなり長くなりました。番組4つを紹介したかったのですが、今日は、このひとつで終わりです、続きはまたの機会にします。

なお紹介したかった他TV番組は、元旦TVK(テレビ神奈川)で放送された「ロック・レジェンド/クイーン」、NHK総合「輝く女性2007 ヴァイオリニスト神尾真由子」そして1月2日にMXTV放映の「指揮者カラヤン生誕100年特集」の中の「ツァラトゥストラかく語りき」の演奏(1987年、ベルリン・フィル)です。

カラヤンは批判も多かった指揮者ですが、R・シュトラウスは彼の得意中の得意の演目です。番組での放映の演奏は、あまりに素晴らしく誇張ではなく息をのみながら拝見しました(SONYのDVDと音源は同じ?)。「のだめカンタービレ」のファンの方でコンサートが面倒なら、ぜひ、こうした名演の映像を観て聴いて、いっそうクラシック音楽を好きになってほしいです

ではでは!


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音楽 レッド・ツェッペリンの最新ベスト盤に狂熱! [音楽]

前回のクラシック音楽記事は気に入ってましたが、予想通り、閲覧数激減しました。少々悲しいです。とほほほ。

今回は一転ハード・ロックのネタであります。11月14日発売のレッド・ツェッペリンの最新ベスト盤「マザー・シップ~レッド・ツェッペリン・ベスト」を紹介します(古い曲なのに、「最新」というのも妙ですかね)。

レッド・ツェッペリン(Led・Zeppelin)は、68年にロバート・プラント(Vo)、ジミー・ペイジ(g)、ジョン・ボーナム(Ds)、ジョン・ポール・ジョーンズ(b)で結成され、ドラムス(のボーナム)が事故死する80年までの12年間、世界のハードロックを牽引したイギリスの伝説的グループです。彼らの特徴はメンバー4人の個人能力の高さと、聴き手にこびない(ある意味、分かりにくいともいえる)孤高の楽曲群

特にジミー・ペイジは、ジェフ・ベック、エリック・クラプトンと並んで、3大ギタリスト、と呼ばれるほどの凄腕プレーヤー。くわえてボンゾこと、ジョン・ボーナムの超絶技巧のドラムスの素晴らしさ。ヴォーカルのロバート・プラントは、ハード・ロックを歌うために生まれてきた男といえましょう、唯一無二のハイトーン・ボーカルとクールなルックスにロック小僧は狂喜したものです

よって27年も前に解散したロック・グループでありながら、新たなベスト盤登場となると、どうしたってワクワクしてしまうわけです。

さて今回のベスト盤は「通常盤(CD2枚)」のほか「CD2枚+DVD1枚のデラックス・エディション」が発売されていますが、お奨めは、絶対にDVD付きの「デラックス・エディション」のほうです。

CDだけでも、もちろん名曲は十分楽しめます。「幻惑されて(Dazed And Confused)」「胸いっぱいの愛を(Whole Lotta Love)」「移民の歌(Immigrant Song)」そして、ギター小僧のコピー定番「天国への階段(Stairway To Heaven)」などなど。

しかし、なんといっても注目は映像(DVD)のほうですね。

ツェッペリンのステージ映像といえば定番「狂熱のライブ」があまりに有名ですが、途中挿入の寸劇(というか小芝居)のせいで興ざめの面、なきにしもあらず。今回のDVDは余計なもの一切なし、淡々とステージ・プレイを追う映像に好感が持てます。

必見ポイントは、やっぱり、ですが、ジミー・ペイジのギター・プレイ。神と呼ばれた男の変幻自在の技巧には何年たってもクラクラです。「天国への階段」のダブルネックギターを操る姿の様になっていること!ライブだけあってギターソロも盛りだくさんです(というか、ちょっとしつこいかな)。一方、ジョン・ボーナムの正確かつ強烈なドラミングもたっぷりと堪能できます。この映像で見れば、いまだに彼が史上最高のドラマーとみなされる理由も分かろうというものです。もちろん、ロバート・プラントの長い金髪を振り乱して歌う姿のカッコよさと、歌声に、改めて感動なのであります。

レッド・ツェッペリンなんて、知らねえよ、、、という若いロック・リスナーはもちろん、あらゆる音楽ジャンル愛好家に「伝説」を知っていただくために、是非、本作に注目していただきたい!と切に願う次第です。音楽の「世界遺産」と呼んでもいいのではないでしょうか?

ちなみに、ロバート・プラントは、つい先日、アリソン・クラウスと共演した「非ハード・ロック」CDを出しています。一言でいえば、フォーク系のまったり作品。これはこれでアリ、とは思いますが、レッド・ツェッペリンでの強烈な歌唱を思うと、「なんで、アンタ、そうなるのよ?」という失望を禁じ得ません。時代は変わる。ううう。。。。

 

 


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音楽 ピアニスト 河村尚子さんを大推薦!! [音楽]

皆様、関東も朝夕はさすがに寒くなりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

「1年間に劇場で映画100本観る」のがワタクシの目標ですが、本年は現時点で96本。予定達成できそうです。思えば今年拝見一発目が「犬神家の一族」、スケキヨ・マスクにゲンナリ、といった寂しいスタートでした。まあ、映画の話はまたゆっくりと。。。

今年発売された、レッド・ツエッペリンとローリング・ストーンズのベストアルバムについて熱く語る予定でしたが、急遽、変更、今回は、性懲りもなく「クラシック音楽」ネタであります(ブログの閲覧数が激減するので、正直、あまりやりたくないが好きなものは好きなんですな!)。

ワタクシいちおし若手ピアニスト河村尚子(かわむらひさこ)さんについて書きます。

河村尚子さん、兵庫県生まれ、現在20代半ばでドイツ在住。CD録音はありませんが、国際コンクールで受賞多数。ステージ・ピアニストとして海外でも国内でも大活躍しています。写真で分かりますように、彼女、大変に可愛いのであります。クラシックに食いつかない0.1トンの男さんも、くっすん赤福さんも、これでバッチリですな。

今年、河村さんの演奏を聴いた1回目は、6月の東京交響楽団とのコンサート(東京オペラシティにて)。曲はグリークのピアノ協奏曲イ短調。超有名曲ゆえ些細なミスも目立つ作品ですが、河村尚子さんの正確無比なテクニックにミスなどありません。メロウなフレーズはゆったり歌わせ、ピアニッシモは実に繊細、加速・強打時はガンガン攻め曲の陰影がクッキリ見事に表現されますピアノを弾く姿は全身全霊という感じですが、若手に多い「いっぱいいっぱい」な切羽詰った様子はみじんもなく、余裕たっぷりなのがメチャかっこいい!!聴いても観ても素晴らしく「安心して」拝聴することができました。なんだか分かりませんが、曲のラストではワタクシ、全身ブルブルしましたね

2回目にステージを拝見したのは11月の東京フィルとの共演。河村さんが弾いたのはモーツアルトのピアノ協奏曲23番(!)。ワタクシ、モーツアルト作品の中で「クラリネット協奏曲」「クラリネット五重奏曲」「フルート四重奏曲」「レクイエム」と並んでこの「ピアノ協奏曲23番」大好きなんです。(一般には20番、21番、25番あたりの評価が高いのでしょうけど。。。)

11月のステージでは、演奏前の、指揮者と河村尚子さんのトークが嬉しかった。河村さんは幼少にドイツへ移住、20年以上ドイツ在住なのに日本語の受け答えバッチリでした(そこに驚くのかよ?とつっこまれそうですが、日本在住20年なのに、まともな日本語しゃべれない日本人の若者って、けっこういませんか?)

河村さん、ユーモアもあり機転の利く方だなあ、と思いました。「最初はモーツアルトのピアノ協奏曲23番に馴染めなかった」という正直発言もナイス。蛇足ですが、やっぱり笑顔が可愛いですよお。

肝心のピアノ演奏ですが、6月のグリークに劣らず、完璧なテクニックと、柔らかなタッチで、過去に実演・CDで聴いたどの23番よりも素晴らしかった。第2楽章は、あらゆる音楽の中でも最高の、モーツアルトの天才を証明する美しいメロディが展開しますが、河村尚子さんの演奏聴いて、恥ずかしながら、ワタクシ、感動して泣いてしまいました

コンサートで泣いたなんて、一昨年のジューダス・プリースト復活公演(at 武道館)で、メタルゴッドことロブ・ハルフォードがハーレーに乗って出てきたとき以来かなあ。あとベン・フォールズのライブで、彼が、椅子をピアノに投げつけたときかなあ(そこで泣くかよ!?)

スイマセン。クラシックネタなのに、つい、ジューダス・プリーストの画像をつけてしまいましたそれも御大ロブ、お約束どおりハーレーに乗ってますね。。

話を戻しますが、河村尚子さん、本当に素晴らしいです。

海外の有名ピアニストが、往々にしてグダグダ演奏を展開することがあります。イングリット・ヘプラーの来日コンサートでは危なくブーイングするところでした。高い金を出し「枯れた」海外のビックネームを聴くくらいなら、河村尚子さんを聴こう!とワタクシは強く申し上げたい。

皆様、もしクラシックの、ピアノのコンサートに行こうと思ったら是非、ピアニスト河村尚子さんをネット検索して公演チェックください。彼女の演奏が素晴らしいことはワタクシ保証します(別に保証はいいか)。

あとは河村さんの録音(CD)が出ると良いなあ、と思っています。メジャーレーベルで窮屈な選曲させられるよりは、ヨーロッパのマイナーレーベルで自由に演奏してほしいなあ。頑張れ、河村さん!!!

てなわけで、今日は好き勝手書いたので、次回こそ、レッド・ツエッペリン、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトンのベスト盤のネタ、いきますよーー。ふふふのふ。

 


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音楽 ジャズ・ギターの名盤にビリビリです [音楽]

このブログも、おかげさまで閲覧総数が2000を超えました!パチパチ。。。嬉しいっす。紹介した映画を観た方から、感想をいただくなど、ホントにありがたいです(できましたら、メイルではなく、ブログにコメント書き込みいただけると、さらに嬉しいなあ)。

さて、今日は久しぶりにジャズのネタです。それもちょっと渋くジャズ・ギターがテーマです。

先月伺った山口県下関市のジャズ・バーで、お店のFさんがかけてくれたジム・ホール「アランフェス協奏曲」の紹介です。彼のギター・プレーに感激、関東に戻ってさっそくCD購入しました。名盤の誉れ高い1975年作品で、ワタクシがコメントするなど畏れ多いのですが、「いいものはいい!」わけで是非、紹介させていただきます。

そもそも原曲のクラシック曲、ロドリーゴ作「ギターとオーケストラの協奏曲」がワタクシ大好きで、その2楽章をジャズアレンジしたのがジム・ホールの本作です。クラシックのジャズ・アレンジ演奏はワンサカあありますが、ワタクシのようなクラシック・ファンには崩しすぎアレンジについていけない事が多いのです。しかし本作はクラシック原曲を生かしつつ、ジャズの自由さを適度に加え、まことにバランスが良いのです!

演奏ですが御大ジム・ホール様のくすんだギターの音色にビリビリしびれ、変幻自在の演奏にガツン!とやられます。サポートミュージシャンのフォローも最高。ピアノがローランド・ハナ、ベースはロン・カーター、トランペットにチェット・ベイカーとすごいメンツ。メンバー全員の音楽が溶け合って19分間を一気に聴きとおさせます。

アルバム収録曲にはコール・ポーター作曲「You'd be nice to come home to」もあり、これがまた良い。ジャズのスタンダードナンバーで、名盤「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズムセクション」 のペッパーのサックス演奏が忘れられませんが、ジム・ホールのギターは違った意味でツボにはまります。(余談ですがワタクシ、25年前にアート・ペッパーの演奏に感動し、アルト・サックスを買ってしまった恥ずかしい思い出があります、ギャー)。

 まとまりなくすいませんがジム・ホールの「アランフェス協奏曲」、ジャズファンでなくとも、一聴の価値あるアルバム。超お奨め!

ジャズ・ギターつながりでCD2枚を以下に紹介します。

ワタクシの個人的偏愛ジャズ・ギターアルバムは、あまりにベタな名盤ですがウエス・モンゴメリー 「フル・ハウス」です!

是非、ロック・ファンにも聴いて欲しい!ロックギタリストのビックネームであるリッチー・ブラックモアも、ジミー・ペイジも、エリック・クラプトンも、イングウエイ・マルムスティーンも、マイケル・シェンカーも凄いが(全くジャンル違うけど)、ウエス・モンゴメリーのギタープレイもいいよーーーーー。

さらに話は脱線ですがジャズ・ギターの大御所ケニー・バレルが、75歳の誕生日を祝して行ったスーパー・セッションのCD「オール・ブルース」が今年発売されました。さっそく購入です。

おおいに期待してCD拝聴、円熟のギターでメンバーとの丁々発矢のプレイに身も心もしびれる----予定が、聴いたとたん、松田優作のごとく「なんじゃ、こりゃ!?」と叫びたくなるユルユル演奏!軽い、軽すぎる!!どうしたバレル、ご隠居さんの趣味のギターか!?ハッキリ言って、こんなCDを出すと、過去の彼の偉業にもキズがつきます(言いすぎ?)。演奏しているほうはお祝い気分だろうけど、CD買う側の立場にもなってよ(涙)。発売元のEMIミュージックジャパンには猛省を促したいところです!

CDジャケの笑顔さえ、憎いわ!!!

最後は苦情で雰囲気悪くなりましたが、また、機会あればジャズCD紹介もしていきたいと思います。ではでは!!


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音楽 CD紹介!「イーグルス」28年ぶりのニューアルバム!ほか。 [音楽]

最近買ったCDの紹介をします。今月は、ロック、ヘヴィメタル、クラシックと当たり!でした。

(1) イーグルスのニューアルバムは、なんと28年ぶり!

まずは70~80年代を代表するカリフォルニアのモンスター・バンド「イーグルス」の、28年ぶり(!)の新作「LONG ROAD OUT OF EDEN」であります。

良くも悪しくもイーグルスらしい内容で、ワタクシと同世代のロック・リスナーなら涙腺をビシビシ刺激されることでしょう。2枚組ゆえ曲数は不満なしですが、強いて言えば「ホテル・カリフォルニア」や「呪われた夜」のような、「これぞ!」とひざを叩くキャッチーな曲が欲しいなあ。アルバム全体がマッタリしてメリハリが少ない気がしますが、ま、メンバー若くありませんし、そこまで求めるのは欲張りですね。

いずれにしても、イーグルス・ファンなら満足できる作品!イーグルス未体験の方は、本盤の前に、まずベスト盤「Greatest Hits」から聴いたほうが良いかもしれません

(2) メロデイック・パワー・メタルの強力盤が目白押し!

ドイツのヘヴィメタル・バンド、ハロウィン(HELLOWEEN)のニューアルバム「ギャンブリング・ウィズ・ザ・デヴィル」であります。

ハロウィンは1984年結成、1987年のアルバム「KEEPERS OF THE SEVENTH KEYS」でブレイクし、メンバー交代を繰り返しながらも現在に至るまで「ジャーマンメタルの雄」として第一線で活躍する超ベテランです。ハロウィンの良さは、高度な技巧で、臆面ないメロディアスな楽曲(アニメソングか?というくらい)を押し出すこと。そのあたりに期待しつつ、さっそく新譜を拝聴しました。

うーーん、さすがに20年選手だけあって貫禄あります。地に足のついた安心して聴ける作品。買って損なし!ですがハロウィンらしいベタでメロウな曲が少なく残念。スピード・チューンでのアンディ・デリスの絶叫系歌唱は個人的にあまり好みじゃないし。80~90年代のマイケル・キスク(94年に脱退したヴォーカル)の歌声がどうしても懐かしい。。見事な作品と納得しつつ、感動とまではいかず。。

次はハロウィン創立メンバーであり超絶技巧のギタリスト、カイ・ハンセン率いるガンマ・レイ(GAMMA RAY)のニューアルバム「LAND OF THE FREEⅡ」

ハロウィンを脱退したカイ・ハンセンのバンドのほうがハロウィンっぽいというのが皮肉ですね。メロディ良し、アレンジ良し、演奏良し、でも歌は下手(トホホ)なガンマレイらしい作品。典型ジャーマン・メタルを堪能させていただきました。

ヘヴィメタルアルバム最後は、ブラジルのバンド、シャーマン(SHAMAN)の3rdアルバム「インモータル(IMMORTAL)」です。ヘヴィメタル界を代表するビック・ネーム、アングラ(ANGRA)から脱退したメンバーが3年前に結成。昨年、ボーカルのアンドレ・マトスの脱退でバンド霧散か?と心配しましたが、新たなボーカルに歌唱力抜群のティアゴ・ビアンキを据えたニューアルバム登場です。

系列はハロウィンと同様メロディック・パワー・メタルですが、正直、ワタクシは、ハロウィンやガンマレイといったベテラン勢の新譜より、シャーマンの本作が好きです昔ながらのベタなメタル、といえばそれまでですが、なにせヴォーカルが上手い!親しみやすいメロディもナイスで、メタルに興味のない方でもこれならいけますよん!

 (3) J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」の超注目作!

シモーネ・ディナーステインの演奏が素晴らしい!!

バッハ作曲の鍵盤曲の金字塔「ゴルトベルク変奏曲 BWV.988は、どれだけの数の録音があるのでしょうか?私が持っているCDでさえ20枚ほどありますが、リリース全数は100ではきかないでしょう。

ピアノやハプシコード(チェンバロ)の正統な演奏から、アレンジ版では弦楽合奏、ギター、オルガン、アコーディオン、サックス、さらにジャズアレンジまである百花繚乱状態。すでにネタは出尽くして、これ以上の新録音は意味がないと思いつつ、新しいCDが発売されると、つい買ってしまいます。

で、今月はすごい録音が登場しました。アメリカの若手女性ピアニスト、シモーネ・ディナーステインの弾くゴルトベルク変奏曲です。

彼女のデビューアルバムだそうです。ワタクシ、評論家ではないので素晴らしさを文章に出来ないのがもどかしいですが、演奏に作為やケレン味がなく、じっくりと「曲に語らせる」、その見事な技。どうして、こんなCDが忽然と出るのか、クラシック界、恐るべしです。さらに驚いたのは宣伝文です、要約すると「シモーネ・ディナーステインは10年以上ジュリアード音楽院で学ぶが、コンクール暦は一切なし小学校教師の夫と、幼い子供と暮らしていたがセルフプロデュースでデビュー・リサイタルを開き大絶賛をはくす。曲はもちろんゴルトベルク変奏曲」とのこと---おいおい、お笑い芸人の下積み時代かよ!?と思わず突っ込みたくなる「苦労人ぶり」に感服です。いずれにしても、このCDは「買い」です!

ゴルトベルク変奏曲では、今年、面白いCDが出ました。グレン・グールドの名盤を「再創造する」という試みです

1955年のグールド盤(彼のデビューアルバム)は、好みは分かれましょうが、ゴルトベルク変奏曲の演奏史を一新した驚異的演奏と言われています。ただし、録音はモノラルで音質も酷い。過去にモノラル・マスターから疑似ステレオ盤も作られましたが、これも音質が相変わらず酷い。そこで今回のCDでとった手法は、グールドの音源を「Zenph(ゼンフ)」というプログラムで解析、キータッチ、音量、ペダリングまで綿密にデータ化。それを自動演奏ピアノで再現したのです。つまり音源はグールドの演奏ですが、演奏は自動ピアノがやってる、という事です。「それじゃあ、ニセモノじゃないか!」との声もありましょうが、音質悪いモノラルのオリジナル盤より、クリアなステレオ録音で聴く方が全然よく、ワタシクは、この試み、肯定的に受け止めています。 マニアの方なら、聴いて損はありませんよん。(J.S.バッハ: ゴルトベルク変奏曲 BWV.988 ~グレン・グールド 1955年のパフォーマンスによる再創造~ 2006年9月録音)
 

次回ブログ更新は12月1日予定です。また映画ネタ、となります。では!


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音楽 スコダさんのピアノコンサートの報告 [音楽]

本日は音楽ネタです。少々マニアックなクラシックコンサートの紹介です。ブログへのアクセス数が減りそうで心配ですが、好きなものは好き!なので、おつきあいを。。。。

ご紹介するのは、10月31日、初台(新宿)のオペラシティにおける、オーストリアのピアニスト、パウル・バドゥラ=スコダさんの「80歳(!)の記念世界ツアー」のリサイタルであります。

80歳に至るも毎年新録音のCDを登場させ、精力的にコンサートツアーを敢行するスコダさんのお姿にはただただ敬服です(上のチラシ写真どおりにお元気そうでした)。ワタクシは過去3回、公演を拝聴し、毎回大いに感銘を受けましたが、10月31日もサイコーでありました。

今回のプログラムは、演奏順にバルトーク、バッハ、ベートーヴェン、シューベルト。18世紀から20世紀までの広い期間からの選曲ゆえ、曲調がずいぶん異なります。コンサート前は「チョット、欲張りすぎ?」と懸念しましたが、そこは、さすがのスコダさん、違和感なく--どころかバッチリとまとめておられました。

1曲目のバルトーク「組曲」は20世紀の前衛的な作品。メロディらしいメロディが無くフレーズの断片の羅列で、正直言って、ワタクシにはついていけませんでした。ホールの他のお客様も、曲の難解さに少々戸惑ったご様子。まあ最初の1曲目は名刺代わり、ということでOKでしょう。

引き続き2曲目のバッハの「イタリア協奏曲」は一転、超有名曲です。食パンCMでおなじみのアレグロ第一楽章から、曲を我が物にしきった余裕の演奏全開です。使用楽器は、おそらくスコダさんのご自分のベーゼンドルファー・ピアノでしょう。スタインウエイの明晰な音と異なり、こもった柔らかい音色が特徴。これがバッハにぴったりね。終楽章のプレストが終わるや、バルトークのフラストレーションを振り払うかのように、ホールは大拍手。パチパチ。

3曲目はベートーヴェンの「ソナタ31番」。4曲目のシューベルトへの橋渡しにベストの選曲と感じました(この曲、ちょっとベートーヴェンらしくない、なよなよ感あります)。ベートーヴェン、あざとくテクニックを見せびらかす若手ピアニストの演奏と異なり、スコダさんは一貫して「自然体」。奇をてらわず体の内側から音楽が湧き出てます。聴いているこちらを曲に引き込み気持ちが盛り上がります。終演後、またもホールは大拍手であります。

15分間休憩をはさみ、ラストはワタクシが大好きなシューベルトの「ソナタ20番」。しびれる選曲です。スコダさん、シューベルトはピアノソナタ全集の録音あるほど、超得意レパートリーです。心の微妙な移りかわりを女々しいくらいに切々と語るところが、シューベルトの魅力と思うのですが、スコダさんは一音一音丁寧に愛情込め「弾き語り」ます。50年間弾き込んだスコダさんの独壇場です。第一楽章の出だしの一発目和音からして、多くのピアニストが(無駄に)強く打鍵する箇所が、気負い無く優しいタッチでこなすなど、バランス重視の気品ある解釈です。出だしで凄い演奏になるな、と予感したのですが、ビンゴでした、演奏バラツキなど微塵もなく曲は感動的に進行。聴衆は完全にスコダさんの演奏にのめりこんでおります。最終楽章は馴染みやすいテーマが繰り返され、いやがうえにも盛り上がります。最後の一音を鳴らしたスコダさんが鍵盤から手を離したとたんに、大げさではなく、割れる大拍手の渦です。日本のクラシックファンの耳の確かさには感動ですね。(例えば、海外有名演奏家も、つまらない演奏に対しては拍手の音が「それなり」に小さいのです。聴衆はなかなか厳しいのです)。

惜しむらくは、モダンピアノではなく、19世紀のグラーフ(のハンマーフリューゲル)を使って演奏して欲しいなあ!と思いますが、そこは我慢我慢。CDで聴く事にしましょう。

とにもかくにも、巨匠パウル・バドゥラ=スコダさんの演奏に酔った、すばらしい一夜でした。いつまでもお元気で、現役引退することなく、90歳、いや、100歳になっても生の名演奏を聴かせてほしいものです。

最後に、ワタクシ、CDのマニアなもので、つい持っているCDを自慢したくなりました。スコダさん演奏のCDは30枚ほど保有してまして、お気に入り(またはレアな)9枚の写真を撮りました(以下)。

いずれも輸入盤で、1980年~1990年代後半の録音です。日本国内で入手は難しく、海外サイトでネット購入できるのかもしれませんが、ワタクシは、CDショップを回って輸入盤コーナーで「発見」するのが楽しみなのであります。そういえば、イエルク・デムスと共演したシューベルトの「2台ピアノの作品集」(写真中段左)、「即興曲集」(上段左)は10年前に、ウイーンの有名CDショップで発見し、即購入。あのときは嬉しかったなあ。

とにかく一押しはシューベルト(上段3枚+中段左)で、ピアノソナタ全集から、13番と21番がカップリングされた1枚(写真の右上)が超お勧め。上段中央の「さすらい人幻想曲」も名盤と言えましょう。オーストリアといえばシューベルトもさることながらモーツアルト!ですが、写真の中段中央はモーツアルトの室内楽。古楽器演奏にしてもあまりにも音色が渋く古色蒼然ゆえ、好みが分かれますがスコダさんらしさが出た佳作と思います。中段右はモーツアルトのピアノ協奏曲23番で指揮もスコダさんがやっております。写真下段は左のハイドンのソナタ、これがまた渋いのです(ところでハイドンのピアノソナタって、どの曲もほとんど同じに聴こえますねーー)。下段中央はスコダさんの録音にしてはあまり見ないショパンのソナタで名演奏とはいえませんが良い味わいがありです。ここでは前出のベーゼンドルファー・ピアノの音色が聴けます。写真の下段右下のCD(8枚組)がワタクシの自慢の品で、これは5年前に出た、スコダさんの「75歳記念企画」のボックスセットであります。さすがに今では手に入らないでしょう。ははは、まいったか。

---という、興味のない方には、まったく面白くもおかしくもないマニアックな話題で、さんざん自慢してしまい大変に失礼しました。

次回は、本来の路線に戻って、映画ネタの予定です。今回に懲りず、ブログ、たまに、のぞいてくださいませ。ではでは。 


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音楽 CD「エッセンシャル・ジャコ・パストリアス」 [音楽]

最近購入したCDで最も感動した「The Essential JACO PASTORIUS」をご紹介します(07年7月発売)。ホント、これサイコー!!です。
ジャコ・パストリアスは1951年生まれ1987年没(享年35歳)の米国のエレクトリック・ベースの名手。
1970年代に活躍した伝説的技巧派フユージョンバンド「ウエザー・リポート」のベーシスト、といえば分かる方もおられましょうか。
あまたの名手が現れ、気がつけば忘却の彼方に消える音楽界のなかで、ベースギターという比較的地味な楽器で、没後20年経た今も「天才」「世界最高のベーシスト」と称され、その演奏が輝きを失わない男、ジャコ!!恐るべし!!なのであります。
演奏の正確さはもちろん、自由自在なメロディの妙、メリハリある音色、どれをとっても彼のプレイはベースギターの醍醐味を堪能できるものであります。
ジャコと言えばフレットレス・ベース。エレキ・ベースには弦を正しいポジションで押さえるための金属仕切り棒=フレットが半音刻みでネックに埋め込まれていますが、彼のはそれがない(ヴァイオリンやウッドベースのようにつるんとしてます)。高速プレイという実際的な要求によるものですが、見た目がカッコいい!!
てなわけで、ワタクシ、学生時代にジャコに憧れ、ベースギター(写真のです)のフレットを抜こうとしたんですがガッチリ固定されていてラジオペンチごときではびくともしません。結局、1本も抜けませんでした!
(どなたか、同じようなことした人、いませんかーーー)
ちなみに、ジャコのベースギターもフレット「あり」のものを、彼が「自分でフレットを抜いた」そうです。うーん、意外に地味なヤツだなあ。。。やっぱりラジオペンチで抜いたのかなあ。。。。。

前置きが長くなりましたが、CD「The Essential JACO PASTORIUS」であります。
CDの帯にもあるとおり「レーベルを超えた最強のベスト・オブ・ジャコ」といえる内容(2枚組)。
ウエザー・リポートでのプレイはもちろん、ソロ、セッションの演奏も含まれており、ジャコを知るのに過不足ない一枚。
ベスト盤は往々にして、痒いところに手が届かず、なんであの曲ないの?という不満がつきものですが、本作は27曲びっちりで満腹感いっぱいであります。
個人的にはソロもいいけど、大学生の頃にはまってたウエザー・リポートでの演奏がやっぱりいいなあ。
ウエザー・リポート名義ではアルバム「ブラック・マーケット」から1曲、「ヘヴィ・ウエザー」から4曲、「ミスター・ゴーン」から2曲、「8:30」から2曲、「ナイト・パッセージ」から1曲とほぼ満遍なく収録されています。
ワタクシのお奨め曲は、一般にはアップテンポの「バードランド」あたりでしょうけど、ここではウエイン・ショーターのサックスとの絡みが感動の涙を誘うスローテンポの「お前のしるし(A Remark You Made)」に決定!であります。
ジャコを紹介しておいてなんですが、この曲の、ショーターのテナーサックスの演奏にはビリビリしびれますよ、深夜の都会の冷たい空気を通して響くような、その音色の素晴らしいこと。。。。
そこによりそうに弾かれるジャコのベース。テクニックをひけらかさず、しかし「つぼ」を押さえまくった至芸です。曲の最後のサックスとベースギターのユニゾンなんて何度聴いてもゾクゾクします。

というわけで、CD「The Essential JACO PASTORIUS」。
新譜ではありませんが天才ジャコの演奏に改めて心打たれるベスト盤!100点満点です。


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